天地黎明-Force of Blizzard-

@ziasoma

第1話

…出来ることは全て成した、その結果

こうなったが…分からない、本当に

こうすることが正しかったのか…


この全てを覆い尽くす雪に打ちひしがれながら

ふと、昔のことを振り返る…。


あぁ…そうだ。


理不尽なんだ、この世界は…。


かつて…この世界は永久なる氷に包まれて

いたと言う、その中では「夜」と「闇」が

長いこと続いていた…。


闇が世界を暗く包み込んで夜が世界を暗く

染め上げて底知れぬ闇を見せた…


だが、ある時太陽の輝きが地平を覆う氷を

溶かして世界に「光」と「昼」をもたらした…


光が世界を暖かく包み昼が空を明るい色に染めて

地平を覆う氷を溶かし、希望をもたらした…


そして、それからいくつもの時が流れた。

今、この世界にはいくつもの光と闇が

混在している…


人は社会の闇に飲まれ絶望へ影を落とす者と、

世界に光を見出して、希望を胸に強く生きる者の

2種類に別れた…。


だが、どちらへ転ぶかは自身にも分かり得ない、

なぜならそれを決めるのは世界であり、本人に

それを決める資格はないから…。


それ故に世界には冷酷な悲しみが溢れて

止まらない。


だが、そんな世界の理不尽に立ち向かい、そして

その末に散り、残酷な結末を迎える物も居る。


だが、そんな人達に手を差し伸べる者が

いるように、夜が明けて朝が来て、また

昼を迎える…。


それと同じように心を闇に閉ざした者が

光へ手を伸ばし、掴みとることもある…。


そんな世界に、理不尽に立ち向かった、

その末に、やっと理解できた…

ようやく分かったよ…


私達は…


ーー


ブリザード「…。」


始業式を終えて、桜が散り始める、そして

今日から新学期、学校が始まる…。


時折壁や道に血や肉片がついているこの

通学路にも1年通ればすっかり慣れるものだと、

最近分かった…。


そして、後ろから小走りで小さな影が

こちらに迫ってくるのが見える…。


飛那世「せーんぱい!おはようです!」


ブリザード「…よう。」


ブリザード「今日は華途葉は一緒じゃ

ないのか…?」


飛那世「あー、華途葉って最近激務だったじゃ

ないですか、だから疲れてるだろうなーと

思ったわけですよ。」


飛那世「だから、眠りを妨げちゃだめだなって

思って、寝かせておきました!」


ブリザード「要は、起こすのが面倒だったと

言う事だな…?」


飛那世「よく分かってるじゃないですか先輩!

にしても今日はよーく喋りますね、

普段無口なのに…。」


ブリザード「飛那世がそんなに

話しかけてくるからだろうが。」


飛那世「テヘ、ばれちゃいました?」


ブリザード「…ハァ。」


飛那世「あーっ!なんでため息ついてるんですか!

酷いですよ、先輩っ!!」


…呆れたものだ。


…飛那世は俺の後輩で、思えばあの事件が

あった後から一緒にいた、普段は

おちゃらけたような奴だが…飛那世は…


飛那世「あー、そういや聞いてくださいよ先輩、

隣のクラスのいじめっ子居たじゃないですかー。」


飛那世「歩いてるとき、肩がぶつかったのに

謝んなかったのがムカついたので拷問にかけて

ぶっ殺してやりました!」


飛那世「ま、ほんとはこっちの方から先に

ぶつかっちゃったんですけどね、テヘペロ。」


…こう言う奴なんだ…。


ブリザード「…。」


ベシッ


飛那世「あいたっ、何するんです!」


ブリザード「馬鹿か、金にならない殺しなんて

するもんじゃねぇよ…」


飛那世「むぅぅ〜!殺しの醍醐味はお金じゃ

なくって殺しじゃないですかー!」


飛那世「拷問にかけた相手の苦しむ顔を

見るのとか、必死に命乞いをしてくるのを

嘲笑いながら殺すのがいいんじゃないですかー!」


ブリザード「馬鹿か?殺しは楽しむために

やる物じゃない、目的をすり替えるな…」


飛那世「あー!また馬鹿って言ったー!

馬鹿って!訴えますよ、私、先輩と最高裁まで

争ってやりますよ、いいんですか!?」


ブリザード「…別に、いいぞ…」


ブリザード「それは、お前にそんな余裕が

あるんならの話だけどな…」


飛那世「うぐぐ〜ごもっとも〜」


…そうだ、俺達にはやらなきゃ行けないことが

ある、それで今はやることが多くて大変だ…。


…にしても、日々飛那世が味方でよかったと

感じることが多い…。


犯罪と言う概念のないこの世界においても

こんな飛那世みたいなイカレ野郎は中々いない、

それこそ…いや、今はやめておこう。


あいつらのことは考えるだけで虫唾が走って

頭が痛くなる…。


優来「あっ、二人ともおはよう!」


飛那世「あっ、優来、おはようございます!」


幼なじみの優来が、飛那世と俺にあいさつをする。


その後ろで、何か殺気に近いようなオーラを

感じる…。


華途葉「ね〜ぇ〜…」


飛那世「…げ。」


華途葉「開口最初がげ、はないでしょ…」


華途葉「それより〜、なんで起こして

くれなかったのよ〜…」


飛那世「いやー華途葉さん最近激務でしたよね、

私知ってますよだって一緒に住んでますから、

そう言った事情から華途葉さんがお疲れなことは

よーく分かってます、だからそんな事情を

鑑みてですね、安らぎの時間を妨げないよう

寝かせておくことが最善と考えまして…」


華途葉「…つまり、ただ起こすのが面倒だった

ってだけだよね…?」


飛那世「うぐっ!?そ、そんなわけないですよ!

ほ、ほら…ねぇ?」


ブリザード「…俺に聞いてどうする?」


優来「あはは…どうやらいつもの通り、

平和みたいだね…。」


今飛那世にキレてる華途葉は昔中性的な見た目で

それが原因で苦労してきた、それから頑張って

女の子っぽい見た目になろうと頑張った、だが

こいつも面倒な性格だ…。


具体的に言えば人間不信で親しい相手、それこそ

飛那世ですら信用してないほどだ…。


…それも、すべて華途葉の凄惨な過去のせい

なんだが…。


でもその割には俺のことだけは何故か信用して

くれているようだが、そこは複雑だ…。


そして、優来は昔馴染みで、卑屈な所もあるが

悪いやつじゃない。


むしろ優しくて、頼りになる、なによりずっと昔

から一緒にいるから気心も知れてる、だから

楽に接せる…。


永遠「お兄ちゃん…おはよ。」


ブリザード「…おはよう、永遠…。」


永遠「お兄ちゃん…まだ、眠たい…」


ブリザード「…そうか。」


永遠「だっこして学校まで運んでって…。」


優来「こら、だめだよ、もうすぐ学校に着く

からそれまで我慢して…。」


ブリザード「俺は別にそれでも構わないが…」


優来「ダメなものはダメなのっ!」


ブリザード「…。」


飛那世「あひ、先輩しょんぼりしてて面白…

あいてっ、ちょ、やめて、まっ、何…」


永遠「…。」


飛那世「え、ちょっ、何…?ちょ、私

なんかした…?」


永遠「…なんか、調子乗ってそうだったから。」


飛那世「そんなー!私っていつも

ずっとこんなんだよー?」


永遠「とにかく、調子には乗らないこと…いい?」


飛那世「えっ、あ…はい、承知しました…」


永遠「…ねぇ、お兄ちゃん…。」


ブリザード「…何だ?」


永遠「手…繋いでもいいかな?」


ブリザード「…あぁ。」


永遠「うん…ありがと。」


永遠…いつもはもっとやかましくてはしゃぐ様な

奴なんだが今は大人しいな…寝起きだから

調子が悪いのか…?


優来「むー…ブリザードが永遠に鼻の下を

伸ばしてるような気がする…!」


飛那世「いや、気がするだけですよね?

そうだとは決まってないですよね…」


優来「…もういいもん、私も手繋ぐし…」


ブリザード「…お前はダメだ。」


優来「いやっ、なんで!?」


ブリザード「…嘘だ。」


優来「えぇっ、何よもう…」


華途葉「…ねぇ、ブリザードってあの二人の

保護者かなんかだったっけ…?」


飛那世「いや、違いますね…。」


華途葉「私の目にはブリザードが妹二人に

付き添ってる兄にしか見えないんだけど…」


飛那世「奇遇ですね、私もですよ…」


飛那世「てか、1人先輩のことお兄ちゃんって

読んでますしね…。」


永遠「えへへ…」


優来「むー…」


…こんな感じが俺達の日常で、俺達のがずっと

望んでいた風景…。


だが、それも長くは続かないのかもしれない…


だからこそ俺達はこの1日1日に感謝して

生きなきゃいけない…


いつか来る終わりに怯えて生きるより

そっちの方がいい…。


飛那世「あ、そんなこと言ってたらもう

学校に着きましたよ!」


永遠「ふぁ〜、おやすみ…。」


優来「ちょっと、寝ないで、ブリザード

からも何か…」


ブリザード「…眠いなら、寝れるうちに

寝ておいた方がいい、多分…。」


優来「こらっ!」


ベシッ


ブリザード「…痛い…。」


そして、学校に着いて責任座り、適当に

授業を終わらせようとした所に電撃の

ような衝撃が走ることとなる…。


ーー


影浦「今日からこの学校に入ることになった

転校生を紹介するぞ!」


…転校生と言う時点で珍しいのに始業式の

翌日に転校して来るだと…馬鹿げている。


どう言うタイミングなんだ、分からない…。


影浦「ほら、もう入っていいぞ!」


???「はいっ!」


そう威勢よく声を上げて少女は扉を開けた…


…待て、俺はこの声に聞き覚えがある…


ビリッ


???「あいった!?静電気…っぐ!」


影浦「おーい、大丈夫かー?」


ビリッ


影浦「あいって、静電気!」


ガラララ


凍歌「お恥ずかしい所を…すいません。」


影浦「いや…いいんだ。」


影浦「この娘が今日からこの学校に転校してきた

凍歌さんだ!」


凍歌「初めまして、私の名前は柳凍歌、

凍った歌で凍歌だよ、よろしくね!」


ブリザード「とう、か…?」


ブリザード「…っ!!」


彼女が自分の名前を言った時、密かに

戦慄が走った…


…間違いない。


俺はこの少女を知っている…



なぜなら俺はその名前に聞き覚えがあった、

だけど俺の目の前に居る人物は俺の

知っている人とはどこか違っていた…


影浦「凍歌の席は…ブリザードの隣だな、

ブリザード、仲良くしてやれよ。」


ブリザード「…はい。」


凍歌「君、ブリザードって言うの…?」


ブリザード「…あぁ。」


凍歌「私の名前もさ、名前に凍るって書いて

るんだ、やだよね、名前に凍るって

書いてるなんてさ…」


ブリザード「…俺は、別にいいと思うが…」


凍歌「…え?」


ブリザード「俺はいい名前だと思う、

個性があっていいじゃないか…」


それに…どこか懐かしくて、聞き覚えもある。


ずっと待ちわびていたのかもしれない…

この時を。


凍歌「…優しいんだね、君は…」


ブリザード「…そんなんじゃないさ、俺は…」


凍歌「そうかな?わたしはそんなことないって

思うよー?」


凍歌「…それに、知ってるもん、ブリザードの

全部…。」


ブリザード「…何か言ったか?」


凍歌「いや、何でもないよっ。」


凍歌「それより、今日からよろしくね…!」


凍歌「あー、楽しみだよ…」


凍歌「そう言えば今日って予定空いてる?

ここ、来たことないから学校を案内して

ほしいんだけど…」


ブリザード「悪いが、部がある…。」


凍歌「そっか。」


ブリザード「…すまない。」


凍歌「いや、いいよ…」


その少女はどこか見覚えがあり、それと同時に

俺の中で感極まる物があった…。


ずっと追い求めていた存在に出会えたような、

懐かしい記憶…そんな感覚を感じたからだ。


その正体ももう分かってる…


それでも何故か、とても懐かしい気分になった。


そうやくここまで来れたんだ…


…お前も見てるのか?


ーー


そしてその後の昼休み、優来がこっちに来た…


優来「…ねぇ、ブリザード…」


ブリザード「言わないでも分かる、転校生だろ?」


優来「えぇ、あの子から感じたの…」


優来「…この感覚が合ってるなら、あの子は…」


ブリザード「…あぁ、間違いない…」


ブリザード「凍歌は…とても似ている。」


優来「えぇ、あの子に雰囲気、名前、

全てが似ているわ…」


俺達が凍歌に感じている既視感、その正体は

村野灯華だった…


灯華は俺達の幼なじみで、大切な友達だった。


だが、ある日突然灯華は俺達の目の前から

消え失せた、いくら探しても届かなくて、

結局見つからなかった…。


だが、やっと見つかったかもしれない、けど…


優来「…本当に、あの子が来たのかしら。」


ブリザード「…。」


灯華と凍歌は名字や髪の色が違う…。


…本当に凍歌が灯華なのか、ただ、そうで

あって欲しいと願う自分がいた…

それも事実だった。


優来「…灯華はあの日、私達に何も言わずに

居なくなった、けど…」


優来「信じてもいいのかな、灯華が

帰ってきたって…」


ブリザード「…断言はできない、だが…」


ブリザード「可能性は高い、それに俺も

信じてる…。」


優来「灯華…」


ブリザード「俺達が追い求めていた物はすぐ

近くまで来ている。」


優来「…そうね。」


ブリザード「それまで俺達は待っていよう。」


優来「…えぇ!」


まだ、分からないのに…


灯華が帰ってきたと思って、喜んでしまう

自分が居た。


ーー


ブリザード「…。」


昼休み、理由もなく中庭に行くと

珍しい物を見つけた…


華途葉「…。」


猫「にゃー。」


ブリザード「よう…。」


華途葉「あ、ブリザード!おはよう!」


猫「にゃー。」


ブリザード「華途葉…猫、好きなのか?」


華途葉「え、うん…」


ブリザード「…。」


猫「にゃー。」


華途葉「…こんな日々がずっと続いたら

いいんだけど…」


ブリザード「…あぁ、そうだな…」


何気なく華途葉が呟いた言葉…

俺の心には強く響いてきた。


こんな日々も長くは続いてくれない、

それでも俺はこんな日々を望んでいる…


華途葉も、それを分かっているのか…


華途葉「…ここを猫の楽園とする。」


ブリザード「…。」


…分かってないかもしれない。


華途葉「…私さ、これでも3年だよね…」


ブリザード「…あぁ、そうだな。」


華途葉「何でみんなタメ口で喋ってくるの…?」


ブリザード「…すまない。」


華途葉「あ、あぁっ、ブリザードは

いいんだよ…?」


ブリザード「…そうか。」


華途葉「私って人望ないのかな…

仕方ないかもだけど。」


ブリザード「…華途葉は、無くてはならない

存在だと、思う…。」


華途葉「…そう、かな…」


華途葉「…えへへ。」


ブリザード「…」


優しく、華途葉の頭を撫でてみることにした。


華途葉「あっ、えへへぇー…」


顔が緩みに緩んで大変なことになっている。


…もしかしたらこう言う感じな所があるから

年上だと思われないのか…?


