幻想的
堕なの。
幻想的
幻想的、現実の世界から離れた、幻の世界の夢を見ているような様子。空を鯨が泳いで、街はピンクと青の水に沈み、空にはオーロラがかかる東京。そんな世界が現実となってしまったら、それは怖いと同時に、どこかスリルにワクワクする。
起床はクジラの鳴き声と共に。寝床は起きて直ぐに立ち消えて、水の上に足を下ろせば波紋が広がっていく。特に何を変えるでもなく徐々に消えていって、私一人分の静寂の存在を肌で感じる。
少し歩けど何も無く、どうでもいいと足を止め、生とは何かと考えて、ただ意味の無い呼吸をする。生きたい感情と死にたい理性が攻めぎ合って、最終的に怖くなる。結局また、理性も感情の内である。感情なくては理性も持たず、感情なくては人でも居られぬと思う。ただの持論である。
最も、この持論を押し付ける相手も消え失せたこの世界では、持論などというものは意味もなく何れ私の肉体と共に消滅していく。
それは余りにも悲しいのではないか、と思う事もある。だが、残す方法がないのだから仕方がない。もし私の心を書き留める者が居るのなら、何時かの為に残しておいて欲しい。何時か、私の心内が誰かに伝わるように。
有り得ない話に思考を割き過ぎた。今日はもう寝よう。そんなことを思いながら、起床して約三十分後、私は眠りについた。肉体の消滅を持ってして。
幻想的 堕なの。 @danano
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