「カメラの向こう」


スマホカメラをむけられる。ポーズをとってと言われピースした。どんな風に撮れたかな?「みせて」と彼に迫る。写真部の彼はこうしてよくクラスメイトを撮っていた。「ごめん、失敗したから」チャイムがなり彼は急ぎ席に戻る。もう一度撮り直してくれるのかな?その後クラスメイト撮影会はなくなった。



全員分の写真が揃う。完成までは誰にも見られたくなかった。特にあの子には。文化祭、写真部の展示に出す物だ。自分が撮った風景写真とクラスメイトの写真を交互に紐に吊るしていく。一番気に入ってる風景写真の横に、笑顔でピースする彼女の写真を並べる。いつか彼女と、この綺麗な世界を共有したい。

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