ブリザード「…。」


流石にそろそろ撫でるのをやめることにした。


華途葉「…おい。」


ブリザード「…え?」


華途葉「撫でろ。」


ブリザード「え…」


華途葉「続けろ。」


ブリザード「はい…」


…やっぱ怖い。


ーー


ブリザード「…。」


退屈な授業を終えて、部がある場所に

向かおうとしているのだが…


櫻「じー…」


ブリザード「…。」


櫻「はっ!」


櫻「ささーっ…」


明らかに誰かがつけている…


ブリザード「…。」


試してみるか。


ブリザード「わー、あんな所に

神獣が居るー…」


…自分でも分かる棒読み演技だ…


そして、誘導の仕方が雑すぎる、こんなので

かかるわけが…


櫻「ええっ、どこっ!?」


ガシッ


櫻「…はえ?」


ブリザード「…。」


櫻「あ、あわわ…!?」


櫻「おっ、襲われちゃう、やばい…!」


櫻「や、やめて、お願いします…

何でもしますからぁ…!」


ブリザード「…何やってるんですか。」


櫻「ちぇー、乗ってくれてもよかったのに…」


ブリザード「…そう言うの柄じゃないので。」


櫻「ぶぇー、つれないなぁ…」


櫻「ただストーカーしてただけじゃん、

ダメなの…?」


ブリザード「…駄目だ。」


櫻「そんなー…。」


…櫻さん、これでもうちの学校の生徒会長で、

成績優秀な美人で、傍からすれば完璧に

見えるだろうが…


…どこか、抜けてるんだよな。


櫻「じゃ、折角だし一緒に行こう!」


ブリザード「…分かりました。」


そうして成り行きで一緒に行くことになったが…


櫻「あいでっ!」


ブリザード「…」


目を離すとすぐに転ぶから見てて不安になる…


そして手を差し伸べるまでが仕事だ…


櫻「…ありがと。」


ブリザード「…別に、いいですよ。」


櫻「はぁ、私ってドジなのかな…」


ブリザード「…自覚無かったんですね。」


櫻「えぇっ!?」


櫻「わ、私ってドジなの…!?」


ブリザード「…。」


頷いた。


櫻「がーん…」


ブリザード「…。」


この人、ドジなだけじゃなくてアホなのかも

しれない…。


ーー


優来「あ、二人ともおはよう。」


櫻「優来、おはよ!」


ブリザード「…今は、昼すぎだろ…?」


飛那世「まま、細かいことは気にしない。」


ブリザード「…そうか。」


永遠「やあよく来たね僕のお兄ちゃん!!

今日も愛してるよ!」


ブリザード「…そうか。」


永遠「いや、回答が同じなんだけど!?」


優来「永遠はもう回復したみたいだね。」


永遠「うん!お兄ちゃんパワーで永遠ちゃんは

無事に復活したのです!」


飛那世「永遠、ぶれないねぇ…」


永遠「ふふん、僕はいつでもお兄ちゃん

1筋だもん!お兄ちゃん以外のことは

頭に入れてないよ!」


ブリザード「そのせいで成績が悪いのか…」


永遠「なっ!酷い!事実だけど!」


永遠「それに、お兄ちゃんだって人のこと

言えないじゃん!」


永遠「お兄ちゃん、国語の成績何だっけ?」


ブリザード「…2。」


永遠「…やっぱ人のこと言えないね!」


ブリザード「…。」


永遠は本来こう言う奴だ。


飽きもせずずっと俺に愛情表現してくる

妹のような存在だ…


…やかましいのは、ご愛嬌だが…。


優来「…にしても、ようやく

ここまで来れたね…。」


飛那世「1年も待たされたんです、

じゃんじゃん働かせてくださいよ!」


永遠「僕も頑張るね!」 


櫻「えぇ、期待してるわ…」


永遠「そういやさ、計画のために使う金は

残りどれだけ残ってるの?」


ブリザード「…確か、あと七百万だ。」


飛那世「おっ、もうそんな所まで

来てたんですね!」


飛那世「あと永遠、今はいいけど金って

あんまり言わない方がいいよ。」


永遠「えっ、何で…?」


永遠「…あぁ、あれか…」


飛那世「華途葉の金と言う単語に対する

トラウマ、早く治らないかな…

トラウマ発動すると少し面倒くさくなるからな…」


ブリザード「…そんなことはない。」


飛那世「え、でも面倒臭いのは事実でしょう…?」


ブリザード「…少しなんてものじゃない。」


ブリザード「かなり面倒臭い。」


飛那世「めっちゃ言いますねー…」


華途葉「…誰が面倒臭いって…?」


ブリザード「…あ。」


飛那世「え、あ、ちょっ…」


ムニッ


飛那世「わぁぁぁっ!?ちょ、ほっぺた

引っ張んないでぇぇぇ!?」


ブリザード(…何か助かった…。)


永遠「…気をつけよう、うん…。」


優来「あはは…」


飛那世「にゃぁぁぁっ!?助けてぇぇぇ!?」


…いつまでやってるんだ…。


優来も呆れてるぞ…。


華途葉「…ハァ、今日はこれくらいで

勘弁しといてあげる。」


飛那世「ぐえ〜、参りましたぁ〜。」


華途葉「ブリザード、そう言えばさ、

誰か部室の前に来てたけど今日って

依頼あったっけ?」


ブリザード「…今日は飛那世と永遠の歓迎会

だから依頼なんて入れていない…。」


優来「えっ…!?」


永遠「…てことは、今の話聞かれてた?」


飛那世「となれば、始末する他

ありませんね…。」


櫻「もしそうなら、そうするしか…」


永遠「始末…始末…!お兄ちゃんのために…

始末…!」


永遠「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


べギィン


激昂した永遠が取り出したナタが

唸りを上げている。


…あそこに居るのは?


…侵入者かと思ったがどうやら違うようだ…。


凍歌「ひぃぃぃっ!?ごめんなさぁぁぁい!?」


ブリザード「…凍歌?」


そこに居たのは凍歌だった。


優来「凍歌、なぜここに…!」


凍歌「優来…!その、私、この部に

入ろうと思って来たんだけど…」


永遠「それはほんと?嘘じゃない?」


凍歌「ほんとほんと!」


華途葉「…いや、嘘かもしれない、

念の為先に尋問して…」


…ちょっと待ってくれない?


