ぬるま湯

あなたの姿は、いつまでも見えないままなんだね




分かってる?

わたしがどれだけ心を踊らせていたのか。

どれだけこの瞬間を心待ちにしていたのか。

もう少しでやっと会える

本当のあなたに




ありのままのわたしには

ありのままのあなたがぴったり

だから怖がらないで

どうぞ思いっきり飛び込んできて

そのままわたしだけを見つめていて






そして見た

あなたの瞳

宝石のように美しく

氷のように冷たい

あなたの瞳






熱くなるほど体温は近いのに

どうしてあなたがわからないの

音が聞こえるほど心臓は近いのに

どうして心が見えないの




あいしてる

そのうすい唇がやわらかく刻む音に

わたしは頬擦りする

それだけしか縋るものがなくて

必死になって胸にしまい込む




今わたしの腕の中に、確かにあなたはいるのに、

いつまでたっても、あなたの本当の姿は見えない

こんなに近い距離に、こんなに大きな壁が立ち塞がっている






あなたが抱きしめてくれるから、

今日もあなたの中で眠ろう

あぁでも、わたしの目には、





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