自由になりたい！

自由になりたい！

　自分で言うのもなんですが、主人は私にぞっこんで、そのため困ってしまうことが多いのです。例えば家に遊びに来た主人のお友達に、どうだ、綺麗だろうと私のことを自慢したりします。お友達も、本当に美しいですねとおっしゃってくれますが、私は恥ずかしくてたまりません。また私のことを大切にしてくれるのは有難いのですが、心配性なのでしょうか自由に行動させてくれないのです。監視されているという訳ではありませんが、本当に籠の鳥で、なかなか外に出られないのです。確かに私は食事を用意することも掃除をすることもありません。苦労のない快適な生活を送っているではないかとおっしゃる方もおられると思います。でも、ノイローゼになってしまいそうなのです。

　そんな悶々とした日々が続いていたある日、私にようやくチャンスが訪れました。主人の隙を見て、外に出ることができたのです。主人が容器の入れ替えの際に何かに気を取られたみたいで、扉を開けっ放しにしたのです。これ幸いと籠を飛び出した私は大空を目指し、パステルカラーの美しい羽を思いっきり羽ばたかせました。