秋相

胸元に抱き寄せた温もりは

未だにここに残って

冷めることはない



小さな掌に僕の手をのせれば

それだけで彼女の全てを

覆い尽くしてしまいそうだ


白の上にわずかな桃色をのせる

ちょっと特別な君の表情

ワンシーンを切り取るならこの時

前奏は鳴り止んだ

窓のない中で秋の訪れを二人して待つ


紅葉と言うにはまだ早いけど


あるんだ、ちらちら舞う色鮮やかな紙吹雪のように


この季節の真っ只中


中途半端に行けるようで行けない場所


そこに椅子を並べて風の木枯らしを調べる僕ら



何を言うともなしに

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詩全集「Look back」 那須茄子 @gggggggggg900

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