天地黎明-Force of Blizzard-

第13話

悠介「…。」

悠介「…来たか。」

ブリザード「お前…なんでここに…！？」

悠介「…よう、何年ぶりかな…？」

ブリザード「…高城が居なくなった今

お前にすべきことはないはず…

なにが目的だ？」

悠介「簡単な話さ、神吹に従うように

プログラムが書き換えられたってわけ…」

ブリザード「お前…まさか、

単独行動か？」

悠介「へぇ、意外…分かるんだ？」

ブリザード「お前はメリットがない限り

そんな情報をこちらに話さないはずだ…

違うか？」

悠介「よく分かってるな…運良く

今は神吹の支意がこちらに

向いてないから今は俺は神吹の

支配下にないんだよ…」

ブリザード「そう言うことか…

お前が俺を呼んだってことは…

全てを終わらせるためか？」

悠介「あぁ…これで、全部

終わらせてしまおう。」

ブリザード「悠介…お前は…

ここにいちゃいけない、

消えてもらおう…」

悠介「俺はここに居ると言うことの

意味を果たすだけさ…」

悠介「なぁ…俺らは殺し合うことでしか

分かり合えない…そうだろ？」

ブリザード「あぁ…だから…

とっとと終わらせてやる…」

悠介「来なよ…クローンになって

生まれ変わった俺の力ってやつ、

見せてやる…」

ブリザード「…ふっ！！」

バキュンバキュンバキュン！！

悠介「チッ、何を…！！」

悠介「でりゃっ！！」

バキュウン！！

ブリザード「へぇ…やっぱり、

クローンになって技量も

上がってるみたいだな…？」

悠介「あぁ…そうでもなきゃ

俺がクローンである意味も

無いからな！！」

バキュウン！

ブリザード「甘い…！」

バキュンバキュン！！

悠介「っ…普通に戦うだけじゃ

あいつは到底倒せやしねぇ…なら…！」

バキュウン！！

ブリザード「ふっ…！！」

悠介「そこだ…っ！！」

ブリザード「俺を誘導して

撃ち抜くってことか…？

残念だな…読めてるよ…！！」

バキュンバキュンバキュン！！

悠介「ぐ…っ…！！」

悠介「っ…うぉぉぉぉっ！！」

ダッ…！

ブリザード「何…？一気に距離を

詰めるか…最初からそれが

目的だな？」

ブリザード「だが、無駄だ…！！」

バキュウン！

悠介「ぐ…！！」

ブリザード「俺がこうやって

打ち続けてればお前は俺の元まで

辿り着けない…それで終わりだ！」

悠介「っ…まずい、やはり

太刀打ちできないか…？」

ブリザード「どうした…？それで

終わりか？ならこっちから

行かせてもらうぞ！！」

バキュンバキュンバキュン！！

悠介「ぐ…！！」

悠介「確かに…これじゃ近づけねぇ、

どうすれば…」

悠介「…ふっ！！」

バキュンバキュン！！

ブリザード「はあっ…！」

悠介「ぐ…！！」

悠介「だが…奴にも隙がないわけじゃ

ない…そこを撃てば…！！」

ブリザード「隙など与えさせるか…！」

バキュウン！！

悠介「チッ…容赦なしかよ…！」

ブリザード「俺は…お前らみたいな

奴らを殺すために今までこの力を

行使してきたんだ…今更、

負けるかよ…！！」

バキュウン！！

悠介「へぇ…それじゃ、

だいぶ型を変える必要があるな…」

ブリザード「何をする気だ…？」

バキュウン！

悠介「ふっ…！」

ブリザード「何を…？」

バキュンバキュン！！

悠介「っ…！！」

ブリザード「はぁっ！！」

バキュウン！

悠介「…っ！！」

ブリザード「そうか…奴は逃げに

徹して…懐へ近づき一瞬の隙を突いて

俺を殺すつもりか…？」

ブリザード「見え見えなんだよ…

それじゃ…！！」

バキュウン！！

悠介「っ…これでもダメか？

く…何か策はないのか…？」

悠介「まだだ…俺は、こいつを

殺すまで終われやしないんだよ…！」

悠介「俺は…！！」

ブリザード「そこ…っ！！」

バキュウン！！

悠介「ぐ…っ！！」

ブリザード「終わりだ…その傷なら

出血で死ぬ…！」

悠介「まだだ…俺にはナノマシンが

ある…まだ回復できる…！！」

ブリザード「フン…いくら足掻こうが

俺とお前には天と地ほどの差がある…

お前に勝てる可能性はない…！！」

ブリザード「俺は…この世界で何度も

お前のような奴を見てきた…だが、

奴らは皆弱かった…」

ブリザード「貴様らのような人間は…

他人を搾取することでしか

生きていけないから…！」

バキュウン！

悠介「っ…ぐっ…」

悠介「はぁっ…はぁっ…！！」

悠介「まだだ…俺は…これで

終わる訳には…！！」

悠介「っ…はぁぁぁぁっ！！」

ブリザード「っ…！！」

バキュウン！

悠介「ぐ…うぉぉぉぉっ！！」

ブリザード「突っ込んできたか…

だが…それじゃ的になるだけだぞ…」

バキュウン！！

悠介「が…ぐ…っ、はぁぁぁっ！！」

ブリザード「何…！？」

バキュンバキュン！！

悠介「はぁぁぁっ！！」

バキュン！！

ブリザード「チッ、面倒だな…

これならどうだ…！？」

バキュンバキュンバキュンバキュン！！

悠介「ぐ…っ！！」

悠介「チッ…流れ弾が当たっちまった…

まずいな…ナノマシンの再生にも

限界はある…ジリ貧になる

訳にはいかない…！！」

ブリザード「…オラァッ！！」

バキュウン！

悠介「が…っ！！」

ブリザード「どうした…？それじゃ

俺を倒すことなんてできやしねぇ…

それで終わりか？」

悠介「…いや、そんな訳ねぇ…」

悠介「俺は…今ここでお前を殺す

必要がある…そう決めたからな…！！」

バキュウン！

ブリザード「…それなら、俺も…

お前の存在を全力をもって

否定する…」

悠介「はぁ…いいだろう、

そうじゃなきゃ面白くねぇ…」

悠介「なら…俺もそろそろ、

本気を出すとしようか…！！」

ブリザード「何…？まだ

何かあったのか…？」

悠介「はぁぁぁ…っ！！」

ゴキ…

ブリザード「何…首が折れて…！？」

悠介「ハァ…出力…解放…！！」

ダッ…！！

ブリザード「何…！？」

悠介「オラッ…！！」

バキュウン！

ブリザード「チッ…早い、奴…

まさか足にギアを仕込んでいたか…！！」

悠介「その通りさ…この

スピードに追いつけるかな…！？」

バキュンバキュンバキュン！！

ブリザード「ぐ…これじゃ的を

絞れない、今度はこっちが

不利になるだけだ…！」

悠介「どうしたどうした？

破邪悲は使わねぇのか…！？」

ブリザード「ぐ…お前ごときに

破邪悲など使ってやるか…！！」

悠介「いいのかな…？それじゃ

俺には追いつけないぞ…！！」

ブリザード「ぐ…」

ブリザード（だが…奴が早く

なってるのは足だけ…それなら、

それ以外の速度は変わらないはず…）

ブリザード（なら…足の向きから

進む方向を予測して撃てば…

いずれ当たる…）

ブリザード（当たらなくても、

いずれ奴はボロを出す…その瞬間を

狙って撃てばいい…！）

ブリザード「…はぁっ！！」

バキュンバキュン！！

悠介「ハッ、どこを狙ってやがる…！！」

ブリザード「進行方向が急に

変わった…？やはりそう簡単には

行かないな…！！」

ブリザード「なら…！！」

悠介「ふっ、これじゃ…

俺でも勝てるんじゃないか…！？」

ダッ…

ブリザード「そこだ…っ！！」

バキュンバキュン！！

悠介「っ…何…！？」

ブリザード「進行方向を予測した

上でそこから目線を見て更にその次の

進行方向も予測した…これなら、

当たる…！！」

悠介「ぐっ…このままでは…

また負ける…そうなれば俺がまた

この地獄に帰ってきた意味がねぇ…！！」

悠介「それじゃ何の意味も無い…

俺が…全部消し去ってやらないと…！！」

悠介「笑顔も…悲しみも…何もかも…

この俺が…この世界と共に

消し去ってやるよ…！！」

悠介「それが…悪魔にしかなれなかった

俺の運命だからさ…！！」

ブリザード「フン…なら…せめて、

楽に葬ってやるよ…！！」

バキュン！！

悠介「へぇ…それなら助かるよ、

せっかくならブリザードもどうだい？

二人で地獄巡りでもしようぜ…！！」

バキュンバキュンバキュン！！

ブリザード「断る…俺には

成すべきことがあるんだ…

邪魔はさせんぞ…！！」

バキュウン！

悠介「いい提案だと思ったんだがな…

まぁいい、なら無理矢理にでも

地獄に引き摺り下ろしてやるよ…！！」

バキュウン！

ブリザード「悪いが、俺は地獄には

落ちない…と言うより、

落ちれないんだよ…破邪悲のせいでな！」

バキュウン！！

悠介「へぇ…そりゃ災難だ、

なら…死なせてやろうか…？」

バキュンバキュンバキュン！！

ブリザード「お断りだ、

くたばりやがれ…！！」

バキュウン！

悠介「ぐぉぉっ…危ねぇなぁ…っ！！」

バキュウン！

ブリザード「ふっ！！」

悠介「ち…っ！！」

バキュウン！！

悠介「が…ぐ…っ…！！」

ブリザード「どうやらここまでの

ようだ…お前はここで終わる、

全部…終わるんだよ…」

悠介「何…言ってるんだ…？」

悠介「終わんねぇよ…まだ…

全部はさぁ…」

ブリザード「…は？」

悠介「神吹の正体…分かるか…？」

ブリザード「元々gmtだった奴が

神吹に成り代わったんだろ…？」

悠介「なぁ…gmtってさ…現状

遺伝以外で発言する可能性が

無いんだよ…」

ブリザード「何が言いたい…？」

悠介「まぁ…もう、あいつが

誰に成り代わられたか…

もう、分かってきただろう…？」

ブリザード「だが、俺の本当の

兄は克己なんじゃ…！！」

悠介「高城から、聞いたんだよ…

お前の兄を元に作った作った

クローンは3体だって…」

ブリザード「っ…！？」

悠介「もういい加減分かったろう…？

これが現実だよ…」

ブリザード「じゃ…じゃあ、なんで

俺の兄はそんなこと…！？」

悠介「…親があんなのなんだ…

そりゃ、相当歪んだ性格になるのは

想像が付くだろう？」

悠介「お前は何故かまともに

育てられたんだがな…」

悠介「まぁ…どうせ、戦闘に特化した

兵器を作る実験台としか考えて

無かったんだろうよ…」

ブリザード「だが…何でそんなことを

俺に話したんだ…？」

悠介「別にいいだろう？どうせ俺は

