第13話

お化け屋敷に着くと突然郷田兄が妹のカバンから箱を取り出し


「皆んな、お化け屋敷と言ったら二人組が定番だよね。じゃじゃん、くじ引きBOXが偶然あります。これでペア決めよう」


と言い出してきたので何か絶対仕込んでいるだろうと考えていると


「なんで、箱があるんだ」


と兵頭さんは郷田兄に聞くと郷田兄は目を泳がしながら


「なんでだろうね、たまたまあっただけだから知らないな」


と言ってきたので兵頭さんは溜息をつき


「こいつの怪しすぎる箱よりもジャンケンで同じ手を出した人とペアにならねーか」


と提案すると


「そんな長くなりそうな奴よりも僕のBOXで決めようよね」


と対抗してくる


「じゃ、公平に多数決にしねえか」


と兵頭さんが言うと郷田兄は俺に目で何かを訴えた後


「もちろん、良いよ」


と言うと多数決が開始され、兵頭さんの意見が多数派になると郷田兄は落ち込みながらBOXをしまい、覚悟したような目をしてくる。


「じゃ、今からペア決めるぞ」


と兵頭さんが気合いを入れた声の合図で、ジャンケンが始まる。


その結果、ザキはテルとペア、兵頭さんは郷田妹とペア、俺は郷田兄とペアになった。


兵頭さんと郷田妹とペアになって緊張するよりかはましかと思っていると


「藻太郎、よろしくね、本当は樹と藻太郎を一緒にさせたかったけど、これはこれで、おっと、じゃ藻太郎順番決めてくるね」


と言って出発する順番を決めに行ったので、やっぱりBOXに何か仕込んでいたんだと思いながら待っていると郷田兄が戻ってきて、出発は1番目と聞かされる。


そういえば、お化け屋敷に入った事無いなと思っていると


「じゃ、藻太郎行こうか」


と言ってきたので俺は頷き、お化け屋敷に入って行く。


中に入ると暗さで何も見えなかったので慎重に歩いていると突然腕に誰か抱きついてきたのでビクッとすると


「ごめん、藻太郎、僕実はお化け屋敷が苦手でさ、こうしてて良い」


と言ってきた、これが兵頭さんや郷田妹だったら、緊張していたなと思いながら


「うん、良いよ」


「ありがとう、藻太郎」


と俺たちはお化け屋敷の中を歩き出す。


歩いていると様々な怖がらせる仕掛けがあったが郷田兄が大袈裟に怖がっていたので俺は怖くなく歩けていた。


その後歩き続け、出口に着くと


「ふう、やっとゴールか、藻太郎怖かった」


と言ってきたので俺は同意をして、皆んなを待つ事にした。


待っていると


「お前、何で走っているんだ怖いのか怖いのか」


「そう言うお前こそ、何で走っているんだ怖いんだだろう」


と大声で言い合う郷田妹と兵頭さんが出口に向かって走っていた。








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