第22話 酒場で暴れたらしばらく出禁だよね
「のまのま~うぇい!」景気よく酒場でジョッキを傾けるササラとその横でミルクを嗜んでいる鈴。
鈴の横でミルクをお酌して、笑顔になっているカイ。
「おっカイじゃねぇか、子連れで酒場とは羨ましいね♪」
仲間の冒険者がカイに声をかければ、無言で手を上げ笑う。
「誰が子連れだ、よく見ろ。何処に、酒飲む子供がいるんだよ」
途端に、眼が点になる仲間冒険者。
「本当だ!、よく見たら子供がエール飲んでて。別嬪のねーちゃんの方がミルクじゃねぇかふつう逆だろ」
「こっちが姉で、こっちが妹な」
そうやってカイが指を指すと「嘘だろおい、マジかよ……」とドン引き。
鈴の方は優し気に手を振って微笑み、その様子は酒場にあって深窓の令嬢の空気をかもしだしていた。
その横で、赤ジャージで絶好調に空ジョッキをブンブン丸している姉。
そこに柄の悪い別の冒険者が「おいねーちゃん、酌でもしてもらおうか」と鈴を引っ張っていこうとした瞬間触れる前にカイが叩き落とした。
「おい、人の女に酌してもらおうかは随分だな」
赤ら顔の冒険者とにらみ合うカイ、それを赤ら顔のササラが笑顔で横やりを入れる。
「お酌って、お酒ついだげればいいの?おーけーおーけー」
そういって、指を鳴らす。
その瞬間、赤ら顔の冒険者が空中で水車側に背中が来るようにくくりつけられていた。
カイがその意図を察し、素早く魔法で土の箱をその水車の下に創り出し二人で邪悪な笑みを浮かべていた。
「ささ、カイ君お酌をしてあげなよ。たっぷりね♪」「流石師匠、斬新なお酌だわ」
何故か、水車の上にそこが抜けたジョッキが用意されそのジョッキにお酌すると水車が空中でまわる様にされていた。
「俺が作った土の箱の中に水を中途半端にいれておけば、上に来た時しか酸素吸えない様になる訳ですね♪」
「いぐざくとりィィィィィィ!正解でぇす。えらいぞ、カイ君」
((あっ……(察し))
「ビック車輪!しょ~~~~~た~~~いむ!!」
溢れる身体能力を駆使してガンガンお酌をして、車輪を回すカイ。
それをつまみに、さらに中ジョッキをあけている笑顔のササラ。
「カイ君スマナイ、重大な事を忘れていたよ」何故かストップをかけるササラ。
「師匠忘れてた事って?」止まって尋ねるカイ。
「お酒は冷やして飲むのがウマいじゃない?」トントンとカイの作った土の箱を指さす。
「俺としたことがっ!そうですよね!!凍らない様にガンガン冷やすべきですよね」
絶好調で、氷の魔法を凍らない絶妙な温度で限界チャレンジするカイ。
※コントロールは抜群だ!
ドン引きするカイの友達冒険者、もう慣れてしまって知らん顔でミルクのおかわりを頼む鈴。他人のフリが、板についてきたようだ。
そこへ、酒造に追加注文に行って来た店主が帰ってきて。正面直ぐに車輪にくくりつけられながら氷水に何回もドボンさせられている不良冒険者が居て思わず買って来た酒のつまみの材料を落とした。
「実はかくかくしかじかで」と留守番を任されている店員が回されている不良冒険者の説明をした。溜息をつくと、「衛兵よんできて」と苦笑した。
その惨状をみた衛兵が、不良冒険者と一緒にカイとササラを詰所まで連れていき身元確認の時にバレて大目玉をくらって怒られ。「カイ様しばらく酒場は出禁と、通達しておきますからね!!」と般若の顔のメイドに詰め寄られたのは読者しか知らなくていい事だ。
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