もうくたばる…それに、もう…

嫌になったんだよ、こんな世界が…」

悠介「分かるだろ？この世界は…

血で血を洗うような、互いが互いに

理不尽を強いる…そんな世界だ。」

悠介「こんな世界のせいで…俺は

こんなにもおかしくなってしまった。」

悠介「ふざけんな…俺は、

こんなことをしたかったんじゃねぇ…

だが…世界はそんなことで

上手く行くほど単純じゃない…」

悠介「だから…自分も外道に変わるしか

ないと、そう思ったんだよ…」

悠介「なぁ…俺はどこで間違えた？」

ブリザード「…」

悠介「俺はこの世界において

正しいことをしたはずだ…なのに、

どうしてこうなったんだ…？」

ブリザード「…お前は、この世界が

理不尽であることを理由に罪無き人から

略奪を繰り返した…その時点で、

お前はもう底辺に落ちぶれてんだよ…」

悠介「はっ、そうかよ…結局、

そう言うことなのかよ…」

悠介「…まぁいいや…丁度いい

頃合いだし、俺はここで

お暇するよ…」

悠介「…あぁ、最後に耳寄りな

情報を一つ…」

悠介「…神吹の部隊がこの近くまで

来てる、それに…神吹自身も居る。」

ブリザード「…はぁっ！？」

悠介「ま、消耗してる今のお前じゃ

勝ち目はない…諦めて、とっとと

逃げるんだな…」

ブリザード「っ…！！」

悠介「…それじゃ。」

バキュン…

悠介「…」

ブリザード「っ…まずいな、

皆はここに向かってるのか…！？」

ブリザード「だとしたらすぐにでも

止めないと…みんなが危ない…！！」

ブリザード「ぐ…まさか、しばらくは

攻めてこないと思ったのに…

それに、何故ここを突き止めた…？」

ブリザード「っ…そうか、悠介か…」

ブリザード「恐らく神吹は悠介が

単独行動してることを知ってた…

その上で俺をここに

おびき寄せるために悠介を

放置してた…ってことか…！！」

ブリザード「クソッ、ハメられた…！！」

ブリザード「すぐに戻らないと…

皆は…！？」

凍歌「っ…ブリザード！！」

ブリザード「凍歌…！？」

優来「これは…悠介？

でも何で…？」

ブリザード「今すぐに逃げろ、

ここに神吹とその部隊が来る…！」

飛那世「は…？神吹が？」

ブリザード「すまない、俺は

ここにおびき寄せられたみたいだ…！！」

永遠「え…？それじゃ、

ヤバイんじゃ…！」

バキュンバキュンバキュン！！

神野「く…何！？」

松山「フン…のこのこと現れたな？」

今井「ここで貴様らの首を

貰い受けてやる…！！」

飛那世「まずいな…12鬼まで

いやがる…どうする？」

ブリザード「こうなった以上は

引くに引けない、行くしかないぞ…！」

凍歌「え、本当に…！？」

ブリザード「あれ、華途葉と櫻は…？」

永遠「今は居ない、後から

合流するって…」

ブリザード「分かった、それまでは

俺達だけで戦うしかないな…」

神野「えぇ…二人が来るまで

耐えるしかないわよ…」

ブリザード「…敵の数は

ざっと300はある、消耗戦に

なりそうだ…気をつけろ…！」

優来「う、うん…！！」

神吹「よう…ブリザード、だったか…」

ブリザード「神吹…！！」

神吹「私はな…この時をずっと

待ち望んでたんだよ…」

ブリザード「…何だと…？」

神吹「高城の奴や克己共が反逆

したのも…お前たちが集まったのも、

吹雪が裏切ったことも全て

計算通りさ…！！」

神野「っ…！！」

神吹「私はこの瞬間が来ることを

分かっていた…だからこそ、

待ち焦がれていた…」

神吹「ここで…貴様ら全員始末すれば

貴様らの絶望に濡れる顔が

よく見えるからな…！！」

ブリザード「やるか…やるしかないのか、

今ここで…！！」

飛那世「えぇ…だが、これは

あまりにも分が悪すぎる…」

ブリザード「…なら、今すべきことは

それを変えることだな…」

ザシュッ…

神吹「いきなり破邪悲を使ってくるか…

面白い、ならば…」

神吹「行け…山野、今井…！！」

今井「はいよっと…！！」

山野「もう…終わらせてやる！！」

バキュンバキュンバキュン！！

ブリザード「はぁっ！！」

ガキィン！！

山野「ぐ…弾かれた…！！」

今井「ならこれはどうだ！！」

バキュウン！

ブリザード「ふっ…！！」

ジャギィン！！

今井「ぐ…効かないか…」

ブリザード「はぁぁっ！！」

べギュゥン！！

山野「っ…何だ…！？」

今井「まさか…衝撃波か、

強い…！！」

山野「ぐ…っ…！！」

ブリザード「はぁっ！！」

今井「何…地割れ…！？」

ボガァン！！

山野「ぐはぁぁぁっ！！」

今井「が…っ！！」

松山「俺も出る…部隊、

まとめてかかれ…！！」

敵兵「うぉりゃぁぁぁっ！！」

飛那世「アンタらの相手は

私ですよ…！！」

バキュンバキュンバキュン！！

敵兵「が…っ！？」

永遠「敵の数が多いな…

一気に決めるよ…！！」

神野「えぇ…二人が戻ってくるまでに

戦況をこちら側に

持っていきましょう…！！」

凍歌「あぁ…私に任せて！！」

敵兵「はぁっ！」

バキュンバキュン！

凍歌「そこっ！！」

敵兵「何…早…っ！？」

バキュウン

凍歌「まだ居るな…どうしよう…」

優来「全員まとめて始末するのは

無理だろうし…守りつつ敵を

殺すしかないよ…」

神野「面倒だけど…背に腹は

替えられない、やるわよ…！」

永遠「うん…！！」

松山「なんの真似を…無駄だ！！」

永遠「はぁっ！」

バキュウン！

松山「っ、そこっ！！」

飛那世「遅い！」

松山「っ…」

バキュン！

松山「くっ…まだだ…はぁっ！！」

バキュウン！

優来「甘い…！！」

バキュンバキュン！！

松山「ぐっ…俺が、この俺が

負けるかよ…こんなガキども

ごときに…！！」

神野「邪魔だっ…！！」

バキュウン！！

松山「ぐ…っ！！」

達也「何してる、ここは俺が…！！」

松山「ぐ…、不本意だが、俺はもう

引くしかない…後は頼む…」

達也「あぁ…あっちは…？」

今井「ぐ…がぁっ！！」

山野「うわぁぁぁぁっ！？」

ガッシャァァン！！

ブリザード「死ね…っ！！」

今井「ぐ…っ…！！」

達也「おいおい、これって

まずいんじゃ…！！」

松山「焦るな…まだ、俺らには

雪村に神吹様が居る…俺らは

奴らの戦力を削ることを

考えてればいい…」

達也「分かった、なるべく

消耗戦に持ち込む…」

松山「俺の部隊は預けるぞ…」

達也「任せろ、やってやる…！！」

達也「お前ら…突撃…っ！！」

敵兵「っ…うぉぉぉぉっ！！」

敵兵2「はぁぁぁぁぁっ！！」

飛那世「ぐ…一気に来ましたよ！」

永遠「オッケー、任せて…！！」

永遠「う…おりゃっ！」

カラン…

敵兵「な…手榴弾だ、まずい…！！」

ボガァァン！！

敵兵「ぐはぁぁぁぁぁっ！！」

敵兵2「うわぁぁぁぁぁっ！！」

達也「チッ…何してる、それじゃ

何も出来ねぇぞ…！！」

達也「もういい、こうなれば俺が…」

凍歌「…させないよっ！！」

バキュンバキュン！

達也「クソッ…近づけない…！！」

達也「あの二人は何をしてるんだ…

クソッ…！！」

神野「来ないの…？なら、こちらから

行かせてもらうわよ！！」

バキュウン！

達也「ぐっ…まずい…部隊は…」

優来「ふっ…おりゃっ！！」

バキュウンバキュウン！！

敵兵「ぐはぁぁっ！！」

凍歌「おりゃぁぁっ！！」

敵兵「がぁぁっ！？」

達也「ダメだ、使い物にならない…

どうすれば…！？」

飛那世「…そこッ！！」

達也「は…！？」

バキュウン！！

達也「が…ぐ…っ！！」

永遠「…」

達也「はぁっ…はぁっ…」

永遠「…父さん。」

達也「っ…永遠！！頼む…助けてくれ、

今までのこと、全部謝る、だから…

許してくれ…！！」

永遠「ねぇ…私の名前の由来、

覚えてる…？」

達也「お…覚えてる、永遠に

輝いて欲しいから…」

永遠「嘘だよね？」

達也「っ…！？」

永遠「永遠に自分達の奴隷に

なるように…だったよね…

はぁ、くだらない…」

達也「ゆ…許してくれ、頼む、

そんなこと思ってなかったんだ！！

私は、あいつに利用されて…」

永遠「僕は迷いを捨てた。」

達也「永遠…っ！？」

バキュン

永遠「…」

永遠「お兄ちゃん、そっちの方は

大丈夫…！？」

ブリザード「あぁ…もう少しで、

こいつらを殺れる…！！」

山野「はぁはぁ…ぐ…っ！！」

今井「畜生…こんなはずでは…」

ブリザード「こいつらは問題じゃ

ない…問題はその後だ…」

飛那世「えぇ、早めに終わらせて

しまいましょう…！！」

バキュンバキュンバキュン！！

山野「ぐ…っ！！」

今井「ありえない…12鬼の俺が…」

ブリザード「凍歌、神野さん…！！」

凍歌「任せて…！」

バキュンバキュン！！

山野「が…ぐ…っ…」

神野「ふっ…人使いが荒いのね、

期待に応えてあげるわよ…！！」

バキュウン！！

今井「ぐ…ありえ…な…」

バタッ…

優来「っ…すごいよ！！12鬼を…

こんな一瞬で…！！」

ブリザード「あぁ、短期間で

ここまで成長するなんてな…」

神野「えぇ、でも、本命は

次よ…」

ブリザード「あぁ…神吹だ…」

永遠「…！！」

神吹「ククク…やはり奴らでは

相手にもならなかったか…」

神吹「なら…いいだろう、

お遊びはここまでだ…久々に、

本気を出すとしよう…」

ブリザード「っ…！！」

神吹「何せ、今日は特別な日だ…

今までで一番のな…」

凍歌「来るよ…気をつけて…！」

神吹「さぁ…ショウタイムだ…！！」

ちょっと待ったぁぁぁっ！！

ブリザード「な…！？」

ーー

櫻「よいしょ…っと。」

華途葉「ぐ…ぅ…」

櫻「よし、これで治療は終わり、

今からでも向えるよ…」

華途葉「でも、向かうって言っても

どこに行けばいいのよ…」

櫻「とりあえず、爆音がしてる

方まで行けばみんなと

合流できるはず…」

華途葉「…分かった、今すぐ

向かいましょう…今は1秒も惜しい。」

櫻「うん…急いで！」

タッ…

華途葉「…ねぇ、所で櫻…」

櫻「ん…？どうしたの？」

華途葉「本来は、あそこで私を

見捨てて一人で行ってもよかった

