リセマラ

四季郷 陽

第1話 桐谷結愛1

全ての始まりは高校に入学してから1週間たったある日だった。

放課後、教室に忘れ物を取りに行くと別のクラスからふと声が聞こえた。

「結愛ってなんかウザくない?」

それは私が高校に入学してから初めてできた友達の雛の言葉だった。

恐る恐るその教室を見るとやはり雛がいた。

そこには、雛のほかに私がいつも話しているメンバーの人たちがたくさんいた。

また始めて見る人もいた。

別クラスの人なのだろうか。

「高校では変わろうと思ったのに」

そう私は高校デビュー女子である。

この高校には中学の時の私を知る人は誰1人としていない。

だからここの高校では、変われると思った。

だけど変わらなかった。

いやもっとひどくなった。

中学の時は友達などいなかったから気楽だった。

高校に入って初めての友達ができた。

友達ができた時はすごく嬉しかった。

遊んだ時もとても楽しかった。

でも、、、でも

友達に裏切られた。

「結愛ってなんかウザくない?」

この言葉が頭から外れない。

友達に裏切られたことがこんなにも辛いことなんて思わなかった。

こんな思いするなら1人の方が楽だった。

高校デビューするんじゃなかった。

そんなことを思いながら覚束ない足取りで帰路についた。








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