リフォーム分譲ダンジョン【不殺】~親が死んで親戚に騙されて親の財産を盗られた。こうなったら成り上がってざまぁしてやる~
喰寝丸太
第1章 始まりの分譲編
第1話 騙された
僕は
中学校に入学したばかり。
両親が二人揃って旅行に行きたいと言い出した。
普通の一泊温泉旅行。
二人だけで行かせてあげようと気を使って、僕は家で留守番をしていた。
ピンポーンとインターホンが鳴る。
「はい」
「カレーのおすそ分け持ってきたわよ」
おすそ分けを持ってきてくれたのは近所に住んでる
幼馴染という関係。
中学になったんだから、関係をあと一歩近づけるために、踏み出したい気もする。
「ありがとう。上がってコーヒーでも飲んでいけよ」
「ええ」
電話が電子音を奏でた。
出ると警察からで、両親が事故に遭ったらしい。
ここからはめまぐるしく事態は過ぎた。
結局両親は即死で、お葬式の準備をなんとか一人でこなす。
といっても葬儀屋さんの言葉に頷いていただけだった。
「
親戚の
「そうして貰えるのなら」
僕は保険金と預金の全てを親戚に預けた。
「生花と香典のお金を出してくれないか。しきたりなんだ」
「はい」
あれっ、なんかおかしい。
「ちょっと教えて下さい」
不審に思い葬儀屋さんに聞くと、喪主に弔問客の香典を払わせるなんて聞いたことがないそうだ。
「あんたら、僕から金を毟り取るつもりだな」
「何を言うんだ。私達は君のことを思ってだね」
「帰ってくれ。あんたらに参列されたら両親も浮かばれない」
「まあまあ」
僕は頭にきて、親戚の生花を壊して滅茶苦茶にした。
「こんなのことして。絶対に後悔するぞ」
葬儀屋さんが僕を宥めに来る。
なんとか落ち着いたが、式を壊した事実はなくならない。
微妙な空気の中で式は進んだ。
お葬式が終わり、悲しみ浸る日を過ごした。
「もう私とあなたは他人よ。学校で会っても無視して」
「何で?」
「だってあなたお葬式で大暴れしたでしょ。それに……」
「それになんだ」
「家庭環境に問題のある人はちょっと。あなた親戚にお金を全て盗られたそうね」
「どこでそれを」
「あなたがSランクハンターなら考えるけど。それなら今まで通り口をきいてあげるわ」
「なるよ。Sランクハンターに」
「無理よ。なれっこないわ」
この世界、ダンジョンがある。
ダンジョンのモンスターを倒すとレベルが上がって、魔力が増える。
この魔力というのは不思議なエネルギーだ。
想いに反応する。
それで人間というのは綺麗になりたいと思うらしい。
それで、魔力は人を美人に変える。
骨格すら変える。
それだけじゃない、運動神経、知力何でも能力を上げる。
結局、レベルを上げるということは超人に近づくということだ。
学説によれば神に近づいているんだそうだ。
そして器用さも上げるので、上位ハンターはみんな芸達者だ。
俳優でも歌手でも何でもこなす。
上位ハンターは美人で芸能人ということだ。
収入も凄い。
ハンター活動だけで数億の収入を叩きだす。
そうなれるのは一握り。
ただ、誰にでもチャンスはある。
モンスター討伐は推奨されているというか、高校からは授業のカリキュラムに含まれている。
能力全般が上がるなら、そうするべきというのが政府の考えなのだろう。
学校の成績もレベルを上げれば上がる。
そういうデータも出てる。
「分からないじゃないか。僕はまだ若い。可能性はある」
「駄目よ。Sランクになるような人は、私達ぐらいの年齢から、伝説を残しているんだから。凄いスキルでも持っていたら別だけど」
スキルは魔力が体内で回路化された物だ。
研究ではそうなっている。
なぜスキルができるのかは詳しくは分からない。
魔力が想いに応えたということだろうと言われている。
「【ステータス】」
――――――――――――――――――――――――
名前:
レベル:1/65536
魔力:8/8
スキル:0/1
――――――――――――――――――――――――
ザコステータスだ。
でもレベル限界値は異様に高い。
レベル限界値はトップクラスで1000ぐらいだ。
才能があると自分では思っている。
でも限界値までレベルを上げられる人は少ない。
頭打ちになるからだ。
どうしても勝てないモンスターの壁というものが存在する。
スキルがあると魔力で奇跡のようなことが起こせる。
超能力みたいな物だと思ってくれても良い。
僕のスキルスロットはひとつだ。
だがひとつの人は多い。
全人口の8割だ。
気にするほどのことでもない。
そろそろ学校に行かないと。
休んでた学校に行くと、僕を見る目が何となく違う。
腫れ物を扱うようなと、厄介者を見る目だ。
僕は何も悪くない。
誰も話し掛けてこない。
虐めとは違う空気だ。
葬式での大暴れが伝わっているのだろうな。
近所の人はほとんど来ていたから。
確かにあれは不味かった。
でもやってしまったことを蒸し返しても仕方ない。
まあいい。
友達なら高校にでも行けば出来るだろう。
灰色の中学校生活でも別に構わない。
悲しみに浸るには、騒がしくない方が良い。
中学の間に
かなりショックだ。
たけどレベルを上げて見返してやるという思いが生まれた。
レベルが上がらないと良い企業への就職もままならない。
だからやらないという選択肢はない。
僕が死んでも悲しむ人はいない。
だから好きに生きてやる。
死ぬ気なら、できるはずだ。
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