第4話 シンクが急にベコって音がする時

 幽霊は見た事が無いのでわからないが、とにかく妖怪ははっきりと見える。


 と言っても――、あの油すましのように会話やコミュニケーションが取れる者なんて滅多にいない。大半は犬猫のように、人間とは違う意思と価値観を持って存在している。


 さっきの油すましみたいに守護霊的な存在となっている者もいるが、それも稀なケースだ。


 たいてい、人と関係ないところにいる。


 でも、シンクが急にベコって音がする時はいる。あれは妖怪。ほんとに妖怪。


 おれが見てると絶対鳴らさない。油断してると鳴らしてくる。見た目はカップ焼きそばそっくりの円系ボディに手足が生えただけの妖怪で、実害はない。


 ちなみに、人と姿が近いほど、コミュニケーションが取りやすい。


 ウチにはざしきわらしがたくさんいる。保育園的な感じだ。ざしきわらしは、比較的コミュニケーションが取れる。気ままなのであまり意味はないが。


 とりあえず、ざしきわらしは幽霊ではないらしい。古い家に住み付く妖怪の類のようだ。


 もし違うなら都会のマンションにだっているはずだしな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る