第61話 モナ姫と一緒に設備を楽しむよね
「銭湯やカラオケ以外にも、渾身の娯楽設備があるのでモナちゃん案内する~」
「お願いしますわ、お姉さま」
とことこと、二人が歩いていく様は実にかわいらしいもの。
入り口から、ササラが時計回りに案内していく。
まずは、こちらパチスロコーナーになります。
「汚嫁シリーズ、汚客シリーズ、汚屠夫(おっと)シリーズ等様々なオリジナル台を……」
「もしもーし?!」「一銅貨で百点、お金だけで交換できるのは上限三百点までで二千点に到達すると景品が出る仕組みとなってま~す」
「景品は最初、油ギッシュオッサンとオタク系のオッサンがキャッキャウフフするラブストーリーを予定していたのですが。妹の猛反対により、化粧品や美容品やお風呂グッズや玩具なんかにしてあります。ムネンジャ」
「ムネンジャじゃねぇって」「反対しなかったらそれでシリーズ全七十五巻の何処に需要があるのか判らない代物を景品にする気だったのよ。姉さん」
「鈴さん、よくぞ止めてくれた」
「次は隣の、お菓子屋さんとプラモ屋さん」「おー、結構本格的なものが沢山積み上げてあるな。お一人様一個まで?購入制限あるのか」
「お菓子も随分安いな、これ近くの屋台のおばちゃんとかの手作りか?」
「ぃぇ~」
「これも、姉さん私が止めなかったら。実際に使い魔として稼働できる本格フィギアとかロボとかを売る気だったのよ……」
「鈴さんグッジョブ!!」
「私としては消化不良なのだけど、またほっぺをつねられたくないので妥協しました」
「その隣が、おっさん達やお姉さん方に大人気のマッサージコーナー」
「案外普通のモノも作ってんだな」「これも妹の猛反対により、普通のマッサージ椅子になりました……」「普通でいいじゃねぇか」「私としては任侠カタモミや網タイツ脚肩叩きをですね」「ねぇさん?」「ひゃい……」
「お兄様、あれはなんです?」「あんなもんまで作ったんか師匠」
そこにあったのは、超高速回転する的と凄い離れた位置に魔法陣があってそっからダーツを投げて遊ぶというものだ。「天国と地獄ルーレットになってます」
「一応聞くが師匠、天国と地獄で何が起こるんだ?」
「当たりに当たれば、毎月金貨十枚で一年。あの矢は、三本で銀貨一枚で貸し出しになります」
「他にもアウトローの皆さまのご協力で、酒池肉林にご招待とかも当たりにはあります」「ハズレは?」
「優しくて金盥、最悪だと下水処理水の中にドボン」「……おぃ」「他にも、スキャンダルを強制的に町中に放映される等のハズレも搭載されており」「本当の地獄仕様じゃねぇかよ」「先日冒険者が浮気の現場をそのまま町中に放送されるのを引き当てて奥さんにバレえらいことにですね……」「後、税金ちょろまかしてた役人のスキャンダルが放映された時は、書類と証拠セットで強制召喚されるおまけ付きで」「なぁ、師匠それ娯楽のルーレットでやることじゃねーって」「あそこにちゃんとこれ以上無い位のデカい字で注意書きがしてあるじゃない、覚悟のないものこのルーレットで遊ぶべからずって。大体人の不幸は蜜の味っていうじゃない?」
(ホントだ、あれで見てねぇ聞いてねぇってのは無理があるぐらいでかでかと何が起こるかも当たりもハズレも一覧表になってるし矢も自分で投げるから言い訳できねぇ)
後は、子供用のミニ乗り物コーナー。カエルのデフォルメキャラが上下に動くだけだったり、電車やバスの形をしていて揺れるだけの乗り物が沢山置いてあるコーナーが一角にあった。
「おっ、ここはまともそうだな」「最初は、ビキニパンツのリーゼントのオッサンが空を飛ぶようなものの背中に乗る様な乗り物まで用意したけど妹に撤去されました」「だよなぁ……」
ミニメリーゴーランドや、大人用に馬一頭にのれるロボポニーコーナーまで作ってある所をみると撤去されてなかったらきっとロクでも無いもん作ってたんだろな。
「最終術式の武器無しのミニチュアみたいなのも、乗物として準備してたのよ姉さん」
「あの人の頭の中、何処に向かってんですかねぇ?!」
「後は、レストランっぽいものとその横に水槽コーナーで終わりかな」「聞いてるだけで疲れんぞ」
「モナちゃん、何処で遊ぶ?」「あのバス?とかいうのに一緒にのりません?」
「らじゃー」
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