「夏の応援」


フレーフレー!打席に立つ彼に精いっぱいの応援を送る。眩しい日差し、目深に被るヘルメット、ここから打席までの距離だってある。放送で私は彼を認識できる。けど、彼にとって私はきっとただのチアメンバーの一人だ。それでも私は応援を送る。やった、ホームラン!嬉しくて目から涙が溢れそうになる。



眩しい彼女があそこにいる。短いスカートで踊る姿がテレビで放送されてるかもしれない。それを近くで見るのは俺だけだ!渾身の力を込めてバットを振るう。打球は彼女のいる観戦席とは真逆の方向。よし、ホームランだ。これで今は彼女の姿は映らない。もう一度言う。彼女のその姿を見るのは俺だけだ!!

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