櫻「…あなたは!」


ーー


飛那世「あーびっくりした、まさか

神野さんが先に話を通しておいてくれてた

なんてね…。」


華途葉「…話してくれてもよかったのに。」


神野「ごめん、皆にも話しておく

べきだったわね…。」


神野「彼女は私達と同じ志を持ってる、

それに十分戦力になる素質を持っている、

それは私が保証するわ。」


凍歌「ごめんね、私の方から先に

事情を話すべきだった…」


ブリザード「…いや、いい…。」


影浦「いやー、まさか飛那世や永遠が

入ることは知ってたが、まさか凍歌まで

入って来てくれるなんてなー!」


影浦「先生はうれしいよ、うんうん!」


飛那世「…それ、どこの目線から

話してんすか…?」


影浦「…私独自の目線だ。」


飛那世「…。」


影浦「やだ!冷たい目で見ないでっ!?」


飛那世「…はぁ。」


影浦「細かいことはいいじゃないか、

せっかくのパーティなんだから

楽しまなきゃだ。」


飛那世「ですね、折角なので先発も

飲みましょ!ほらほら!」


ブリザード「…あぁ。」


凍歌「…。」


優来「どうしたの?しんみりして…」


凍歌「ううん、なんでもない…」


優来「そう?ならいいけど…」


飛那世「そうだ!せっかく新しく凍歌さんも

来たことですし、自己紹介でもしませんか?」


永遠「いいね、やろう!」


飛那世「じゃ、誰から行きましょうか?」


優来「じゃあ、私行ってもいいかな?」


優来「私は、薮田優来、まぁ…うん、

何と言うか…普通の人だから、

とにかく、よろしくね…」


飛那世「硬いですよー、緊張してるんですかー?」


優来「しっ、してないよ、うるさいなぁ…」


飛那世「ちなみに優来さんは寂しがりで

これは人から聞いた話ですが

昔はよく先輩に…」


優来「だーっ!?だめ!だめ!」


凍歌「あははは…」


飛那世「ちぇー、つまんないの。」


飛那世「じゃ、次は華途葉行っちゃって!」


華途葉「えぇ、ちょ、なんで私…?」


飛那世「いいからいいから、ほら、

行った!」


華途葉「ちょ、えぇっ…」


華途葉「…私、何もないよ…?」


飛那世「いいのいいの、とにかく行こう!」


華途葉「は、はぁ…」


華途葉「…えぇっと…」


華途葉「私は…私の名前は村貫華途葉…3年、

こんなんだけど女だから…よろしく。」


飛那世「おー、決まってますねー!」


華途葉「うっ…うるさい!」


華途葉「だいたいアンタ1年でしょ、普通敬語

でしょ、なんで当たり前かのように

タメ口聞いてんのよ…」


飛那世「いやー、そこは私と華途葉の

仲じゃないっすか…」


華途葉「むぅ…なんかはぐらかされてる

気がする…。」


永遠「じゃ、次僕が行ってもいいかな?」


飛那世「おっ、いいんじゃない?」


永遠「行きます!」


永遠「えー、こほん。」


永遠「我が名は永遠、お兄ちゃんの彼女兼

妹兼ストーカー兼お嫁さんだよっ!!」


ブリザード「…。」


飛那世「わぁぉ…」


優来「…はぁ。」


凍歌「…あれ、言ってることほんとなの?」


優来「違う違う、全部嘘だから、

真に受けなくていいから…」


凍歌「えぇ?妹ってのも?」


優来「うん。」


凍歌「えぇ、そうなんだ…!」


凍歌「じゃ、ストーカーってのも?」


優来「それは…本当かもしれない。」


凍歌「あ、そなんだ。」


永遠「ちなみに、お腹にはお兄ちゃんの子が!」


ブリザード「居ない居ない。」


影浦「ブリザード…お前…そんな奴

だったのか…!お前は違うと思ってたのに…!」


ブリザード「…違います、落ち着いてください。」


影浦「なーんだ、違うなら先言ってくれよ。」


ブリザード「…。」


この人が1番チョロいのかもしれない…。


永遠「ま、とにかくですね、私が言いたい

ことは一つです…。」


永遠「誰にもお兄ちゃんは渡さないし

お兄ちゃんは私の物だからねっ!!!」


ブリザード「…。」


言葉の中に永遠の強い意志を感じた…


元気なのはいいことだ…


だが…


ブリザード「俺は永遠の所有物になった

覚えはない…。」


永遠「えー?お兄ちゃんは私の所有物に

なりたくないのー?」


ブリザード「…。」


頷いた。


永遠「ぶぇーっ!?そんなー!?」


華途葉「…諦めなさい。」


永遠「そんなー…」


凍歌「それじゃあ、そろそろ私が

行ってもいいかな?」


飛那世「いよっ、任せました!」


凍歌「それじゃ、行きます!」


凍歌「私は柳凍歌…皆のことはよく知らない、

けど、皆と同じ所を目指してる、だから

皆に頼られるように頑張るね!」


優来「うん、よろしく…」


影浦「いいじゃないか、かっこいいぞ!」


凍歌「そうですか?ありがとうございます!」


ブリザード「…。」


櫻「じゃあ、次は私が行ってもいいかな?」


飛那世「行っちゃってください!」


櫻「私は柿平櫻、ここの生徒会長を

やらせてもらってます、3年です、

これから…」


櫻さんはいつも心強くて頼りになる

心の強い人でいい先輩なんだが…


櫻「よろしくおねがいしまゅっ…」


櫻「…噛んだっ!」


櫻「…!///」


…見ての通り度を超えたレベルのドジだ…


飛那世「あははっ、何やってるんすか…」


櫻「くぅっ…恥ずかしい…」


飛那世「じゃ、次は…一応先生やっときます?」


影浦「一応ってなんだよ、扱い雑だな…」


影浦「ま、やるけどさ…」


影浦「俺は影浦義人、2_Bの担任で

ここの顧問をやらせてもらっています、

これからよろしくお願いします。」


飛那世「…なんか普通ですね。」


影浦「んなっ!?」


ブリザード「…俺はいいと思います。」


影浦「フフッ、だろ…?やっぱ

ブリザードは分かってるな…!」


この人と櫻さんのどっちがチョロいんだろうか…


飛那世「じゃ、次順番的に私ですか?」


永遠「おおっ、行っちゃえ!」


飛那世「私の名は沼田飛那世、この混沌とした

世界に突如として現れたインターネットアイドル…

ではなくスーパー美少女です!」


華途葉「…ねぇアンタ、それボケてる

つもりなの?」


飛那世「おいそこ、そんなにうるさいと

今日の晩御飯に並べますよ!」


華途葉「…やめなさい。」


櫻「あの子はね、ああ言う子なの。」


凍歌「へぇ…」


飛那世「おいこらそこのお嬢さん、

せっかくの新入生に変なこと吹き込んでると

肉じゃがにしますよー?」


櫻「ビーフシチューがいい!」


飛那世「あなた牛だったんですか!?」


櫻「うん!」


ブリザード「…牛平櫻…」


櫻「私はいつからそんな名前に!?」


華途葉「…ついてけない。」


優来「…分かる。」


華途葉「…アンタとは気が合いそう。」


優来「…私もそんな気がする。」


櫻「それに、私が言ってるの

事実でしょー?」


飛那世「むぅ…!これでもクラスでは

優等生演じてるつもりなんですよ…!」


華途葉「えぇ!!あの飛那世が!?」


優来「以外ね。」


櫻「そうなの…?」


永遠「嘘くさいなー。」


神野「嘘ね。」


ブリザード「ありえん…。」


飛那世「ちょっとー!みんなして

酷いんですけどー!」


凍歌「あはは…仲がいいんだね。」


飛那世「凍歌さんもちょっと引いてますよー!」


神野「アンタのせいでしょうが。」


飛那世「ぐぅ…くうっ…」


神野「それはそうと、次は私?」


飛那世「えぇ、どうぞ…」


神野「私は2年の神野…他に何か

言うことある?」


櫻「神野さんはね、不思議ちゃんなんだよ…」


凍歌「へ、へぇ…」


櫻さんが言っていた通り神野さんは

不思議な人だ…。


突然消えて突然現れる、神出鬼没名人だ。


それはそうとさっきから凍歌が

ドン引きしてることに誰か気づいてくれ…


神野「私が不思議ちゃんねぇ、

そうなのかしら…」


優来「でも、実際神野さんはかなりの

不思議ちゃんだと思うよ…」


永遠「確かに突然現れて気づいたらそこに

いるもんね…心霊現象みたい。」


神野「心霊現象って…他に例えないの?」


神野「…。」


神野「…ばぁ。」


ブリザード「…。」


神野「…。」


ベチッ


ブリザード「何故…」


永遠「でも猫っぽくもあるかも、気まぐれだし

気づいたら現れてまた消えるし…」


神野「…」


神野「にゃぁ…」


ブリザード「…。」


神野「…。」


ベチッ


ブリザード「…またか。」


永遠「そう言う物だと思って、

受け入れるしかないよ。」


ブリザード「…分かった。」


飛那世「もう皆やりましたし、お次は〜」


飛那世「…じぃ〜っ。」


ブリザード「…?」


飛那世、何故こっちを見ている…?


…こっちには何も無いが、何故だ…?


優来「次、ブリザードの番だよ…!」


ブリザード「え…」


ブリザード「いいよ、俺は…。」


飛那世「えー?先輩以外はもうやりましたよー?

やらないんですかー…?」


ブリザード「別に、いい…。」


凍歌「まぁ、そう仰らずに、ね…?」


凍歌「ほら、これ…」


そう言って凍歌は俺にマシュマロを

差し出してきた。


永遠「あははは、まさかそんなので僕の!

お兄ちゃんが!応じるわけが…」


ブリザード「うまい。」


永遠「えーっ!?」


優来「ブリザードって甘党なのよね…

それもかなりの…」


永遠「えー、そうなら先に言ってよー!」


優来「特に、グミとマシュマロが

好きらしいわ。」


永遠「ぐへぇー…勉強になります…」


永遠「でも…なんで…」


永遠「何で僕の知らないお兄ちゃんがいるの?

僕だけのお兄ちゃんなのに、僕の知らない

お兄ちゃんを僕以外の人に見せないでよ、

僕だけのお兄ちゃんなのに…なんで…」


永遠「なんでなんでなんでなんでなんでなんで

なんでなんでなんでなんでなんでなん…」


櫻「だーっ!ストーップ!」


永遠「ん?櫻さんどうかした?」


櫻「永遠、気持ちはわかるけど落ち着いて…」


永遠「僕は最初っから落ち着いてるよ。」


櫻「えぇ…」


永遠「それはそうと…僕のお兄ちゃんなのに

なんで人からもらったマシュマロで嬉しそうな

顔して食べてるの、なんで僕だけの物に

ならないの、あと…」


永遠「…。」


永遠「…むー。」


永遠「思いつかない!」


櫻「えぇ…」


永遠「櫻さん、何かない…?」


櫻「何もないよ!」


永遠「ほんと?何かはない?」


櫻「ないよ…」


櫻「…。」


櫻「私のことだけを見て、私のことだけを

考えて、私以外のこと見たら…なんて…」


凍歌「…うわぁ。」


神野「あなた…そんな子だったのね。」


華途葉「…アンタもそっち側だったのね…」


永遠「勉強になります!」


ブリザード「…怖い。」


飛那世「…。」パチパチ


櫻「…私、やった?」


櫻「…。」


櫻「うわぁぁぁぁん!!」


ダッ


恥ずかしいよぉぉぉ!?


優来「櫻さぁぁぁん!?」


永遠「風のように去っていった…」


ブリザード「じゃあ、俺もこれで…」


飛那世「ストぉぉぉっプ!!」


ブリザード「…げ。」


飛那世「だめですから、逃しませんよ!」


凍歌「そうだそうだー!ぶーぶー!」


飛那世「それでは、先輩!どうぞ!」


ブリザード「…。」


ブリザード「行かなきゃ駄目?」


凍歌「だめ!」


永遠「お兄ちゃん、頑張ってー。」


ブリザード「…。」


ブリザード「えっと…」


ブリザード「…俺はブリザード…。」


ブリザード「…。」


ブリザード「よろしく頼む。」


優来「…。」


神野「…。」


ブリザード「…終わり。」


飛那世「コラッ!終わらすなぁ!」


ブリザード「駄目か?」


飛那世「だーめっ!!」


凍歌「そーだ!やっちゃえー!」


優来「…何を?」


影浦「凍歌、この部はどうだ…?