はず…なのになんでわざわざ私を

助けたの…？ワタシ、弱いし…」

櫻「ブリザードがあそこに居たら、

絶対助けたと思う…それと

同じだよ。」

櫻「私…性なのかは分からないけど

困ってる人が居たら助けたくて

しょうがないの…」

櫻「…昔ブリザードにどうしようもない

ような所から助けてもらったから

なのかな…分かんないけど。」

華途葉「…やっぱり、私には

櫻の気持ちがよく分からない…」

櫻「それは、なんで…？」

華途葉「…私に人を助けたいなんて

気持ちは起きない…それこそ、

ブリザードでもない限り…」

華途葉「ずっと…今まで裏切られ

続けてきたから…もう…ブリザード

以外誰も信じられないんだと思う…」

櫻「ほんとに…あの子は

罪な人ですねぇ…」

華途葉「うん…私をこんなふうにした

責任、取ってもらわないと…」

櫻「…やっぱり、ブリザードには

人を惹き付ける力があるんだよ…」

華途葉「えぇ…だからこそ…

胸が締め付けられる。」

櫻「ね、華途葉はさ…ブリザードの

こと、好きなの…？」

華途葉「え…わ、私…！？」

華途葉「わ、私はまぁ…助けて

もらったし…それに、こんな私にも

優しくしてくれるし…まぁ…

す、好きなのかな…うん…」

櫻「おー、やっぱり…」

櫻「じゃ、私とはライバルだね！」

華途葉「え…さ、櫻もなの…！？」

櫻「うん、ブリザードが居なかったら

今私はここには居ないだろうし…

辛いときにずっと側に居てくれたから、

やっぱり、好きにならないわけないよ…」

華途葉「…やっぱり、そうなんだ…」

華途葉「…でも、ブリザードは

私のだから…」

櫻「じゃ、二人で勝負しようよ、

どっちがブリザードを惹き付け

られるかさ…！」

華途葉「え、えぇ…今…？」

櫻「あ、今は戦いの最中だから

だめなのか…それに、今から

戦うんだったね…」

華途葉「…全く、私達って

緊張感の欠片もないわね…」

櫻「…そろそろ戦いも最後の方に

なってるかもしれないし、

加勢しておいたほうが戦況は

良くなるよ…」

華途葉「えぇ…っ…ここ、爆音の元が

近くなってきた…！！」

櫻「っ…ここか、急ぐよ…！」

華途葉「えぇ…！！」

櫻「っ…みんな！！」

櫻「っ…！？」

華途葉「ね、ねぇどうしたの櫻…」

華途葉「っ…！？」

神吹「また雑魚が死にに来たか…？」

克己「ここでお前を討つ…

俺らが新しい歴史を作るんだ…！」

櫻「克己に12鬼連中も…それに…

雪村…そして…」

華途葉「神吹…何故ここに…！？」

ブリザード「っ…櫻、華途葉…！！」

華途葉「ブリザード、

これは一体…！？」

ブリザード「すまない、恐らく

俺はおびき出された…！」

櫻「え…？どう言うこと？」

ブリザード「悠介のクローンが

ここに居た…だが奴らは俺が

ここに来ると予期して部隊を

送り込んできた…！」

華途葉「…そりゃ面倒なことに

なったわね、戦況はどうなったの？」

ブリザード「神吹側の12鬼二人と

夜崎達也が戦死、松山も負傷した…」

櫻「…ってことはこっち側が

有利な戦況なんだね…？」

ブリザード「いや…敵が増えた現状

どうなるかは分からない…」

飛那世「えぇ…それに神吹が

相手なんだ、一切の油断が

許されない…」

ブリザード「…状況は、かなり

面倒だ…二人には援護を頼みたい。」

華途葉「うん…分かった。」

克己「さて…と、ここで会ったが

3年目…この俺がお前らに

引導を渡してやるよ。」

神吹「出来るのか…作られた存在に

すぎない、紛い物の貴様らに…」

克己「俺が紛い物…？何を言ってる、

お前は…！！」

高島「待て、あんなのハッタリだ、

お前は正真正銘お前だ…」

克己「…分かってる…だが…

奴の言っていることは不穏すぎる。」

神吹「フン…なら、試してみるか…？」

神吹「ふっ…！！」

バキュウン！！

克己「しまっ…」

ガギィッ…

矢澤「な…克己！！」

ブリザード「は…！？」

…頭を撃ち抜かれた克己から

溢れたのは…

克己「が…何がどうなってる…？」

…血ではなかった。

克己も…クローンだった…？しかも…

矢澤「克己…それ…！？」

克己「は…？俺は何とも…」

凍歌「っ…これは…！！」

神吹「やはり、貴様はクローン…

それも、サイボーグだったか…

面白い…」

神吹「血も涙もないとはよく言った

物だが、これはまさしくそうだな…！」

ブリザード「克己は…俺の兄じゃ

なかったのか…？」

華途葉「…どうなってるの？

まるで意味が分からない…」

克己「俺が…サイボーグ…？」

克己「はぁ…はぁ…ふざけんな…

俺は…！！」

神吹「お前は…ブリザードの兄を

模造されて作られた…

人造の兵器なんだよ…！！」

高島「は…？」

矢澤「克己がサイボーグ…？だったら…」

克己「俺は…俺は何なんだよ…！」

克己「俺は…何の為に

生まれてきたんだよ…！！」

神吹「高城は…早い内に

運用可能になるようにブリザードの

兄を元にしてサイボーグを

作った…その副産物がお前だ。」

克己「そんな…馬鹿な…！！」

神吹「それがお前の正体だ…

受け入れろ…」

克己「…ふざけるな、今更…

そんなこと認められるか…！！」

克己「はぁぁぁぁっ！！」

神吹「全く…愚かなものだ。」

バキュウン

克己「が…」

矢澤「克己…！！」

神吹「…特別だ、ブリザードの

本当の兄が誰か教えてやる…」

克己「は…？」

神吹「ブリザード…」

ブリザード「…何だ…？」

神吹「俺が…本当のお前の

兄だよ…」

ブリザード「…は？」

矢澤「は…？神吹がブリザードの

本当の兄だと…？」

高島「ちょっと待て…そんなこと

言うが証拠はあるのか…！？」

神吹「gmtはな…破邪悲の

影響を強く受けるか…遺伝による

物でしか発現しないんだよ…」

神吹「つまりは…分かるだろう？

高城の因子を継いだ俺達が

gmtである理由も…」

克己「そんなの…ありえねぇ…！！」

神吹「はぁ…理解力の低い奴は

嫌いなんだよ…俺はさぁ…」

克己「ふざけんな…お前なんかに…

俺の存在意義を否定されて

たまるか…！！」

克己「はぁぁぁぁっ！！」

グシャ

克己「…へ？」

神吹「今からお前の中身を砕く…

内部の機械が破壊されて、お前は

機能を停止する…」

克己「…何言ってんだ…お前…

ふざけんじゃねぇよ…」

神吹「お前の役割はもう無い…」

神吹「消えろ。」

克己「は…？」

ガシャ…ガシャガシャ…

克己「ぐ…が…ぁぁ…っ…！？」

矢澤「克己…！？」

ブリザード「ありえん…あいつ、

まさか…本当に…」

バキ…バキバキ…

克己「が…ぐ…っ、がぁぁぁっ！！」

神吹「…死ね。」

凍歌「…まさか…！！」

高島「…やめろぉぉぉぉっ！！」

ボギ…

克己「が…」

ウィィィィィィン…

克己「…」

矢澤「な…っ…！？」

華途葉「克己が、こんなに

あっさりと…！？」

高島「ありえない…クソ…っ！！」

神野「ぐっ…奴はやはり…

人知を超えた存在だ…！！」

ブリザード「っ…！？」

優来「まずいね…これ、

私達も危ないんじゃ…！？」

飛那世「引くに引けません、

行くしかないんですよ…！！」

ブリザード「…あぁ、俺達も…

行こうか…！！」

櫻「うん、行くよ…！！」

神吹「人の限界を知るがいい…」

神吹「そして…私こそが

超越者となるのだ…！！」

ブリザード「来るぞ…みんな、

衝撃に備えろ…！！」

優来「…！！」

神吹「はぁぁぁぁっ！！」

ボガァァァァァン！！

華途葉「ぐ…うわぁぁぁぁっ！？」

永遠「ぐっ…これは…！！」

飛那世「っ…うォりやァァッ！！」

バキュウン！！

神吹「甘いわ…っ！！」

ドガァァァァン！！

飛那世「チッ…効かないのか…！！」

凍歌「ブリザード、

破邪悲を私に…！」

ブリザード「は…！？正気か…？」

凍歌「うん…今はこれしかないんだ、

ブリザード、行くよ…！！」

ブリザード「…分かった…これを！！」

ガシッ

凍歌「うん…受け取った。」

凍歌「さて…これ以上のお痛は

よしてもらおうかな…！！」

ジャギィン！！

神吹「っ…！！他の奴に破邪悲を

使わせたか…想定外だ。」

神吹「だが…お前じゃ破邪悲を

ろくに使えない…私の敵ではない！！」

バキュンバキュンバキュン！！

凍歌「っ…どうしよう…！！」

バキュンバキュン！！

ブリザード「っ…！？」

高島「あいつは俺らが引き付ける、

今のうちに奴を殺す

準備をしておいてくれ…！！」

ブリザード「けど、俺とお前らは…！」

矢澤「今そんなことを言ってる場合か？

破邪悲でしか奴を殺せないのだろう？

なら…今は協力するぞ！！」

凍歌「分かった…！！」

櫻「二人に裏はない…みんなで

行くよ…神吹に総攻撃を仕掛ける！」

華途葉「総攻撃を…？」

櫻「ブリザードと凍歌を

除いたメンバーで神吹に突撃して、

奴が隙を晒した瞬間にブリザードと

凍歌で奴を討ち取って…！！」

ブリザード「…分かった！！」

優来「…助太刀するよ…！！」

高島「何…？まぁいい、

お前らも手伝え…！！」

永遠「任せて…！！」

バキュンバキュン！！

神野「我々の力を思い知りなさい…！！」

バキュウン！

神吹「チッ…無勢か、雪村…！！」

雪村「アンタらの相手は私だ…！！」

華途葉「チッ、雪村…！！」

飛那世「雪村の相手は私がやります…

皆さんは神吹を！！」

優来「分かった、頼んだよ…！！」

神吹「貴様らがいくら集まった

所で私の前では無力…」

神吹「それは…既に決まっていること　

なのだよ…！！」

永遠「ハハッ、残念だけど…

この世に不変なんて無いんだよ…！！」

バキュウン！！

神吹「くっ…舐めた真似を…！！」

神野「アンタは終わりよ…

ここでね…！！」

バキュンバキュン！

神吹「フン…こんなもの！！」

ドガァァァァン！！

神野「きゃぁ…っ！！」

永遠「ぐ…っ！！」

華途葉「させるか…！！」

バキュウン！

神吹「ぐ…当たったか、まあいい…」

ゴキ…

櫻「っ…再生した…？」

華途葉「いや…おかしい…」

櫻「え…？」

華途葉「あぁ言う再生なら本来は

