「読心」
◆
少し開いた窓。熱い風と涼しい風がまじる。窓際の席、廊下側の彼女は遠い。横顔をちらりと眺める。視線は教科書なのに唇が笑っていた。僕も教科書に目をやる。駄目だ。何が面白いのかわからない。さっきの授業何か面白かったのと気軽に聞ければいいのに。それかエスパーのように心がわかればいいのに。
◇
また変わった。窓際に座る彼は、ころころと表情が変わる。勝手に覗いちゃ駄目だ。超能力を持ってる私は人の心が読めてしまう。父が見つけた石を握ると読心だけは抑えられる。今度は教科書とにらめっこをして悩んでいるみたい。何を考えているのかな。ん、心の声がもれてしまった?彼と私の目があった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます