「何年経っても」


小学校低学年の頃、級友たちの前で好きだと彼女に告白した。皆に茶化され彼女は泣き出す。仲良く話せる仲だったのに、それからは喋らなくなった。今では可愛くなった彼女に告るヤツが次々あらわれる。付き合ってる噂は聞かないけれど、再告白する勇気がでない。僕はちらりと見るだけで彼女に睨まれる。



「愛してる」彼が他人のいる場所でまた叫ぶ。一度目は悪戯だろうと親に言われ、再告白までもやもやした。再告白は文化祭、青年の主張大会だ。彼は何年たっても変わらない。嬉しいけど恥ずかしい。私は赤くなってしまう。今度は二人きりの時にお願いします。ホスピス病棟のベッドで涙を流し目を閉じた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る