フリマサイトでパイフォンを買ったら幼馴染の女子も一緒に届いた

じゅんや

第1話、懐かしいパイフォンと怪しい出品者

俺の名前は、石川裕也(いしかわ ゆうや)。

最近、(マルガリ)と言うフリマサイトで昔欲しかったけど買えなかったり持っていたけど壊れてしまってまた欲しくなったりした物を買っては楽しんでいる。

マルガリには本当にいろんな商品が出品されている。

家電やスマホ、おもちゃやゲーム、服や靴、鞄とそれはもう言い出したらキリがないくらいにカテゴリが豊富だ。

そんな俺は、最近、昔使っていたパイフォンを偶然見つけた。

このパイフォンは初めて親に買ってもらったスマホだった。

その当時、俺の家の隣に幼馴染である水瀬(みなせ)美咲(みさき)が住んでいた。

美咲とは、幼稚園からの幼馴染で、親同士も仲が良く家族ぐるみの付き合いをしていた。

俺が小学6年の時にパイフォンを買ってもらった。

美咲も俺と同じ時期に同じ機種を買ってもらった。

買ってもらった時は2人でレインの交換をしたり、ゲームをインストールして遊んだりした。

その当時は、今から思うと小さな画面にそこまで性能も良くなかったこともあってそこまでさくさく動いたわけではなかった。

が、買ってもらった当初はとても感動したのを覚えている。

それまで水音に用事があると家まで行ってインターホンを鳴らして出てきてもらっていたがパイフォンを買ってもらってからは毎日のようにレインでチャットをしたり通話をしたりして楽しい時間を過ごした。

それから俺と水音は中学、高校は別の場所へ進学した。

それからは、美咲とは会っていない。

そんなパイフォンが出品されているのをみて思わず中を覗いてみた。

商品画像を見てみると思ったより状態の良いものだった。

少し傷?のようなものが見えなくもないが比較的良好なものだと思い俺は画面を下へスクロールして出品者や発送元の地域を確認した。

すると、今俺が住んでいるところからそう遠くはなかった。

出品者、yくんの彼女になりたい。

発送元の地域、東京。

価格、2000円。

いやいや、なんて名前なんだ?この出品者。

yくんの彼女になりたい?

バカなのか?この人は。

まあいいや。

兎に角、俺は、購入画面へ進み諸々の手続きを済ませて、無事に購入することができた。

マルガリのルールとして、出品者から購入した際は取引メッセージという形で買った旨を伝えなければいけない。

なので俺はこう書いて返信した。

商品を購入させてもらいました。届くのを楽しみにしてます。

俺は昔のことを思い出しながら送信ボタンを押した。

すると、数秒して、向こうから返信が来た。

ご購入、ありがとうございます。明日、お届けにあがります。

俺は何度もそのメッセージを見返した。

いやいや、明日お届けにあがります?

発想じゃなくて?

もしかして、ヤバい人から買ってしまったか?

改めて、商品ページを見てみると、下には、重さが45kg?

高さ、150cm?

はあ?

な、なんだよこれ。

俺は懐かしさのあまり下の方の情報を見ていなかった。

やっぱりキャンセルしよう。

そう思い、取引画面でキャンセルしようと思ったのだがキャンセルボタンがない?

どうするんだよ、これ。

兎に角、キャンセルできないなら届いてから運営元に連絡しよう。

そうして、次の日。

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