ブリザードがそうだったように

体の内部から再生するはず…なのに、

奴は皮膚の方から蘇生した…」

櫻「確かに…前に神吹と戦った

時も内部から再生して

なかったような…」

高島「でも、それが何だって…？」

華途葉「私の仮説が合ってるなら、

奴の再生は完璧じゃない…

ブリザードのとは性質が違う。」

永遠「え…？」

華途葉「つまり…再生直後は内部が

破損したままだから弾が貫通しやすい…

だから、ダメージを

効率的に当てられる…！！」

優来「そうか…それなら、集中的に

弾を浴びせることができれば…！！」

矢澤「…ぶっつけ本番だがやるしか

あるまい…これなら、奴でも…」

雪村「そんなこと、

させてたまるか…！！」

華途葉「なっ…！？」

バキュウン！

飛那世「くっ…」

永遠「飛那世！大丈夫か…？」

飛那世「あぁ…こんな傷、痛くもない…」

雪村「…なぁ、私はこの時を

ずっと待っていたんだよ…

沼田飛那世…」

飛那世「貴様…？」

雪村「…なぁ、なんでクローン研究が

悪魔の産物って呼ばれてるか

知っているか…？」

飛那世「…元々、人の死体を使ったり

人を誘拐して材料として使ってた

からだろう…？」

雪村「あぁ…だが、それだけじゃ

ない…成功率が異様に低かったんだ…」

雪村「…高城が来るまでは

成功したのはたった1回だけ

だったんだ…」

雪村「それに…クローンとして

再生した所で記憶を引き継いでるから

昔受けた痛みは変わらないんだ…」

矢澤「だが…なぜ今になってそんな話を

する必要がある…？」

飛那世「っ…アンタまさか…！？」

雪村「…これ以上はやめておこう、

戦闘に集中せねばな…！！」

雪村「自分語りは終わりだ…！！」

バキュンバキュンバキュン！！

飛那世「ぐっ…！！」

永遠「飛那世！僕も加勢するよ…！」

飛那世「いや…いい、これは、

奴と…私の戦いだ。」

永遠「え…？飛那世…」

飛那世「いいから、そっちは

神吹に集中してくれ…」

永遠「っ…う、うん…！！」

永遠（飛那世のあんなに鬼気迫った

表情は見たことない…あの二人、

何を隠してる…？）

飛那世「…痛かったろう？

ずっと…苦しかったんだろ？

今…楽にしてやるから…」

雪村「いや、大丈夫…もう、

私は生きる理由を見つけたから…」

飛那世「罪もないような人を

ぶっ殺して金を盗ることが

生きる理由ってか？

落ちぶれたな…！！」

バキュウン！！

雪村「そっちこそ、そんな組織なんて

作って…無駄なんじゃないの…！？」

飛那世「無駄なんかじゃないさ…

間違いを正すのは当然のことだ…！！」

雪村「間違い…？私達は何一つ

間違ってはいない、こんな世界は

滅びるべきだ、そうだろう…！？」

飛那世「だが…私はこの世界を

信じてる、こんなクソみたいな

世界でも変えてやるのさ…！！」

飛那世「手を伸ばせばきっと

希望にだって手が届くって…

信じてるんだよ…！！」

バキュンバキュンバキュン！！

雪村「いい仲間を持ったんだ…

だけど、それじゃ腑抜けに

なるだけよ…！！」

雪村「信じたって希望なんかない、

それは私が一番知ってること…！！」

雪村「こんなことを終わらせる…

それが、私がこんな世界に

戻ってきた意味なのよ…！！」

飛那世「希望がないなら私が

作り出してやる…私には

その力がある…！！」

飛那世「苦しまないで生きる方法は

ない、だから…最後まで足掻いてやる、

どんな敵が相手だろうとな…！！」

飛那世「だから…今

楽にしてやるよ！！」

バキュンバキュンバキュン！！

雪村「貴様では私には及ばぬ…

私は今の今まで死ぬ気で鍛えて

ここまで来たんだからな…！！」

バキュウン！！

飛那世「ぐっ…舐めるなぁぁぁぁっ！！」

バキュウン！！

ーー

ブリザード「なぁ…凍歌…」

凍歌「分かってる、もし隙が

現れなくても危なくなったら

行くんだよね…？」

ブリザード「あぁ…それと、

もう一つ…」

凍歌「…どうしたの？」

ブリザード「この戦いで神吹を

仕留めることはできないかも

しれない…」

凍歌「それは…どうして…？」

ブリザード「gmtのことについては

俺でもわからないことだらけだ…

何が起こるか分からない。」

ブリザード「本当に破邪悲で奴を

殺せるかもまだ分からない…

それに、克己もgmtだったんだろ…？」

凍歌「うん…そういえば、

そうだったかも…」

ブリザード「だが…実際、奴は

死んだ、いや…内部から破壊された、

が正しいか…」

凍歌「克己の場合は電脳を破壊されて

死んだんだよね…東のときと

同じだ…」

ブリザード「…克己の場合は電脳が

gmtの再生の範囲内で無かったなら

納得できる、でも…その場合、

あの時…なんで東は死んだ？」

凍歌「さっき…華途葉が

言ってたよね？神吹とブリザードでは

再生の仕方が違うって…」

ブリザード「…同じgmtでも違う

タイプがあるってことか？」

凍歌「前に神吹と戦ったとき…

神吹は尋常じゃない速度で回復

していた、恐らく神吹は回復が

早いかわりに内蔵より先に皮膚から

回復していくんだ…」

ブリザード「その仮説が正しいなら

隙がは本当に一瞬…その一瞬を

奴が許すか…だな。」

凍歌「うん…あと、予想だけど神吹は

短期決戦は好まないと思う…」

ブリザード「それは、

どう言うことだ…？」

凍歌「今までもブリザードは幹部や

12鬼だったりを積極的に戦場に

送り出したけど、雪村や自分を進んで

戦場には出さなかった…」

凍歌「自分や雪村と言った戦力を

早い内に出していれば私達を

壊滅させられたかもしれないのに…」

ブリザード「…つまり、奴は慎重に

計画を進めて、場を整えてから

行きたがるってことか…」

ブリザード「なら…何故、この

タイミングで俺達をここに

おびき出したんだ…？」

凍歌「気をつけて、奴ら多分…

何か企んでる…恐らくは、

何か重要なこと…」

ブリザード「分かった…警戒する。」

華途葉「チッ…はぁっ！！」

バキュウン！！

神野「ぐっ…素早くて攻撃が

当たらない…！！」

神吹「はぁっ…！！」

ドがァァァァァン！！

優来「が…っ！！」

矢澤「クソ…がぁぁぁっ！！」

永遠「それに、一撃が重すぎて

これじゃやられちゃうよ…！！」

高島「このままじゃ全滅も

時間の問題だ…どうする！？」

櫻「…不本意だけど、もう

二人を行かせるしか…」

華途葉「もう出すの…？それじゃ、

勝てるかどうか…」

櫻「でも…この中の誰かが

死ぬよりかはマシ…！！」

優来「もう…やる気なの…？」

櫻「そうしなきゃ…ダメなんだよ、

もう…こうするしかない…！！」

櫻「二人とも…ダメだ、こっちの

消耗が激しすぎる、隙はまだ

見えないけどもう行くしかない…！！」

ブリザード「分かった…今行くぞ！！」

神吹「歯ごたえのない奴らめ…

いま地獄に送ってやる…！！」

神吹「はぁっ！！」

べキィン！！

神吹「っ…弾かれた？」

凍歌「私が居るよ…！！」

バキュウン！！

神吹「小賢しい…貴様らでは

私には到底勝てないのだよ…！！」

神吹「はぁぁぁぁぁぁぁっ！！」

華途葉「っ…何を…！？」

ブリザード「奴め…まだ何か

隠していたのか…！！」

神吹「これを使うのは初めてだが…

試運転には丁度いい…！！」

高島「これは…まずいぞ…！！」

松山「神吹様…まさかあれを

使うのか！？総員退避！！」

敵兵「っ…！！」

タッタッタッ…

凍歌「敵が全員下がった…？

まずい、なにか来るよ…！！」

ブリザード「飛那世、戻れ…！！」

飛那世「はぁはぁ…ぐ…ッ…！！」

雪村「その程度か？残念だよ、なぁ…」

ブリザード「飛那世、俺の手を

握って…！！」

飛那世「っ…」

ガシッ…

ブリザード「飛那世…走るぞ…！！」

飛那世「っ…えぇ…」

雪村「逃がすか…！！」

矢澤「ここは俺が止める、

先に行け…！！」

ブリザード「っ…頼む！」

ブリザード「ギリギリになったら

逃げろ、あれは本当にまずい…！！」

矢澤「分かってる…！！」

雪村「始まるぞ…終わりが…！！」

ブリザード「みんな、なるべく

遠くまで逃げるぞ…！！」

華途葉「っ…えぇ！！」

高島「ぐ…奴は何を考えてる？」

凍歌「考えられることで言えば…

gmtの力を行使して大爆発を

起こすとか…？」

優来「どうなってるの…？

gmtってそんな力まであるの…？」

凍歌「分からない、けどこれくらいしか

考えられないから…」

ブリザード「そろそろ…まずいな…

みんな…伏せろ…！！」

櫻「っ…」

ボガァァァァァァァァァン！！

高島「ぐ…っ！？」

華途葉「何なの…これ…！！」

永遠「ここまで離れてても

爆風が強い…みんな…突起のある

物に掴まって…！！」

飛那世「ぐ…っ…！！」

ブリザード「まずいな…これじゃ…

矢澤は…」

高島「そんな…どうにか

なんねぇのかよ…！！」

ブリザード「ここでここまでの

規模なんだ、あそこまで近いと

逃げられるか…」

高島「ぐ…クソッ…！！」

凍歌「…風が止まった…どうなってる？」

優来「辺りのものはだいたい

吹き飛んでる…神吹の方から

建物の破片が飛んできてるみたい。」

華途葉「ねぇ…あれ…！！」

高島「…は？」

矢澤「…」

高島「おい…嘘だろ…息が無い…」

ブリザード「…何だと！？」

高島「おかしい…gmtは破邪悲でも

ない限り死なないはず…！！」

バキュウン！！

高島「が…？」

バタッ…

ブリザード「っ…！！」

神吹「なぁ…知ってるか？本来

破邪悲とそれに追随するものは

この星に存在しちゃいけないんだよ。」

神吹「その世界にそぐわないものは

何を起こすか分からない…地球の

物理法則が通用しないからな。」

神吹「強すぎる力は…世界に

不具合をもたらす…ってことさ。」

優来「何だよ…そんな

インチキみたいな力…！！」

ブリザード「…俺達が今まで見てきた

常識は通用しないってことか…？

ありえない…！！」

飛那世「今は…こいつを…

やるしかないんだ…！！」

神吹「できるかな…？お前たちは

消耗している、とてもじゃないが

勝てないぞ…。」

華途葉「ぐ…ここは引くしか

ないのか…？」

神吹「だが…そんな隙を

俺が与えるかな…」

ブリザード「っ…どうする！！」

櫻「消耗が大きいからここはもう

引くしかないよ…！！」

ブリザード「…だがどうする？

このままじゃ引くことすら…」

永遠「僕が煙幕弾を撃つ、

その隙を見て散り散りになって

最後に合流しよう…！！」

華途葉「分かった…！！」

ブリザード「それじゃ…

作戦開始だ…！！」

神吹「何をしている…？

もう終わりか…？」

永遠「…そこだ…！！」

カシュゥゥゥ…

神吹「ぐ…煙幕か…？だが…

こんなもの私には通用しない…！！」

神吹「はぁぁぁっ！！」

神吹「…奴らどこに行った…？」

神吹「まぁいい…すぐにでも

探せば…」

ブリザード「はぁぁぁぁぁっ！！」

神吹「っ…」

ジャギィン！！

神吹「っ…！！」

神吹「破邪悲…？あの小娘が

持っていたのでは…？」

ブリザード「気づかれないうちに

回収してたのさ…」

ブリザード「とにかく…今は、

お前を野ざらしにしておく訳には

行かないのでな…！！」

神吹「無駄なことを…お前が

何をしても俺には勝てないんだよ…！！」

神吹「兄に勝てる弟なんて居ない…

お前は…俺に勝てない…！！」

ブリザード「どうかな…お前が人知を

超越した存在であるように俺も

人知を超越した存在…」

ブリザード「つまり…俺とお前は

対等なんだよ…！！」

ボガァァァァァン！！

神吹「強すぎる力のぶつかり合いは

世界を破滅させる…それでも

構わないと言うのか…？」

ブリザード「俺は…お前を

止めなくてはいけないんだ…！！」

ブリザード「っ…はぁぁぁっ！！」

ジャギィン！！

ドガァァァァン！！

神吹「はぁぁぁっ！！」

ドガァァァァァン！！

ブリザード「っ…！！」

神吹「そのダメージじゃ内蔵まで

破損してる、どれくらいで

再生するかな…！？」

ブリザード「ぐ…まだだ…俺には

守らなければならない物が

あるんだ…！！」

神吹「貴様が守ろうとしているものは

やがて消えるのだ…それでも、

守ろうと言うのか…！？」

ブリザード「関係無い…それでも、

俺にとっては大切なんだよ…！！」

バキュンバキュンバキュン！！

神吹「無駄なことを…お前が

やっていることに、

意味なんかない…！！」

ブリザード「意味なんか関係ない、

俺は…俺がすべきことを

全うする…それだけだ…！！」

バキュウン！

神吹「ぐ…だが、お前に俺が

負ける道理はない…ここで死ね…！！」

バキュンバキュンバキュン！！

ブリザード「っ…まだだ…

こんなもんじゃ死なねぇよ…！！」

バキュウン！！

神吹「往生際が悪いぞ…いい加減

くたばりやがれ…！！」

バキュンバキュンバキュン！！

ブリザード「それはこっちの台詞だ…

お前はここで死ぬんだよ…！！」

バキュンバキュン！！

神吹「ぐっ…どうした？

こんなもんか…？」

ブリザード「俺は…お前を…！！」

神吹「無駄なことだ、お前がいくら

足掻いたところで俺には絶対に

勝てない…！！」

バキュウン！！

ブリザード「ぐ…っ…！！」

神吹「甘いんだよ…お前一人で

俺に勝てると思ってるのか…！？」

ブリザード「…っ…！！」

神吹「なら…ここで終わりだ…！！」

ブリザード「はぁっ！！」

神吹「何…？」

カシュッ

シュゥゥゥ…

神吹「催涙ガスか？汚い真似を…！！」

神吹「何処へ行った…クソ、

見失ったか…」

神吹「…まぁ、いい…まだ好機はある…」

神吹「次はないと思え、

俺は…いつでもお前らを殺すことが

できるんだから…」

ーー

ブリザード「はぁ…」

仕留め損なった…だが、どうやった

ところであそこで奴を殺すのは

無理な話だったかな…

それに、俺も消耗しすぎてしまった…

あの状況でこれ以上戦うのは

困難だったしな…

ブリザード「…次は絶対に仕留める…」

ブリザード「…。」

恐らく、奴は次も雪村を連れてくる、

雪村の対処もしなきゃいけない…

そうなれば、到底俺一人では

無理だろうな…

…倒せればよかったのだがな…

やはり、俺では無理なのか…？

どうにかして、方法を考えないと…

ブリザード「…よし、もうそろそろ

基地の場所だな…。」

…でも、やっぱり神吹に一人で

挑むのは無理だな…次は一人で

行くわけにはいかないな…

…にしても、あいつが俺の本当の

兄だったなんて…信じられない。

頭がどうもこんがらがる…

もう、何が起きても動じないと

思っていたのだが…

ブリザード「…はぁ。」

ブリザード「…疲れたな…」

ブリザード「…」

永遠「…あ、お兄ちゃん…！」

ブリザード「永遠…戻ってきてたのか。」

永遠「って…お兄ちゃん、

何その傷…！？」

ブリザード「…神吹の隙を見て

奴を殺そうとしたのだが、

失敗してしまった…」

永遠「っ…どうして…」

ブリザード「…大丈夫だ、ここの場所は

バレてない…」

永遠「そうじゃない。」

ブリザード「え…？」

永遠「なんで…なんで私達に相談も

しないでそんなことしたの…！？」

ブリザード「…それは…」

永遠「ねぇ…どうして？

私…お兄ちゃんが死のうものなら…」

ブリザード「…あいつがもし俺の

兄なら…俺が殺さなきゃって、

思ったんだよ…」

ブリザード「あいつの命を

終わらせるのは、俺なんだって、

そう…思ったから。」

ブリザード「終わらせたかったんだ…

全部…」

ブリザード「嫌になるんだよ、

父親も母親もこの手で殺した…

もう、止まれないんだ…俺は…」

永遠「お兄ちゃん…辛かったんだね。」

ブリザード「俺は…今まで

数え切れないほどの命を屠ってきた…」

ブリザード「そして…その内に人を

殺すことに何も感じなくなったんだ…」

ブリザード「命って言う物がだんだんと

分からなくなってきたんだ…」

永遠「お兄ちゃん…」

ブリザード「実を言うと、最初は

怖かったし…神吹を殺すことなんて

無理なんじゃないかって思ったんだ…」

ブリザード「けど…そんなことを

考える度に俺の脳がそれを

否定するんだ…」

ブリザード「その度に恐れるなと

自分に言い聞かせ続けていた…

そしたら、こんなことになってた…」

ブリザード「後悔はしてない…

だけど、これでよかったのかな…」

ブリザード「…もっと、他に

いい人生があったんじゃないかな…

って考えてしまうんだ…」

ブリザード「俺が皆のことを

こんなことに巻き込まなければ…

皆ももっと幸せに生きることが

できたのかもしれないのに…」

永遠「ううん…そんなことは

ありえないよ。」

ブリザード「え…？」

永遠「僕にとってお兄ちゃんの

居ない人生なんてありえないんだから…

そんなこと簡単に言わないで…」

ブリザード「永遠…そうだな、ごめん…」

ブリザード「…俺、もっと頑張るよ…」

永遠「…さ、もう戻ろ？

みんな心配してると思うから…」

ブリザード「…分かった。」

ーー

ブリザード「…ただいま。」

華途葉「お帰り…は？」

華途葉「ねぇ、アンタ何その傷…

どうしてそんなんになってんの？」

ブリザード「…神吹と1回やりあって

来たが奴を退けることは

できなかった…」

華途葉「そうじゃなくてさ、なんで

神吹なんかと戦ってきたわけ？」

華途葉「一人じゃ到底勝てないって

分かってるでしょ？なのになんで…」

ブリザード「…ごめん、俺が…

この手で奴を始末しなければ

いけないって…思ったんだ。」

華途葉「ハァ…何でアンタは

いつもいつも一人で責任を

負いたがるわけ？」

ブリザード「っ、えっと…それは…」

華途葉「…困ったんなら味方に頼れば

いいでしょ？そのために私達が

居るんだから…」

ブリザード「…ごめん。」

華途葉「…口先だけの言葉は

いらない、証明して…その手で。」

華途葉「…なんて、こんなこと…

私らしくないな…」

華途葉「私ってばどうしてこんなこと

言ってるんだろ…」

ブリザード「華途葉…」

ブリザード「俺には…できない。」

華途葉「…え？」

ブリザード「俺の中には…今も

はてない憎悪が蠢いている…自分で

止めることもできそうにないんだ…」

華途葉「は…？」

ブリザード「…ごめんな、こんな

弱い俺で…」

ブリザード「…俺は今も囚われ

続けてる、復讐に…。」

ブリザード「神吹に始まり父親に

母親…果てには実の兄だ…俺、

もうどうすればいいのか

分かんなくなっちまったんだよ。」

華途葉「…。」

ブリザード「…なぁ、俺は…

どこに向かってるんだ？」

ブリザード「永遠にこんなことが

続きそうで…嫌になってしまったんだ、

俺は…いつまでこんなこと

すればいいんだ…？」

ブリザード「華途葉…なぁ、

こんな俺でも変われるのか…？」

華途葉「…人なんて、簡単に

変われたら私こんな風に

なってないわよ…」

ブリザード「…。」

華途葉「でも…変わろうとさえ思えば

できるんじゃないの…？

分かんないけどさ…」

華途葉「ブリザード自身はどう

思ってるわけ？自分自身を

変えたいの…？」

ブリザード「できるならそうしたいさ、

けど…」

華途葉「そう思うなら実行しなさい、

そうじゃないと

変わるなんて無理だから…」

ブリザード「そう…だな…。」

華途葉「…ま、そんなこと言ってる

私も人のこと言えないけど…」

華途葉「…人なんて弱くて当たり前

だから、受け入れるしかないのよ…」

華途葉「希望なんかに期待しないで、

自分自身でちゃんと生きること、

それがこの世界では一番

大切なこと…なのよ。」

ブリザード「そうかもな…」

ブリザード「…華途葉、変なこと

言って悪かった…」

華途葉「いいのよ、これくらい…」

ブリザード「…」

俺は…結局何がしたいんだ？

華途葉にこんなことまで言って…

どうしたいって言うんだよ…

変わったって思っても…最後には、

俺の中には黒い闇が渦巻いている…

みんなは…強くなったのに俺は…

今も変われていない…

どうしようもないままだ。

このままじゃ…先に逝った

みんなに示しが付かない…

