魔女とクマ

@peacetohanage

第1話

森の中で魔女がキノコ狩りをしていると、そこへクマがやって来た。

魔女は魔法が使える為に、決して怯む様子は無い。

クマは徐々に魔女に近付いて来ると、口を開けてあるお願いをした。

「私を一匹の猫にしてください」

魔女が理由を尋ねると「私は人間に恐れられてばかりで、決して友達になる事が出来ません。町には私が好きな少女が住んでます。私は猫になって少女の友達になりたいのです」

「良いだろう」

すると魔女は手首の裾から小瓶を取り出し、それを飲む様にとクマに手渡す。

クマは言われた通りに小瓶を飲み干す。(マタタビの様な味だったとか…。)

するとむくむくと身体は小さくなり、みるみる内にクマが一匹の黒猫に変身した。

黒猫は魔女に礼を言うと、町へ向かって一目散に駆けて行く。

町の一角にある家の庭先へ着くと、愛らしい声で少女を呼んだ。

するとすぐに少女は家から出て来て、黒猫を抱き上げる。

家族に見せに行くなり、早速自分の猫にしたいとお願いをする。

そうして黒猫は少女の猫になった。

ある日黒猫が庭先で日向ぼっこをしていると、近所の白猫が遊びに来て、二匹は仲良くなり結婚をした。

二匹の猫の間には沢山の子猫が産まれて、その内の一匹は魔女が弟子に貰いに来たそうだ。

しかしその時の魔女の姿は、三角帽子もローブも身に付けていなく、決して誰にも魔女とは分からなかった。


おわり

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