楽しいか?」


凍歌「うーん…」


凍歌「変なひとばっかだし…」


永遠「ぎくっ。」


飛那世「…。」


飛那世「じー…」


神野「え?私も?」


凍歌「だから結局…」


凍歌「入る部間違えたかも…」


華途葉「…」


優来「…。」


影浦「…はぁ。」


ブリザード「…。」


凍歌「何でみんなそんな顔するの…」


ブリザード「いや、後ろ。」


凍歌「…え?」


櫻「あ…あ…」


凍歌「…あ。」


その後、涙目になっていた櫻さんを励ますのに

30分かかった…。


ーー


そして、歓迎会を終えて皆が帰路につき

帰っていった…


かに思えたが戻り、真の歓迎会が

幕を開けることとなった…。



優来「よし、みんな来たわね。」


場所は部室から学校の屋上に変わり

それぞれが集結した…。


櫻「みんな、真冬の会の裏歓迎会へ

ようこそ…」


凍歌「裏歓迎会?あれ、そういえば

先生は…?」


華途葉「もう帰ったよ、あの人はうちの部の

本当の内容を知らないからね。」


凍歌「…そう。」


ブリザード「これから、うちの部の活動内容と

計画、その他諸々について話す…」


優来「それじゃブリザード、お願い。」


ブリザード「…あぁ。」


ブリザード「…まず、知っての通りこの部は

表向きはゲーム、漫画同好会と言うことに

なっているが、実際は…」


ブリザード「犯罪組織を破滅させることで

報酬金を得る、言わば闇の組織だ…。」


凍歌「…。」


ブリザード「そして、俺達の終着点は…」


ブリザード「神吹を葬ることだ。」


永遠「…。」


俺達は元々全域が別々の場所に住んでいて

全く違う暮らしをしていた…。


だが、ここにいる全員が神吹の手により

なにもかもを失った…。


ここに居る全員は同じ目標、同じゴールを

目指している…。


神吹に復讐すること…理由は違えど我々

全員が同じ目的のため、協力してこの計画を

完遂させるためにここにいる…。


ブリザード「俺達は神吹による被害をこれ以上

増やさないため、行動を起こす必要がある…。」


ブリザード「そのために必要な物が沢山ある、

それを得るために犯罪組織を潰して

計画を進めるんだ…。」


ブリザード「ここに立つ理由はそれぞれ

違うが同じ志を持っている。」


ブリザード「改めて、入部おめでとう…。」


飛那世「…はい!」


永遠「僕、頑張るよ!」


各々がそれぞれの決意を胸に抱き

戦いの幕は開け始めている…


その先の、希望を見つけるために…。


優来「ねぇ凍歌、そういえばさっきから

気になってたことがあるんだけど…」


凍歌「優来、どうしたの?」


優来「パーティの時からさ、少し悲しそうな

顔をしてたのが気になって…気のせいだったら

いいんだけど…。」


凍歌「うん、えっとね…」


凍歌「私達みたいに人を殺して生きてるような

人達がこんなのうのうとパーティなんて

してていいのかなって…。」


優来「仕方ないんだよ、だって…」


ブリザード「悪に染まらなきゃろくに生きても

いけないような世界だからな。」


優来「ブリザード…。」


ブリザード「凍歌、分かるだろう?この世界が

いかに冷酷で悲しいものか…。」


凍歌「…だよね。」


ブリザード「…俺達には今この瞬間を生きて

いられることに感謝して生き

続けるしかない…。」


ブリザード「それが俺達にできる唯一の

償いだから。」


優来「ブリザード…確かに、そうね。」


永遠「そうそう、楽しまなきゃ損だよ!」


凍歌「…永遠ちゃん。」


永遠「楽しんでおけるうちに楽しんで

おくのが1番なんだよ、人生なんて

そんなものでしょ?」


凍歌「…そうだね、確かに。」


永遠「えへへ、でしょ?」


飛那世「…」


飛那世「ねぇ、華途葉…?」


華途葉「何…?」


飛那世「私達さ、これからどうなるんだろうね…」


華途葉「それは、この先の未来の私達に

任せましょう…。」


飛那世「えぇ、ですね…。」


櫻「…私さ、たまにここにいる理由が

分からなくなるんだ…」


神野「そうなの…?」


櫻「うん、私って他のみんなに比べると

ここに来た理由が軽いからさ、ここにいる

価値があるのか分からなくてさ…」


神野「…。」


櫻「でも、そんな時に思うんだ…」


櫻「そう言うのに重さとか関係なくて

やられたかやられてないかなんじゃないかって…」


神野「…確かにそうね。」


神野「…私も、頑張らなくちゃね…。」


神野「…。」


神野「どうすればいいのかしら。」


櫻「…何が?」


神野「ううん、なんでもない。」


櫻「…そう?」


それぞれがそれぞれの想いを抱き

次へ進むために準備を進めた…


希望の未来のため…

そして自らの復讐を叶えるため…。


今、時計の針が動かんとしていた…。


ーー


ブリザード「…」


…眠い。


眠らんとしていた体を死ぬ気で叩き起して、

なんとか起きることができた…


凍歌「ん?あ、ブリザード、おはよー!」


ブリザード「…おはよう。」


凍歌はなんでこんなに元気なんだ、若いな…。


凍歌「あ、そうだ!これ一緒に食べる?」


そう言って凍歌は俺にグミを差し出してきた…


…凍歌は分かっているな。


ブリザード「あぁ…。」


凍歌「…これ、好きなんだ。」


ブリザード「何で分かるんだ?」


凍歌「だって、すごい美味しそうに

食べてるんだもん。」


ブリザード「…そ、そうか?」


…恥ずかしい所を見られて

しまったのかもしれない…。


ブリザード「そう言えば凍歌は何で

真冬の会に入ったんだ…?」


凍歌「私が真冬の会に入った理由?

ふふ、それはね…」


凍歌「私、昔は5人グループで仲良く

やってたんだけど神吹のせいでその人達と

一緒に居られなくなったんだ…。」


ブリザード「5人組…?」


凍歌「そう、それでね、私の家が神吹に

破産させられちゃって、そこから大変だったの。」


ブリザード「…何があった?」


凍歌「殺しで生計を立ててたんだ、でも

人身売買されかけちゃって、ほんと、

死ぬかと思ったよ…。」


ブリザード「…大変だったんだな…。」


凍歌「ほんと、やんなっちゃうよ。」


凍歌「でも、今はこうしてブリザードや皆と

出会えたから、運だけはいいのかもね…」


ブリザード「…。」


凍歌「今まで殺しは一人でしか出来なかったし

楽しみなんだ、皆で殺しをするのがさ…」


凍歌「ほんとは殺しなんてだめなんだけどさ…

それは分かってるよ…」


凍歌「でも、私にとって殺しは生きていく

道標だったからさ…。」


凍歌「実際のところ、私には殺ししか

ないんだよね…。」


ブリザード「…俺は。」


ブリザード「俺は、そんなことないと思う…」


凍歌「…えっ?」


ブリザード「凍歌は人当たりもいいし、

しっかりしてると思う…。」


凍歌「そっ、そかな…///」


凍歌「…えへへ///」


ブリザード「…なんて言うのは、

俺らしくないか…。」


ブリザード「…?凍歌、顔が赤くなってる…

大丈夫か…?」


凍歌「あっ、えっ、わっ、私は大丈夫だから

…えっと…とにかく、心配しないで…」


ブリザード「そうか、ならよかった…。」


凍歌「…もう、ブリザードのバカ…」


ブリザード「…何か言ったか…?」


凍歌「むぅ…なんでもない…。」


ブリザード「…そうか。」


凍歌、大丈夫だろうか…?少し心配だ…。


ブリザード「…凍歌、無茶はするなよ…?」


凍歌「分かってるよ、もう…」


凍歌「そろそろ、学校だよ…」


ブリザード「…そうだな、行こう…。」


凍歌「そう言えば、今日はあのやかましい

子達は一緒じゃないの…?」


ブリザード「心当たりが多すぎて誰か分からんが

俺達は基本的に自動的に合流しない限り

一緒にはならない。」


ブリザード「それに、今日はいつもより

早く家を出たからどうせ誰も来な…」


ダッダッダッ!


凍歌「…ん?」


お゙に゙い゙ぢゃ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ん゙!!


ブリザード「…はぁ。」


凍歌「あはは…結局変わらなかったんだね…」


ブリザード「やっぱり、こうなるのか…」


ーー


…昼休み、俺はあてもなく校舎を

ぶらついていた…。


ブリザード「…ん?あれは…」


モブ1「ねぇねぇそこの君ー…」


モブ2「今から少し遊んでいかない?

ちょっとだけだし、いいでしょ…?」


飛那世「…。」


昼休み中にナンパとは呆れた物だ、

飛那世なら大丈夫だろうが、一応

助けに行ってやろうか…。


飛那世「…ハァ。」


モブ1「ほんとに少しだけだから…

いいでしょ?」


モブ2「どうせ連れもいないんだしさぁ、

いいよね…?」


そう思っていたのも束の間だった。


飛那世「…口を開かせておけば笑えもしない

雑言ばかり…」


飛那世「愚骨風情が、調子に乗るな…」


飛那世は黒いオーラを身にまとい、

場を圧倒している…。


モブ1「…えっ?」


飛那世「貴様らのような恥晒しには

ゴミ溜めで埋もれて不様に事切れるのが

お似合いだろう…?」


モブ2「…何言って…」


飛那世「私は当然のことを言ったまでだ、

貴様らのような無能なクズ共には

クソの中が相応しい…」


飛那世「…まぁ、お前たちでも分かるように

言うとするならば…」


飛那世「とっとと失せろや気持ち悪い

チンパンジーどもが…」


そう吐き捨てて飛那世は去っていった。


そして…俺の元へ一直線で向かってきた。


飛那世「せんぱーい!!」


ブリザード「…。」


ヒュッ


俺は華麗に避けることにした…


ドデッ


飛那世「ぐぇっ!?」


飛那世「もー!先輩避けないでくださいよー!」


ブリザード「…悪かったな。」


飛那世「ほんとに思ってるんですかー!?

もー…。」


飛那世「それより一緒にお弁当食べませんかー?」


ブリザード「…え、あぁ…。」


飛那世「先輩のお昼ご飯何ですかー?」


ブリザード「え?購買だけど…」


飛那世「え?栄誉ないですよー?」


ブリザード「別に、いいだろ…。」


飛那世「あー、そう言えば華途葉に作った

お弁当が1個余ってたような気がするなー?

どーしよっかなー?私が食べよっかなー?」


飛那世「…じぃ〜。」


ブリザード「同じ学年だし、永遠と

一緒に食ったら?」


…何か怖かったので逃げることにした…。


飛那世「いや、何をどうすればそうなるんですか、

そこは普通食べるでしょ…って…」


飛那世「こら!逃げるな!」


ブリザード「…げ。」


飛那世「げじゃない!」


ブリザード「…俺は、いいよ…。」


飛那世「ダメです!私が先輩と一緒に

食べたいんですよ!!」


…なら、最初からそう言っとけや…。


それだから舐められるんだ…


飛那世「ねぇ先輩、今、失礼なこと

考えてませんでしたか…?」


ブリザード「…何も。」


飛那世「怪しいな…」


ブリザード「俺は潔白だ…。」


飛那世「…ほんとにー?」


ブリザード「…。」


飛那世「ま、いいや、それより早く

食べちゃいましょう。」


ブリザード「あぁ…。」


飛那世「はい、これが先輩の分です!」


ブリザード「…。」


飛那世「そういや気になってたんですけど、

先輩って神吹を倒したら何するつもり

なんですか…?」


ブリザード「…決めてない。」


ブリザード「けど…」


ブリザード「この稼業からは足を洗うつもりだ。」


飛那世「はえー、そうなんですか!」


飛那世「で、何するんですか?」


ブリザード「…決めてない。」


飛那世「…そうでしたね。」


飛那世「でも、できる内に考えておいた

方がいいですよ…」


ブリザード「…そう言う飛那世は?」


飛那世「…パス!」


ブリザード「考えてないんだな。」


飛那世「だーっ!何でそれを言うんですかー!」


ブリザード「悪いか?」


飛那世「悪いに決まってますー!

それ早く食べてくださいー!」


ブリザード「あ、あぁ…。」


飛那世「むぅ…全く、手間がかかる…。」


ちなみに、飛那世が作った弁当は

普通に上手かった…


あと何故か飛那世が華途葉に怒られてた…。


…飛那世、華途葉のために作った弁当俺に

渡してたのか…そりゃ怒るわ。


…でもそれでなんで俺に怒らないんだろう、

それだけが分からなかった…。


ーー


そして、授業を全て終えて俺は新学期最初の

真冬の会に向かおうとしていた…が。


神野「…!」


猫「シャー…!!」


神野さんと猫が睨み合っていた…


ブリザード「ハァ、何やってんだ…」


神野「…私のコロッケ返しなさい、それは

私の夜ご飯よ…!」


猫「シャー!」


…関わらないようにしよう、その方が

身のためだ、きっと…


ブリザード「…。」


神野「こらー!逃げるなぁ!」


ブリザード「…。」


ブリザード「え?俺…?」


神野「それ以外ここに誰がいるのよー!」


ブリザード「…俺にできることは何も無い。」


神野「ないことないでしょ!なにか…

あるでしょ!なにかが!」


ブリザード「…つまり、ないと。」


ブリザード「じゃあ、俺はこれで…」


神野「こらぁ!!」


ブリザード「…俺に何をしろと?」


神野「あの猫からコロッケを取り返して!

あれは私の夜ご飯なの、あれがないと

私餓死するの!」


ブリザード「…死にはしないでしょ。」


神野「死ぬわよ!お腹空いて大変なことに

なるわよ…!」


ブリザード「…ん?猫…?」


ブリザード「居なくないか?」


神野「…え?」


見渡しても、そこにさっきまで居た猫は

居なかった…。


神野「…。」


神野「アンタのせいよ、」


ブリザード「え、俺…?」


神野「…私にコロッケ買いなさい…」


ブリザード「え?」


神野「買ってくれないなら…私、

何するか分からないけど…いい?」


ブリザード「…。」


危険な予感がしたので、俺は…


ブリザード「っ…!」


ダッ


神野「こらぁ!逃げんなぁ!!」


全力で逃げることにした。


神野「待てぇぇぇぇ!!」


ブリザード「うぉぉぉっ!」


櫻「…楽しそう、だね…」


途中、櫻さんが居た気がしたがもう

気にしてなかった…


ーー


櫻「ふぅ、生徒会の仕事も楽じゃないよ…」


神野「ハァ、ハァ…!」


櫻「あ、おはよう神野さん、神野さんも

今来たところ?」


神野「見りゃ分かるでしょ…!

