第15話
――
「おぉ~」
足の痛みが治まるまでの休憩中に僕は、【努力の形】のプレートに魔石を取り込ませていた。
まずは、三つ地面に落ちていた謎の魔石の内、二つを取り込ませる。
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━
ゴブリンライダーの魔石
・ゴブリンライダーが持つランダムスキル獲得
・ステータスUP(筋力、敏捷+10)
・ゴブリンライダーのランダムドロップ品
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━
「ステータス+10はでかいな」
二個しかないので全てを選ぶことはできないがランダムドロップは優先じゃないので
選ばず、他二つの項目を選択する。
ちなみにエクストラボスを倒した際に与えるといわれていたスキルが気になったので
スキルだけ確認した。
その他のステータス値やレベルは後のお楽しみとして取っている。
貰えたスキルはなんと二つだった。
それも強力そうなスキルと便利なスキル。
一つ目は、冒険者なら誰しもが欲しがるスキル【アイテムボックス】。
アイテムボックスにレベルは無いが、個人差があると言われている。
容量は勿論ながら、アイテムボックス内での時間の流れでも差がある。
ちなみにカバンを入れてみたがまだまだ余裕がある、そんな感じがした。
これスキル欄で見たときは、エクストラボス倒せてよかったと思ったよ。
そして二つ目は、【デュラハンの鎧】と書かれていた。
あれってスキルだったんだ。
【酸】では溶けたものの、短剣だと傷一つ付かなかったので物凄いスキルを手に入れたんじゃないだろうか。
最後に残っているメインの魔石、漆黒のゴブリンの魔石を恐る恐る取り込む。
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━
【デュラハンの鎧を纏いしゴブリン】の魔石
・【デュラハンの鎧を纏いしゴブリン】が持つランダムスキル獲得
・ステータスUP(筋力、防力、敏捷+100)
・【デュラハンの鎧を纏いしゴブリン】のランダムドロップ品
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━
「スキルにもそうだけど物凄い名前が出てきたな...」
ちなみにデュラハンは、Sランクダンジョンに一度だけ現れたことがあるらしい。
噂程度の話しかなく、戦った冒険者が勝っただの負けただのと憶測が飛び交っているが戦った一名の冒険者は何故かデュラハンのことを話したがらなかった。
話さないせいでSランクでは一番弱い男としてのレッテルが貼られ、負けた説が濃厚ってことになっている。
噂程度の話を鵜呑みするつもりはないけど、なんで話したがらないのかは不思議に思った。
「....これ、【酸】のスキル無かったら確実に殺されてたな」
スライムさん大好きです愛してます。
冗談はさておき。
いや、冗談でもないが。
それにしても悩む。
「+100かランダムスキル」
本当に悩む。
戦っていて思ったが、スキルを使った感じがしなかった。
剣術スキルは確実に持っているだろうが、それ以外には何も感じなかった。
「.........」
頭では分かっていた。
ステータスを獲得したほうが、この次のF級ダンジョンをすぐに突破できることは。
だけど、ステータスは後からでも必ず上げることが出来る。
そして、僕は何故かランダムスキルに惹かれていた。
勘ではあるが、こっちにしろと頭が訴えかけてくる。
もっと考えてもよかったが、僕の直感を信じて見たくなった。
なのでランダムスキルの項目を選ぶ。
「ふぅぅ、なんか疲れたな」
疲れてはいたが、ステータスプレートを見るのは楽しみだったので胸がドキドキする。
「ステータスオープン!」
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━
高野京
MP :
筋力:
防力:
敏捷:
魔力:
精神力:100
スキル:酸
・
固有アビリティ:「努力の形」
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━
「レベル結構上がったな」
一気にレベルが5も上がっており、ステータスも中々に伸びている。
そして何より、スキルがおかしなことになっている。
何故か増えているスキルは一個だった。
だが、そのスキルの中には三つのスキルが込められているのが分かる。
「スキルが合併されるなんて聞いたことないんだけど...」
聞いたことは無いが、合併してしまったなら仕方がない。
合併してしまったこの三つのスキルは使えないのかを試したところ、【デュラハンの鎧】だけ、使えることが分かった。
自分の体に黒い霧が纏われ、次の瞬間、自分の体格に合っている漆黒の鎧が勝手に身に纏われていた。
鎧を装備しているにも関わらず、まるで重さを感じない。
「これはやばいな...」
試しに短剣で斬ってみるが傷が一切つかない。
ちなみに顔には纏うこともできたが少し視野が狭く感じたので頭には纏わないことにした。
本当は纏いたいが視野が狭まるのは戦いづらいので諦める。
そして、三つが合併してできたスキル【デュラハン】には、物凄く期待していた。
「【デュラハン】」
そう呼べば、ボス部屋には黒の霧が吹き荒れ始める。
エクストラボスの比じゃないほどに黒い霧が集まりだす。
驚いたことに自分の装備していた【デュラハンの鎧】が強制解除された。
そしてついに黒い霧がパンッ!と音を鳴らしながら弾けた。
中から現れたのは、漆黒の鎧を身に纏う女性のデュラハン。
すらっとした体形なのに出るとこはしっかり出ていた。
全身にしっかり鎧が身に纏われており綺麗だが、圧が半端じゃない。
正直、息が苦しい。
そして僕は、息が苦しいのでうつむいているとデュラハンが見下しながらこう言い放った。
「弱い、話にならんな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます