第6話 メスガキな女神をわからせた!
ようやく仲間が揃ったところで、いよいよ本格的な冒険の始まりだ。と思ったが、謎解きは面倒臭いので、ここからはかなり端折っていくことにする。
これまでの冒険で集めた情報を整理すると、どうやら大司教を倒すにはある特別なアイテムが必要らしい。
その特別なアイテムは、かつて魔王だったジポルキンの子孫が持っており、世界中に散らばる5つのアイテムを集めて、それらと交換してもらわなければならないという。
そこで俺たちは、世界各地を巡り5つのアイテムを集めることにした。
まず訪れたのは、ヒョーガキア大陸の南に位置する島国ヤリコンデル。
そこのメスガキ好きなヤリコンデル王と意気投合した結果、国王から《メスガキのランドセル》をもらった。
次に訪れたのが、ヒョーガキア大陸の西に広がる大変洋に浮かぶ孤島の街メーザン。
街中を歩いていると一匹のメス犬が懐いてきて、その犬が示した場所を掘ってみると宝箱があり、その中に《メスガキの上履き》があった。
ここで一旦ヒョーガキア大陸へ戻り、ダンジュニ王国にあるビヤクヌールの街で、トンズラのヲタ友だという引きこもりおじさんから《メスガキのリコーダー》を手に入れた。
だがそのために、トンズラには申し訳ないが秘蔵の薄い本を何冊か手放してもらった。
続いて、再びキルガメッス大陸へと渡り、デラマーラという村にある廃校でたむろしていたメスガキどもをわからせ、そいつらから《メスガキのスク水》を手に入れた。
そこからさらに、氷河の女神がいるという永久凍土の洞窟へ向かうことにした。
俺たちは何日もの間、草木も生えていない平坦で不毛な大地を彷徨い、ようやくそれっぽい洞窟を見つけた。
その入り口はとても小さく、そして狭い。デブなトンズラでは中に入ることができず、ダリンも女神なんかにか興味はないと言うので、俺だけが洞窟の中に入ることにした。
俺はやっとの思いで中に入り、しばらく進むとやや開けた空間に出た。
中央には天蓋付きの大きなベッドが置かれており、銀色のさらさらな髪をした幼女がスヤスヤと寝息を立てていた。
あ、お前はあの下校途中のメスガキか!?
「おいコラ、起きろ!」
俺は布団をはぎ取りメスガキを叩き起こした。
「う、う~ん、誰じゃ、我の眠りを妨げる者は……。あ、お主はあの氷河期のクソざこではないか!」
おい、目覚めていきなりそれかよ!
「よくぞここまで来れたの~♡ 褒めて遣わそうではないか♡」
やはりこいつは、紛れもなくかつて見たあのメスガキだ。
あの時はランドセル姿だったが、今はだぼっとした白いバスローブのようなものを羽織っている。
そしてその胸元は大きくはだけていて、透き通るように白くつるっとした肌が覗く。
くっ……。わからせ願望がむくむくと湧き起ってきやがった。
「お前が氷河の女神か? そしてお前があの日、俺の前に現れた女の子なのか?」
俺はざわつく心を抑えながら静かに問いかける。
「いかにも、我は氷河の女神スカーラ♡ 下校中の女子児童に成りすまし、お主を異世界へと転生させたのは我じゃ♡」
「何だと!? じゃああの日のことは、全てお前によって仕組まれていたとうことなのか?」
「そうじゃ♡ お主は氷排法のリストの上位にいたからの♡ じゃからあの日、我が事故へと誘導してお主を転生させたのじゃ♡」
スカーラは赤く光る瞳に侮蔑の色を湛えてさらに話を続けた。
「まぁ、あのまま日本にいてもクソみたいな人生だったのじゃし、こっちの世界では王子にしてやったのじゃから良いではないか♡ じゃが見たところ、また引きこもりのクソざこな人生を歩んできたようじゃが♡」
ふぅ……。こいつ、越えてはならない一線を越えちまったようだな。
いいだろう。あの時の恨み、今こそ晴らしてやる!
俺は《わからせ棒》を使った。
「な、なぜお主がそれを持っておるのじゃ? それはあまりに恐ろしい物ゆえ、遥か昔に我が封印したはずなのじゃが!?」
俺は《わからせ棒》を使った。
「よ、よせ! や、やめるのじゃ! た、頼む、何でも言うことを聞くから、それだけはやめるのじゃ! ひ、ひいいいいい! ……おほぉあ!?」
俺は《わからせ棒》を使った。
「お゛お゛お゛お゛お゛……、おんッ♡ はっ♡ ひぁ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ ふっ♡」
俺は《わからせ棒》を使った。
「おふっ♡ ん゛あッ♡ だ、だめ♡ ッあ♡ こ、壊れる♡ い゛あっ♡ ふおッ♡ 壊れちゃう♡ あっ♡ おっ♡ はっ♡ はっ♡ もっと、もっと壊して欲しいのじゃああああああ♡」
こうして俺は、前世の復讐とばかりにとことんわからせて、スカーラが昏倒する前に《女神のID》を手に入れた。
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