…みんな、こんな

不甲斐ない俺でごめん…

ブリザード「…俺は…。」

ーー

神野「…あ、ブリザード…

帰ってきたのね。」

ブリザード「あぁ…ただいま。」

神野「…その傷、神吹と

戦ってきたの…？」

ブリザード「…あぁ。」

神野「そんなことだろうと

思ったわよ…アンタならそれくらい

するんじゃないかって…そんな気は

してた…。」

ブリザード「…ごめん。」

神野「なんで謝るのよ…

悪いことはしてないじゃない。」

ブリザード「…でも、

心配かけただろ…？」

神野「…別に心配はしてないわよ…？」

ブリザード「え…？」

神野「だって、最後にはちゃんと

帰ってきてくれるって…信じてるから…」

ブリザード「神野さん…」

神野「でも…こんなことばっか

してると体がもたない、

これ以降は控えてね…？」

ブリザード「…分かってる。」

神野「それならいいわ…ねぇ、

ブリザード…」

ブリザード「…どうした？」

神野「…今度、みんなで遊園地でも

行かない…？」

ブリザード「…え？突然

どうしたんだ…？」

神野「今にして思えばこのメンバーで

一緒に遊びに行ったことなかった

から1度でいいから行ってみたいなって

思ったんだけど…ダメかしら…？」

ブリザード「…どうだろうか、

1度みんなと話してから

決めた方がいいな…」

ブリザード「…今日の夜にでも

みんなに掛け合ってみよう。」

神野「…ありがとう。」

ブリザード「…楽しみだな、俺…

そう言うの行ったことないから。」

神野「えぇ、私も…」

ブリザード「…一緒だな…」

神野「そうね、ふふっ…」

ブリザード「…何かおかしかったか？」

神野「いえ、何も…」

ブリザード「…遊園地か…行ける余裕が

あればいいんだが…」

神野「神吹が動き出すより先に

行っておいた方が良いわね、

もしかしたらこれが最後に

なるかもしれないし…」

ブリザード「最後か…」

ブリザード「…そうやって遊べることも

もう無いのかな…」

神野「それは今後の私達次第よ…。」

ブリザード「あぁ…そうだな。」

ブリザード「…。」

神野「ま、難しいこと考えすぎても

アレだし今日はもう休みましょう？」

ブリザード「…分かった。」

神野「さて…私はご飯でも

食べようかしら。」

ブリザード「俺も…」

神野「うん、じゃあ

一緒に食べましょう…？」

ブリザード「…あぁ。」

神野「さて…と、何を

食べようかしらね…」

ブリザード「…」

その後、俺の傷を見つけた優来や

飛那世らに詰められたことは

言うまでもない…。

ーー

ブリザード「…そういや

皆に話しておきたいことが

あるんだけど、いいかな…？」

永遠「うん、どうしたの…？」

ブリザード「神野さんからの

発案で皆で遊園地でも

行かないかって…」

優来「え…遊園地？」

凍歌「遊園地なんてまだあったの…？

私聞いたことないけど。」

神野「ここから少し遠いけど、

都心の方にあるって聞いた…。」

櫻「都心か…都心の辺りは人も多い分

特に治安が悪くて犯罪も多いって

聞くけど…」

飛那世「それに、私達都心に

行ったことないから分かりませんし…」

神野「…それに関しては私が任務で

都心に行ったことがあるから

心配しないで…。」

ブリザード「あぁ、ありがとうな…。」

華途葉「と言うかそんな場所に

行って大丈夫なの？いつ神吹が

攻めてくるかも分からないし

もしもうすでにここが感づかれてたり

でもしたら…」

ブリザード「…その可能性は低い、

それに…」

ブリザード「もしかしたら、

これで皆と遊べるのも最後かも

しれないしさ…」

優来「…」

永遠「確かに、ここの誰かが

いつ死んでもおかしくないからね…」

華途葉「…ブリザードの言ってる

ことも理解はできる、けど…」

華途葉「…人殺しの私達が、

そんなことしていいの…？」

神野「っ…」

華途葉「…罪を被った悪魔である

私達がそんなことして

許されるの…？」

ブリザード「…誰かが許さなくても

俺らは一人じゃない…それに、

俺達だって今まで死ぬくらい辛い目に

会ったんだ、これくらいは

大目に見てくれるさ…。」

華途葉「…そうなのかしら。」

ブリザード「もし許して

くれなかったら…その時は

その時だ。」

華途葉「…そんなんでいいの？」

ブリザード「…別に、今はいいだろ…？」

華途葉「…そう、かもね。」

永遠「あ～、楽しみ…

寝れなかったらどうしよ…」

優来「別に、明日行くわけでは

無いから寝れるでしょ…」

永遠「あ、そっか…それじゃ、

いつ行くの…？」

ブリザード「ひとまず、計画は

立てたいから明後日にでも

行こうか。」

櫻「分かった…。」

飛那世「遊園地、ですか…」

飛那世「…あの娘に行かせて

あげたかったな…」

ブリザード「…飛那世、

どうかしたか？」

飛那世「…あ、いえ、何も…」

飛那世「…分からない、

分からない…なんで…」

ブリザード「…。」

ーー

飛那世「…はぁ…」

飛那世「っ…あぁっ…！！」

飛那世「ぐ…っ…」

色々な思考がずっと頭の中を

どうしようもないくらいに

巡っている…。

あの娘は散々な痛みを受けてきた、

そしてその末に死んだ、

なのにどうして…

あの娘はどうして生きていたの？

しかも神吹の中で…

…ずっと、分からなかった…

近くで見てきたのに、いや…

もしかしたらずっと気づいてたけど

それを考えることをしなかった

だけなのかな…

飛那世「…私は、どうすりゃ

よかったんだよ…」

飛那世「…」

コンコン

ブリザード「飛那世…入ってもいいか？」

飛那世「…何ですか。」

ブリザード「…少し飛那世の様子が

気になってな、元気が無いみたいだが

大丈夫か…？」

飛那世「…大丈夫、ではないかも

しれませんね…。」

ブリザード「…何があった？

話せることでいいから

話してくれないか…？」

飛那世「…分かりました、

入ってください…」

ブリザード「あぁ、ありがとう…」

ガチャ

ブリザード「…それで、何があった？」

飛那世「…雪村の正体が

私の妹だったのかもしれません…。」

ブリザード「え…？確か、飛那世の

妹って死んだんじゃ…」

飛那世「…恐らく、彼女の言っていた

ことが本当なら雪村は高城が

来る前の唯一のクローン生成技術の

成功者かと…」

ブリザード「…何だって？」

飛那世「恐らく、生前の記憶を

持っていたのはその体を再利用して

作られたものかと…」

ブリザード「…待て、飛那世の妹って

松原に殺されたんだろ？でも

飛那世は妹の死体を見たはず…」

ブリザード「なのに、なんで

アイツはあそこに居るんだ…？」

飛那世「あくまで私の予想に

過ぎませんが、私がその場を去った後

別の神吹の連中がその死体を

持ち去った…って所でしょうね。」

ブリザード「…そうか。」

ブリザード「…まさか俺達が今まで

戦ってきたのが飛那世の妹

だったなんてな…」

飛那世「まだ確証はありませんが、

その説が一番濃厚かと…」

ブリザード「そうか…それは

辛いな…」

飛那世「…えぇ、私だってこんなこと

したくはないのですが…」

飛那世「それが、私の運命

なんでしょうね…」

飛那世「…もちろん、最後まで

やり遂げますよ…。」

ブリザード「…あぁ、俺も飛那世の

ためにできることだったら

何でもするよ…」

飛那世「…ありがとうございます。」

飛那世「でも…先輩、それで

私がそう言うことしたいって

言ったらどうします…？」

ブリザード「え…？そう言うことって

何だよ…」

飛那世「…そう言うことですよ。」

ブリザード「…飛那世、あんまり

そう言うことは言わないでくれ…」

飛那世「ふふっ、すいません、

すこし揶揄いたくなった

だけですよ。」

ブリザード「はぁ…全く、

でも…大丈夫そうかな？」

飛那世「えぇ、覚悟はもう

決まってます…」

飛那世「私がすべきことは全部

分かってます、後はその時を

待つだけです…」

ブリザード「…なぁ、飛那世…

もし雪村を殺したとして、クローンとは

言え妹を殺したら後悔するのか…？」

飛那世「…しないと思います、

所詮奴はクローンなので…」

飛那世「…それに、後悔するなんて

私らしくもない…」

飛那世「私は所詮血も涙もない

ゲス野郎がお似合いなんですよ…」

ブリザード「…そうかな。」

飛那世「そうでしょ…先輩、

流石に分かりますよね…？」

ブリザード「…いや、飛那世は

一概にそう言う人間だとは

言えないと思うな…」

飛那世「え…？先輩？」

ブリザード「…飛那世には決定的な

信念があるし、無闇に罪のない人を

殺したりはしない、ある意味打算的

だがちゃんと考えて行動できる…」

飛那世「…もう、先輩ってば

そう言うこと言うんですから…」

ブリザード「…なんか、ごめん…」

飛那世「…いいえ、先輩は

謝らなくていいんですよ…」

飛那世「…なんか、湿っぽく

なってきましたし私はそろそろ

寝ますよ…」

ブリザード「…あぁ、おやすみ、

飛那世…。」

飛那世「はい、お休みなさい…」

飛那世「…。」

…先輩にはまだ言えてないけど、

私…本当は雪村を殺す覚悟が

まだ出来てない…。

…本当は守れたかもしれないのに、

本当は私が死んでたかもしれないのに…

それなのに、私があの娘を殺しなんて

したら…私は…どうにかなって

しまうかもしれない。

…いや、私は迷いを捨てるんだ…

捨てなきゃ、行けないんだ…

っ…

ダメだ…私には…できないかもしれない…

飛那世「…私、結局

何がしたいんだろうな…」

ーー

ブリザード「っ…」

永遠「すぅ…すぅ…」

…起きたらとなりに誰かしらが

居ることにももうすっかり

慣れてしまったよ…。

…だが、今日は…

神野「ん…すぅっ…」

…何故か神野さんが居た。

ブリザード（…いや、なんで

神野さんが居るんだよ…）

華途葉「…ブリザード、起きた…？」

ブリザード「っ…華途葉、

居たなら言ってくれよ…びっくりした。」

華途葉「何？私が居ちゃ悪い…？」

ブリザード「あ…いや、そう言う

訳じゃないんだけど…」

華途葉「…そう。」

華途葉「…もうご飯できてるから、

二人を起こして早く食べましょう。」

ブリザード「…分かった。」

すっかりこの共同生活も

板についてきたな…。

最初はどうなるかと思ったが

以外に早くに慣れたな…

…まぁ、こうなることは大抵

予想通りだったんだが。

…でも、毎回鍵を閉めてるのに

どうして毎日入ってくるんだろう…

本職ストーカーの永遠は分かるとして

神野さんはどうやって

入ってるんだ…？

…そこだけが怖い所だ…

ーー

ブリザード「…」

普通に朝ごはんを済ませて屋上に

理由もなく出てみる…

今日はどうせ予定もないし

明日は遊園地に行くんだ…

それに、遊園地への進路を見るのも

午後からだし、久々に暇だな…

ブリザード「…バードウォッチングでも

しようかな…」

華途葉「アンタ、そんな趣味

あったの…？」

ブリザード「…いや、やったことも

見たこともない…」

華途葉「あんま慣れないことは

するもんじゃないわよ。」

ブリザード「そうだな…。」

ブリザード「そう言う華途葉は

何しにここに来たんだ？」

華途葉「…私は、ブリザードに…

いえ、外の空気吸いに

来たかっただけ…」

ブリザード「そうか…俺と

同じだな…。」

華途葉「…ここの景色も、

中々綺麗なのね…」

ブリザード「…でも、この下では

今も理不尽な所業が横行してる、

救いはないんだ…」

華途葉「…夢がないわね。」

ブリザード「…残念ながら、

俺はそう言う思考に誘導

されやすいらしい…。」

華途葉「ま…そうなるのも

頷けることだけど…。」

ブリザード「…なぁ、華途葉…」

ブリザード「…俺達、あと何人

殺せば世界を平和にできるのかな…」

華途葉「…突然、どうしたの…？」

ブリザード「…突然と、考えて

しまったんだ…今まで俺らが殺してきた

人達にもそれぞれの人生が

あったんだって…」

ブリザード「…俺、それに向き合った

こともなかった、何も考えることなく

殺しを続けていた…」

ブリザード「…命を奪うってことは、

本来続いたはずの命を突然と奪って

しまうことと同義…」

華途葉「…確かに、私も今まで

目の前のことに夢中で

考えたことも無かったかも…」

ブリザード「…俺らは、いつか

報いを受けるのかもしれない…

それを待ち続けるなんて、

怖いったらありゃしない…」

華途葉「…確かにね。

でも…その時は一緒に罪を

償いましょうか。」

ブリザード「…そうだな、俺達は

一人じゃないから…」

華途葉「…私は、アンタが一緒なら

どこまでも付いていくわよ、

例え地獄の底だってね…」

ブリザード「そりゃ頼もしいな、

ありがとう…」

華途葉「そんなこと言うには

早いわよ、まだ死んでもないし…」

ブリザード「…そうだったな…」

華途葉「あー、そう考えたら

少し楽になったかも…」

ブリザード「…本当か？」

華途葉「えぇ…ブリザードの

おかげで。」

ブリザード「…少しでも力添えに

なれたならよかったよ…。」

華途葉「ふふっ…」

華途葉「…私、ブリザードとなら

どこまでも行けそうな

気がするよ…」

華途葉「…この先、私達は

どんな運命を辿るんだろう…」

華途葉「それすらまだ分からないけど

私はもう何も恐れない…」

華途葉「どれだけ世界が理不尽だろうと

最後まで戦うよ…」

華途葉「…そうすることでしか

生きる意味を見いだせないから。」

ブリザード「そうだな…俺達は

いつでもそうだ…」

ブリザード「けど…それでしか

分からないこともある。」

華途葉「…そう考えると嫌なものね。」

ブリザード「あぁ…皮肉なものだが

俺達は神吹が居なきゃ出会うことも

無かったからな…」

華途葉「…そう考えると、全てが

虚しく思えてくる…」

ブリザード「…だけどさ、きっと

最初からこうなる運命だったんだよ…」

ブリザード「俺と言う人間が

存在してる時点でもうこうなることは

確定だったのさ、多分だけど…」

華途葉「…はぁ、ホント嫌になるわね…」

ブリザード「…けど、何事にも

いつかは終わりが来る…この運命にも

きっと…いずれ終止符が打たれる。」

ブリザード「その日を楽しみに

待とう…俺達の狂った運命の終わりを。」

華途葉「そうね…。」

華途葉「…。」

ーー

永遠「ふぁ〜、何か今日は眠いな…」

櫻「ん…？あれ？」

永遠「櫻さん、どうかしたの…？」

櫻「いや…永遠、外見て…」

永遠「ん…？何？」

永遠「あれ…これって雨？」

櫻「私、雨なんて初めて見たよ…

こんな珍しいこともあるんだね。」

永遠「うん…みんな呼んでくる？」

櫻「でも、ブリザード辺りはもう

明日の準備に入ってるでしょ？

どうしようね…」

永遠「…でも、待って…おかしくない？」

櫻「ん…？どうかした？」

永遠「いや、今って雨が降る温度じゃ

ないよね…。」

櫻「あ…今は確かに氷点下だ…」

永遠「…氷点下なのに雨が降るなんて

おかしいよね、どうなってるの…？」

櫻「人工的に降らされたって

ことでもないみたいだし…」

永遠「となると…どうして雨なんか

降ってるの…？」

櫻「…もしかしたら、この世界の

限界が近いのかも…」

永遠「…どう言うこと？」

櫻「…異常気象ってやつ、

世界がこうなったときも直前で

世界中でこんな風に異常気象が

起きたって言うでしょ？」

永遠「そうだ…じゃあ、まさか…」

櫻「…ブリザードは破邪悲を

使いすぎたのかもしれない…」

永遠「…もしかして、破邪悲は

世界そのものを蝕むものだったって

ことなんだね…？」

櫻「うん…恐らくは。」

櫻「破邪悲の使用は世界にもダメージを

与える…破邪悲を使い続けると世界が

滅びるって言われてたのはこう言う

ことなんだ…。」

永遠「…これが本当に異常気象なのかは

まだ分からないけど、これは流石に

決定的だね…」

櫻「…このこと、みんなにも

話しておかないと…」

ブリザード「…何のことだ？」

永遠「お兄ちゃん、もう終わったの…？」

神野「えぇ、思ったより早く

終わったわ…。」

優来「ねぇ、あれ…！！」

飛那世「ん…？雨ですか…」

ブリザード「…珍しい、こんなこと

今まで…」

ブリザード「いや、あったか…？」

櫻「え…ブリザード、今までに

雨を見たことあるの…！？」

優来「私も見たことない、どうして…？」

ブリザード「そうだ…これは

初めてのことじゃない…

どうして今まで忘れてた…？」

ブリザード「そうだ…あれは…

ずっと前だった…」

ーー

ブォォォォォン…

ブリザード「ねぇ兄さん、

雨降ってるよ…」

神吹「あぁ…珍しいことも

あるな…」

神吹「…これも破邪悲が

もたらしたことだ…」

ブリザード「破邪悲…？」

神吹「…いや、なんでもない…」

神吹「…なぁ、1つ頼んでもいいか…？」

ブリザード「…何？」

神吹「これを、お前に託す…」

ブリザード「…これは？」

神吹「そのペンダントは

お前のことを守ってくれるものだ…」

神吹「もし何かが起こったら

そのペンダントを使え…」

神吹「この雨を見る度思い出せ…

俺のことを…」

神吹「…じゃあな。」

ブリザード「待って、兄さん…

何処かに行くの？」

神吹「俺は今から、遠くに

行かなくてはならない…」

神吹「…最後に、これを…」

ブリザード「これは…マシュマロ？」

神吹「ここまで移動して

腹減ってるだろ？

これくらいしかないがやるよ…」

ブリザード「うん、ありがとう…」

神吹「…今からお前はこのことを

忘れてしまうが…アレがお前を

山の下まで運んでくれるだろう。」

ガチャ…

神吹「このことを忘れろ…だが、

忘れるな…」

ブリザード「…ねぇ、何を

言ってるのか分からないよ…」

神吹「じきにわかる…

また、しばらくした後に会おう。」

ブリザード「待って、兄さん…！！」

神吹「破邪悲…こいつを山の下まで

運べ…。」

ブォォォォォォッ…

ブリザード「っ…雪が…！？」

ブリザード「がぁぁぁぁぁぁっ！！」

神吹「…全ては俺の手の中だ。」

神吹「…なぁ、ブリザード…

聞いてるんだろ？」

神吹「教えてやるよ…お前は絶対に

勝つことができない…」

神吹「何でか分かるか…？それは既に

決められていることだからだ…」

神吹「み…これも…gm…の…力…って…

つ…だ…」

神吹「…前は…俺…か…れるこ…は…

でき…」

ブリザード「っ…！？」

凍歌「ブリザード…どうしたの？」

ブリザード「…」

妙に気になった俺はポケットを

見てみる…

ブリザード「…っ！？」

飛那世「…どうしたんです？」

ブリザード「ペンダント…どうして…？」

優来「そのペンダント綺麗だね…

でも、ブリザードそんなの持ってた…？」

ブリザード「…ありえない…

こんなことは…」

ブリザード「俺は…ずっと神吹の

手の中で…」

凍歌「ねぇ、何がどうしたの…？」

ブリザード「…俺の兄は最初っから

居なくなってたんじゃ無くて…

まさか、あの時には既に神吹を

殺してたのか…？」

ブリザード「ぐ…っ、

意味が分からない…」

飛那世「…ねぇ、何があったんですか…？

せめて、話してください…」

ブリザード「…分かった。」

…そして、突然と記憶の中に

流れてきた風景について話した…

永遠「…なるほど、となれば

仮説は正しかったってことか…」

神野「仮説って…？」

櫻「この雨が破邪悲の力を

使いすぎたことによって起きた

異常気象なんじゃないかって

話してたんだ…」

ブリザード「…確かに、それは

間違いないだろうな…」

凍歌「だとするともうブリザードは

破邪悲を使えないんじゃ…」

ブリザード「あぁ、破邪悲は

凍歌に託すよ…」

凍歌「…うん、任せて…。」

華途葉「…ブリザードの過去に

そんな裏があったとはね…」

ブリザード「…恐らく、このことは

破邪悲の力で脳の奥底に封じられて

いたんだろう…」

神野「あれはそんなことも出来るのね、

ほんと…意味分かんない。」

凍歌「解析しても分からないこと

だらけで…ほんと、宇宙の神秘って

不気味だよね…」

