「転校するキミと」


「さようなら」教室、皆の前で彼女は泣き出した。三日後、彼女は父親の海外転勤についていく。告白したのは一週間前。「ありがとう、嬉しい。だけど、ごめんね」中学生の僕が海を超えて会いに行くのは無理だ。「さみしくなるから」彼女は言った。きっと帰ってくる。駆け寄りたい衝動を必死で我慢する。



中学三年生の九月。私は帰ってきた。聞いていた教室に入り驚く。また同じクラスなんだ。随分背が伸びた彼が窓際で友達に囲まれていた。もう誰かと付き合ってるのかな。告白した事、忘れちゃった?私は忘れられなくて、連絡を取りたかった。今なら聞けるかな。新品のスマホを握りしめ彼のところに行く。

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