【福祉のお仕事】いい支援とは?〜「不適切にも程がある」を視聴して

萩野吉保

第1話 ありがちトラブル1:セクハラ:ラブとハラは紙一重

利用者さんの間でよくあるトラブル第一位は、セクハラ。


最近話題のドラマ「理不尽にも程がある」の中で歌われている。


「ラブとハラは紙一重」


本人は、ラブのつもりで接していても、受け手にとってはハラスメントになることがある。



そう、人と人との関わり、誤解はよくある。

しかしだ。「あなたは私のことが好きだ」という前提でコミュニケーションをしてしまうと、どうなるだろう。それで、相手が本当に好きなら問題ない。相思相愛で問題ない。だけど、勘違いだったら?


好きでもない相手から、親しげなコミュニケーションをされたら、それは立派なセクハラなのだ。


しかし、この勘違いは、精神疾患だから、障害があるから起こるのではない、いわゆる健常者ばかりの一般の職場でだって起こることだ。


つまり、《一般の職場で起こりうるトラブルは、福祉の現場でも起こりうる》。


福祉の現場だから、許されるなんてことはない。むしろ、そう思っている人は改めて欲しい。福祉の現場だから、一般社会では許されないことも許されるわけではない。一般社会でダメなことは、福祉の現場でもダメなのだ。



障害があるから、病気だから、一般社会のルールから外れていいなんてことはない。


障害があるから病気だから、常識がない、それが当たり前なんていうのは、偏見だ。



障害があるから、病気だから、一般社会でのルールを守らなくていい。そんなふうに接するのは、利用者さんを尊厳ある人間として扱っていない証拠であるし、利用者さんに対する冒涜である。


以前、うちの事業所に通所している男性の利用者さんがストカーになったことがある。他の事業所にも通っていたその利用者さんは、そこの女性の利用者さんを好きになった。そして後をつけるようになった。


僕は悩んだ。後をつけられている利用者さんがうち事業所の利用者さんなら、手のうちようが多少ある。だけど、後をつけられている女性の方は、他の事業所に通っている方で、僕は顔も知らない。かといって、追いかけているうちの利用者さんの方に、僕がやめるように一方的に言っても、通じないだろう。だから、僕は、まず、ストカーをしている利用者さんと話をすることにした。



そう、そして、この対策は、ドラマ「理不尽にも程がある」で歌われる「話し合いましょう」に続いていく。



障害があっても、病気があっても、普通に接する。

それがいい支援だと僕は思っている。

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