第9話 色々あったけれど、やっぱり今は幸せです。

最初どうなるかと思っていた自分の職場の問題も、時間が経つにつれて

慣れてきた感じか。仕事は楽ではないけれど、最初と比べたら雲泥の差だ。

やっていけば、段々慣れるという事か。

勿論、まるとむぎの二人が、仕事から帰ったら喜んで近づいてくれるのが嬉しい。


むぎも引き取った時と比べると、段々大きくなってきた。

元々胃腸が悪いのか、欲張って餌を食べ過ぎるのが悪いのか、

何回か動物病院で胃腸薬を貰う事になった。

そして錠剤が美味しくないようで、小さいカケラもペッと吐き出すのが

亡くなったちょろを思い出させる。


「もしかして、むぎってちょろの生まれ変わりじゃないの?」


相方も何度も口にした言葉。それを意識したのは、

何も教えていないのに、体を駆使して引き戸を開けた事から。

ももやまるは、これはやらなかった。やったのはちょろだけだ。

初めて見た時はびっくりした。

そして、気が強そうなようでいてビビりな点。掃除機をかける音でも

逃げて行ってしまう。

時には凶暴になる事も。爪切りに行っているペットショップでは、

毎回暴れるので、事実上の出入り禁止になってしまった。

まるはいつも大人しくしているのに。

むぎに関しては、猫用の爪切りのいいのがあったので、それを使用している。


更に動物病院では、もうどうしようもない事に。

言う事を聞かないだけでなく、毎回、粗相をしてしまう。

本当に申し訳なく思っている。

もう一つ、ちょろ以上に甘えん坊将軍な事。

寒い時には、自分が寝ている上に香箱座りをする。

重いけど、信頼してもらえているようで嬉しいものだ。


まるはまるでマイペースだ。段々年を取って来ると、

あまり運動はしなくなり、ベットで大人しくしている事が多い。

でもトイレに行こうとすると、トコトコと一緒について来る。

そして流れる水で水遊びをする。やっぱりこれが大好きみたい。

そして構って欲しい時は、ケージの扉をガチャガチャさせる事を

いつの間にか覚えていた。のんびりしているように見えるけど、

結構、利口な子なんだな。そんな点も愛おしい。



そして今に至る。職場の方は、あれから何人も人が入れ替わりで

結局自分は今でも残っている。精神を病んで入院した人もいるから、

どれだけブラックな職場だよと思ってしまうが、

適当にやっているような自分は、何だかんだで耐性はあるらしい。


そして、まるとむぎの二人のこと。まるはあれからまた結石で

2回目の手術をしたけれど、それ以降は特に問題はない。

うちに迎え入れた時はガリガリだったけれど、

気が付いたらもう14歳になる。スコティッシュフォールドの平均寿命を

いつの間にか超えていた。餌にも気を付けているので、

まだまだ一緒にいられると思う。もっとも、更に高い餌代にはなったが。

昔と比べると体重が軽くなっているけれど、

特に弱っている部分はないと思われる。いつも寝ているけれどね。

そしてパソコンで作業している時に、トコトコとやってきて

相手をしてねアピールをする姿は、とても可愛い。

頑張って長生きしてね。


むぎの方は、相変わらずの甘えん坊将軍だ。最初の頃は、

まるとは距離をとっていたけど、今では寄り添う事も多くなってきた。

以前はむぎがちょっかいを出して怒られていたけれど、

今は喧嘩もしなくなったかな。仲良きことは美しき哉。

まぁ時々餌を一気に食べ過ぎて吐いたりする事もあるけれど、

概ね健康なのは良い事だ。でもいい加減、動物病院には慣れてほしい。

予防接種とかの度に機嫌悪くして暴れた挙句に粗相するのは、ねぇ。




まぁ色々な事があったけれど、今は二人とも元気で幸せです。

むぎも、もうすぐ7歳になる。この魔の年を無事に超えられたら、

長く一緒にいられるはずだ。もう、ももやちょろの失敗は

繰り返したくないから……。いつまでも一緒に暮らしたい。

そう、いつまでも仲良く一緒に暮らせますように……。


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