薫風にそ知らぬ顔ぞ障子穴

※くんぷうに そしらぬかおぞ しょうじあな


障子ごしでも爽やかな風を感じられるような、いい天気。


おや、障子に、穴が。


自慢の猫パンチでやったんだね。


誰がこんなことをしたのかな? そんな表情をしている、きみだけれども。


障子には、きみの毛が残っているみたいだよ?




※季語は、薫風です。初夏に若葉のかおりを漂わせて吹く、爽やかな風のことを言います。



心地よいひざしが入る、五月のある日。


障子を挟んで、爽やかな日の光を浴びるのもいいね、と思っていた飼い主さん。


すると、ひざしだけではなくて、すうすうという爽やかな風が。


障子を見ると、愛猫の猫パンチの痕跡が。

穴は一つ、二つ……。


障子の張り替えはたいへんですから、補修でしょうか。


猫パンチをしたと思われる愛猫は、悪びれる様子もなく、ごはんを所望しております。


物証の猫の毛は、残ってはいましたが。


障子の穴事件。どうやら、迷宮入りのようですね。

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