俺より仲間の方が強いんですけど!?

秋猫シュガー

第1話・ゲームの前に……

「かわいい~」

そう言いながら俺は、膝の上で丸まっている三毛猫のキマを撫でた。

すごい和む、最高!

そう思っていたら、奥から少女がこっちに来て。

「ちょっと純!暇なら手伝ってよ!」

純と言われた俺はムスーてかんじの顔をして、

「まだバイト時間まだじゃん」

そう、ここは知る人ぞ知る猫カフェである。

そして、彼女の名前は永瀬三花ながせみか少しツンツンしてる、俺の幼馴染だ。デレは見たこと無い。

他の猫カフェの事は知らないが、ここは彼女の父親が経営している猫カフェで、コーヒーとにぼし(にぼしは猫も食べれる)とかを出していて俺のバイト先でもある。

「そうだけど、いま父さんが買い出しに行って私一人だから大変なの」

「いや、今お客少ないし、三花の入れるコーヒー何故か不味いからおじさんが来るまで誰も頼まないと思うが」

「う……けど猫のトイレとか掃除しないといけないからさ」

そう言って、三花は接客に戻った。

「たく……あとでプリンおごってもらうからな!」

そして、手伝い&アルバイトを終えて、俺は家に帰った。玄関前に配達のトラックが止まって、俺の母さんこと三河由佳みかわ ゆかが荷物をもらっていた。

母さんは大のパズル好きで、とてつもない程の運の良すぎる人でもあり、よくなんかの雑誌の景品を当ててくる。

また何か当てたのだろう。

「ただいま母さん」

「あ、純ちゃんおかえり」

母さんはそう言って、家の中に入っていった。

家に入ると、キッチンの方からスパイスの効いた、いい匂いが漂っていた。

今日はカレーか……


次の日、今日は月曜日、学校だ。

俺こと、三河純みかわじゅんは高校一年生。

クラスメイトとは、少し話した程度だ。

何故か、三花と同じクラスで、しかも自分の席の後ろである。

俺の席は、廊下側で、今の時季は、隙間から風が吹いて少し寒い。

そして放課後、俺は三花と一緒に帰るとまた配達のトラックが止まっていた。毎度ご苦労様です。

「母さんただいま、で今回は何当たったの?」

「あ、純ちゃんおかえり~。これね、FDフルダイブゴーグルて言うやつだって」

「はあぁぁぁぁ!?」

何故こんなにも驚くのか説明しよう。

フルダイブゴーグルとは、見た目はVRゴーグルのような形をしているものだ。

そして高いものだと、洗濯機一台分の値段になる。

「しかもそれ、今のところ一番人気のやつだし……」

そんな物を当ててくる母さんの運は普通じゃない。

「え、母さんそれ何で当てたの?」

「ん~と、A賞ってあったから?」

そんな感じで、洗濯機位の値段がする物を当ててくるとは……運どころではないのでは?

「純ちゃんそんな顔してどうしたの?……あ!これ?これがやりたいの?」

「母さんどうしてそうなった!?」

「うんわかってる……私が当てたから使えないと思ったんだよね……大丈夫!これ私は使わないから!」

「え、え!?」

こうして、俺はFDフルダイブゴーグルを手にいれたのだった。

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