ブリザード「あぁ…これは本来

俺達が触れてはならないものだからな…」

永遠「こんな物が流れてくるなんてね…

分からないものだね。」

凍歌「…うん、今思えばこれが

全ての始まりだったんだね…」

ブリザード「…こいつさえなければ

俺達が苦しむことは

無かったのに…」

華途葉「…でも、そんなことばかり

考えてても先には進めない、

ブリザードなら分かるでしょ…？」

ブリザード「あぁ…分かってる、

俺は…やらなければいけない、

そう決まってる…。」

飛那世「…雨、病みませんね…」

ブリザード「…そう、だな…」

ブリザード「いつ病むんだろうか…」

ーー

雪村「…」

神吹「克己らも死んだ、これで

癪に障る害虫共は消えた…」

神吹「これで俺達の存在を邪魔するのは

もう奴らしか居ない…」

雪村「…本当にこれでいいのか？

奴を取り逃がして…」

神吹「いいんだ、これも計画通り

だからな…。」

神吹「…フフフ…全ては…算段通り…

全ては定められた運命の元に

進んでいくのだ…」

雪村「…アンタは、何がしたいわけ？」

神吹「簡単だよ、こんな世界を

ぶち壊して全部めちゃくちゃに

終わらせるのさ…」

雪村「アンタの目的は本当に

それだけなの？」

神吹「何が言いたい？」

雪村「単刀直入に、アンタの

目的を言いなさい…」

神吹「…俺は…全てを終わらせる、

そして…未来を終わらせる。」

神吹「俺は…俺自身が負けることが

定められてる、だが、俺は

その運命すら変えてやるのさ…」

神吹「俺と言う時代が産んだ悪魔は

これから本当の意味で狂気に

染まりゆくのさ…」

神吹「お前になら分かるだろう？

雪村…いや、沼田地珠瑠…」

雪村「…その名を何故知っている？」

神吹「偶然見つけたんだよ、昔の

研究データを…」

雪村「…私は昔の記憶を引き継いでいる、

ここの奴らが私にどんなことを

したのかもな…」

神吹「…何故お前はここに残った？

悲惨な目に合わされたと言うのに…」

雪村「…たとえどれだけ残酷な目に

会っても、救われることはあるのさ…」

雪村「そう、あの日のようにな…」

ーー

雪村「…」

影浦「っ…おい、大丈夫か…！？」

影浦「っ…死んでる、酷い…どうして

こんなことを…」

松山「何してる？お前は研究者だろ？

ここに居たらダメじゃないか…」

影浦「…なぁ、こいつを連れてっても

いいか…？」

松山「こいつはもう死んでる、

人体実験でもする気か？」

影浦「…そんな所。」

松山「お前も中々腐ってるんだな…

俺が言えたことではないが。」

影浦「…おうよ。」

影浦（完全な脳死状態には

なってないようだ…よし、

これなら…！）

そして…その後奇跡的に実験は

成功し私は蘇った…

sunshineによって殺された元の名前の

ままはまずいから、私には

雪村と言う名が与えられることになった…

そして…私には強大な戦闘能力と、

それに裏付けされたデータを

組み込まれた…

…私は本当の意味で軍事兵器として

運用されることになった。

それ以来は神吹様に逆らう者を

殺し続けて…そして、

ここまで来た…。

…こうすることでしか私には

生きる価値を見いだせなかったから。

…私の人生にはまるで意味がないように

思えた、だから…現実逃避のために

敵を殺し続け、神吹様を崇拝

し続けた…

雪村「…これが本当のこと。」

神吹「…お前も、俺と同じか…」

雪村「どう言うこと…？」

神吹「俺は…俺と言う存在自体に

意味を見いだせなかったのさ…」

神吹「ガキの頃からずっと

全てを理解してた…だからこそ、

退屈で…仕方なかったんだ。」

神吹「そしたら、気づいた頃には

俺はこんな風になってたんだ。」

雪村「…けど、後悔はして

居ないのでしょう？」

神吹「あぁ…微塵もな。」

神吹「俺が止まることは未来永劫

ありえない…。」

神吹「絶望させてやるんだよ、

この世界を…全ての人類を。」

神吹「こんな醜い世界は終わり、

後は新たに始めるんだ…」

神吹「運命も…ルールも全部ぶち壊して

俺が全てを破壊する…」

神吹「邪魔をする者は全て

消し去る、そして…俺は、

新しい世界で…全てを操る神となる。」

神吹「破滅と狂気に満ち溢れた…

暗黒の世界を始めるんだよ…！」

神吹「っ…ククク…アハハハハ！！」

ーー

永遠「っ…いやっほーい！！」

優来「ここが遊園地か…なんか、

感動するな…」

櫻「すごい！こんなの

産まれて初めて見るよ！！」

華途葉「こんな物が実在したなんて、

思いもしなかったわね…」

ブリザード「この建物は昔あった

テーマパークを改修して

作り直した物らしい…」

神野「…だから今もこうして

存在し続けてるのね。」

永遠「でも…それだとお金も

いっぱいかかるんじゃない？」

飛那世「それは、櫻さんの

貯金から使わせてもらいました…」

櫻「ぐ…今日は私のおごりだから…

いっぱい楽しんでね…がっくし。」

ブリザード「さ、櫻さん…！？」

凍歌「櫻さん、大丈夫なの…？」

櫻「大丈夫…貯金はまだまだ

残ってるから…」

華途葉「いや、どんだけ

金貯めてんのよ…。」

櫻「ざっと900万はあるかな…」

永遠「いや多っ！？」

ブリザード「…もし何かあったら

お願いします。」

櫻「え…？何を？え、待って…！？」

優来「…ご愁傷です。」

櫻「むぅ…私の貯金がぁ…」

神野「…でも、どうせ遊園地に

来たんだしどうせなら

楽しみましょ？」

ブリザード「…そうだな、行こう…」

永遠「ねぇ、あそこに

ジェットコースターって言うのが

あるよ、行ってみない…？」

櫻「お、面白そうだね、みんな、

行こう！」

華途葉「えぇ…」

櫻「何だろう、物凄く

嫌な予感がする…」

優来「…奇遇ですね、私もです…」

ブリザード「…。」

そして、その予感は見事

的中することとなる…

ガタガタガタガタ…

櫻「え…何この音、やだやだ怖い…！？」

飛那世「あー、聞いたことあります…

こう言うジェットコースターは

装置の関係上こう言う音が出るって…」

櫻「それなら先行ってよ…

もう既に怖いよー…」

凍歌「あ、あれ…優来…？」

優来「やだやだ怖いお家帰りたい

ごめんなさいごめんなさい

嫌だ嫌だ嫌だ…」

凍歌「ありゃ…これは大変だ。」

永遠「…こんなの何が怖いの？

これは所詮ただ落ちるだけ…」

ガタガタガタ…！！

永遠「うわぁぁぁぁぁっ！？」

櫻「ぬぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ！？」

優来「きゃぁぁぁぁぁ！？」

飛那世「あはは、見事なまでに

大きいリアクションですね…！！」

ブリザード「ぐ…なんか、飛那世や

永遠が正式に入ったばっかの頃のこと

を思い出すな…」

華途葉「あぁ…そういや前も

こんな感じで落ちてたわね…！！」

永遠「でも…」

ガタガタガタガタ！！

永遠「これは無理だぁぁぁっ！？」

そして…その後も皆の悲鳴が

鳴り止むことは無かった…

永遠「あぁ…死ぬかと思った…」

神野（息を潜めてたけど

胃袋破裂するかと思ったわよ全く…）

飛那世「あー、またあれ乗りたいです…」

櫻「いや、私達を殺す気かっ！？」

飛那世「あれ？もしかして

乗れないんですか？」

櫻「あぁ！！乗れないよ！！

悪かったねぇっ！？」

飛那世「あはは…そう言えば

これとかいいんじゃないですか？」

ブリザード「ん…これはおばけ屋敷…？」

飛那世「はい、何か面白そうじゃ

ないですか？」

櫻「おばけ屋敷ねぇ…ほんとに

怖いのかな？」

華途葉「こんなん子供騙しよ、

対したことないわよ…。」

神野「えぇ…所詮はこの遊園地も

子供向け、そんなに怖く

作られてないわよ。」

ブリザード「大丈夫かな…」

凍歌「何となく展開が

読めた気がするな…」

優来「うん…やっぱりそうだよね。」

…やはりと言うか何とゆうか

予想通りの展開になってしまった。

カタカタ…

神野「ね、ねぇ…なにこれ…

暗いんだけど…」

櫻「っ…今何か居た！？」

華途葉「ま、待って…怖い…

ちょ、ブリザードそんなに

動かないでよ…」

ブリザード「…そんな大勢で

俺に引っ付くな、やめろ…」

神野「…だって怖いんだもん。」

華途葉「離れたらその瞬間に

何か出てきそうで…」

ブリザード「でも、こんなの

子供騙しなんだろ…？」

櫻「う、うるさい…！！」

カタ…

櫻「ねぇ、もうちょっと何なのよ…」

お化け「ウ…アァ…」

神野「っ…」

華途葉「いぎゃぁぁぁぁぁっ！？」

櫻「うわぁぁぁぁぁっ！？」

神野「ひゃぁぁぁぁぁっ！？」

ブリザード「ちょ、待てそんなに

押すな、ちょっと…！？」

ブリザード「ぎゃぁぁぁぁっ！？」

飛那世「あはは…まぁ、こう

なりますよね…」

優来「ブリザードは人気だな…

別に、嫉妬してるわけじゃ

ないからね、フン！」

凍歌「出た、優来の面倒臭い女ムーブ！」

優来「な、面倒くさいって何なのよ！」

凍歌「あはは、ごめん、

ちょ、まってつねないで…！？」

優来「…もう許さない。」

ムニムニムニ…

凍歌「ちょ、まっ、うわぁぁぁっ！？」

永遠（…楽しそうだな。）

お化け「ゥ…アァ…」

永遠「邪魔。」

ベチッ

お化け「づ…痛ったぁ！？」

永遠「ほら、みんな早く行くよ。」

永遠「って…ありゃ。」

ブリザード「た、たすけて…」

華途葉「ん…怖い…」

神野「もう無理…お家帰る…」

櫻「こんな怖いと思わなかった…」

ブリザード「ちょ、永遠…」

永遠「…この女誑しめ！」

ブリザード「は？ちょ、

ええっ…！？」

ブリザード「ま、待ってよ、永遠…！？」

永遠「…面白そうだから

遠くから反応見てよ。」

飛那世「…さ、とりあえず私達は

先に行きましょうか。」

優来「そうだね、あれは

放っておこうか…」

凍歌「さ、次は何があるかな…」

ブリザード「な、なんで…

うわぁぁぁぁっ！？」

…でも、この時は思わなかった…

…こんな楽しい時間が

来ることはもう無いって。

…束の間の安息は、

すぐに終わりを告げることに

なるんだ…。

next…