あのアホを追ってきたんだから、疲れたわよ…」


櫻「…大変そうだね。」


神野「そんな他人事みたいに…」


櫻「だってそうだもん。」


神野「辛辣ね…」


櫻「ところで、みんな何してんのかな…」


櫻「さーて、行ってみよー。」


神野「…ハァ。」


ガラッ。


櫻「みんな、おはよ…」


すると、そこには…


永遠「凍歌ちゃん、ここは…?」


凍歌「えっと、ここはね…」


神野「…あれは?」


櫻「近いうちにテストあるみたいだし、

勉強会かな?」


神野「…待って?」


櫻「…ん?」


櫻「あ、そう言うことね…。」


ブリザード「凍歌、ここはどうしたらいい…」


神野「何でアンタが居んのよー!」


ブリザード「っ!」


永遠「あ!神野さん、おはよう!」


神野「…おはよう、所で…」


神野「アンタ何してんの…?」


ブリザード「…へ?」


櫻「ブリザードって成績悪くてさ、こないだも

結構ギリギリで焦ってたんだよ?」


神野「…その瞬間、見てみたかったわね…」


神野「じゃなくて!」


櫻「小刻みに震えてて可愛かったな〜。」


神野「えぇ、見たかった…。」


神野「じゃなくって!!」


櫻「…ん?後ろからなにやら殺気のような

ものを感じる…」


ゴゴゴゴゴ


ブリザード「…。」


櫻「あ、え…?」


永遠「わーい!お兄ちゃんやっちゃえー!」


櫻「あ、あはは…」


ブリザード「…おい?」


櫻「はっ!はいぃっ!?」


ブリザード「人の黒歴史を一方的に

晒す気分はどうだ?」


櫻「え、あ…その…」


ブリザード「そっちがその気ならこっちにも

考えがある…。」


櫻「…。」


ブリザード「櫻は2年前…ホラー映画でもらし…」


櫻「ぎゃー!ぎゃー!!」


櫻「それだけはやめてぇぇ!ごめんなさいぃ!!」


ブリザード「…はぁ。」


神野「…よく分からないわ、ここ…。」


神野「…コロッケ…。」


永遠「ねーねー、ここ分かんないー。」


凍歌「どこがわかんない?」


永遠「全部!」


凍歌「えぇっ!全部!?」


ブリザード「…あ、ごめん…紙

ちょっと破けた…。」


凍歌「えぇっ、ちょ、待ってよ…」


神野「凍歌、ワンオペで大変そうね…。」


櫻「あんな問題児達の対応をこんなに

早く対応できるようになるなんて

すごいよね…。」


凍歌「そ、そんなこと言ってないで

手伝って二人とも…」


神野「だって、行ってきたら?」


櫻「神野さんが言ってきたら?」


凍歌「いや、どっちもお願いします…」


神野「…いぇっさー…。」


ーー


凍歌「ふぅ…これで、数学は終わり…?」


櫻「そうみたいね。」


永遠「あとは、歴史で終わりだよ!」


櫻「あー、きつい…。」


神野「…もう一踏ん張りね。」


凍歌「…で、今日はスノープリズンの

辺りだっけか?」


永遠「あれってさー、氷河期と

何が違うのー?」


凍歌「…さぁ、あれに関しては分からないことの

方が多いし、分かんないよ…。」


櫻「その辺りなんだっけか…覚えてないかも。」


ブリザード「200年くらい前に隕石が落ちて

その影響で大吹雪が世界中に吹いて壊滅的な

被害をもたらした、って感じの奴だ。」


凍歌「なんだ、分かるんじゃん…。」


ブリザード「…歴史だけなら。」


櫻「あー、なんとなく思い出したかも…。」


櫻「でも、あんま覚えてないし、逆に

私が教えてもらおうかな…。」


凍歌「じゃ、そうしよう。」


凍歌「それで、スノープリズンが起きたことにより

農作物が取れなくなって飢餓が起きたんだ。」


凍歌「そんでもって地球上の土地の6割は

気温が低すぎて人が住めない死の大地と化した。」


永遠「はえー、恐ろしや…」


凍歌「それで、だいぶ人口も減ったんだよね。」


ブリザード「…あと、疫病が蔓延したり、

政府や法律が機能しなくなったことで

世界全体で略奪が横行した…。」


凍歌「だいたいそんな感じです!」


ガラッ


優来「みんな、勉強してるとこ悪いけど

少し来て。」


櫻「おっ、依頼?」


優来「そ、全員お願い!」


ブリザード「分かった。」


ーー


そして、依頼の交渉が始まる…


交渉の席に付いた飛那世は、神妙な

面持ちで依頼人と向き合う…。


城所「お願いします、奴らを皆殺しに

して欲しいんです、お願いします…!」


飛那世「まぁまぁ落ち着いて?で、いくら

出せるの?うちも商売なんでそれ相応の

額は貰いますよ。」


城所「…七十万。」


優来「あれが今日の依頼人。」


ブリザード「…。」


飛那世「話になりません、他を当たらせて

もらいます、かわりはいくらでも居るので…」


城所「そんな…困ります!」


飛那世「んならもっと出せってことです。」


飛那世「出せるもん出してくれないとこっちも

困るんですよ。」


城所「…!」


城所「百万、払います…!」


飛那世「それだけ?まだですよ、足りません…」


城所「分かった、130万出す、それでいいですか…」


飛那世「…まぁ、いいでしょう…。」


飛那世「みんな、これで大丈夫そう?」


華途葉「…問題ない。」


飛那世「取引、成功ですね。」


城所「…!ありがとうございます!」


飛那世「じゃ、今日の夜に早速やるから

準備しておいてね。」


優来「了解。」


ーー


凍歌「ね、今のは…?」


優来「交渉ってやつよ、飛那世は交渉が

上手くて、任せてみたけど正解みたいね。」


飛那世「もっと巻き上げられると

思ったんですがね…。」


凍歌「私がやってたのはスタイルが違うな…。」


飛那世「そうなんですか?これ以外に

スタイルってありますっけ?」


凍歌「私って、実は俗に言う強盗スタイルなの…」


飛那世「…えぇっ!?」


優来「は、はえぇ…」


飛那世「いやいや、今時強盗スタイルとか

ないでしょ…」


凍歌「あ、あはは…」


飛那世「凍歌さん、見かけによらず

ワイルドなんですね…」


凍歌「そうかなぁ…」


飛那世「私も一時やってましたよ?でも

あんなの難しいですよ…。」


凍歌「私にはあのやり方がやりやすくてさ、

このやり方はやったことないから、

緊張するんだよね…。」


優来「複数人ならこっちの方が楽だし、

すぐに慣れると思う…。」


凍歌「そうなの?ならいいけど…」


櫻「んで、今回からブリザードが前線に

出ないんだっけ?」


永遠「え゙ぇ゙っ゙!?」


優来「うん、永遠と飛那世に凍歌も来たし

ブリザードにはしばらく緊急時の戦力として

待機しててもらおうかなって。」


凍歌「ブリザードって、強いんだ…」


優来「えぇ、永遠や飛那世より強いわ。」


飛那世「てか、余裕でこの中で1番強いですよ!」


永遠「ここの全員が束になっても勝てないと

思う…お兄ちゃん…」


凍歌「えー、そんなになんだ…」


永遠「強いよ…僕のお兄ちゃんは…

あうぅ…」


凍歌「…この子どうしよう!」


華途葉「放っときなさい。」


凍歌「分かったー。」


凍歌「にしても、楽しみだな…ブリザードと

一緒に戦うのが…。」


飛那世「もう少しだから、待っててくださいね…」


華途葉「…何の話してるの?」


優来「ブリザードの話…」


華途葉「…ほーん?」


華途葉「とりあえず、これから今日の

戦いに向けて会議があるから

準備しててね。」


飛那世「りょーかいです!」


ブリザード「…。」


こうして、また会議が始まる、人を殺めるため

に話し合いが始まることとなった。


ーー


櫻「それじゃ、今回の任務に当たって

会議を始めます!」


永遠「はーい!」


ブリザード「…。」


華途葉「今回の敵は暗黒星龍、100年以上

前から存在してる暗殺業務などを請け負う

反社組織。」


凍歌「確か、昔は一時期無双状態に入るほど

強かったけど内部抗争が激化して規模が

縮小して弱くなったんでしょ?」


優来「うん、よく知ってるね、今は愛知の

虫煮知の辺りに本拠地があるよ。」


飛那世「際階市の辺りだよね、確か…」


櫻「うん、あそこの辺りは人もいないから

ドンパチしても問題ないよ。」


ブリザード「…派手に言っていいとさ。」


凍歌「そ、そんな物騒なことする人…」


永遠「わーい!やたー!」


飛那世「血祭りにあげましょう。」


凍歌「…居たね。」


神野「でも、あんまり弾を無駄遣いしない

ようにね?」


飛那世「善処します!」


永遠「なるべく頑張る!」


神野「…ほんとなの?あれは…」


凍歌「…あれは多分節度無くやるよ。」


神野「…やっぱそうなのね。」


櫻「あはは…大丈夫だよ、きっと…。」


神野「…大丈夫なの?」


ブリザード「…何故俺に聞く。」


神野「…面白そうだから?」


ブリザード「…そうなのか。」


俺ってそう言う物なのか…?


華途葉「そんで、まず本拠地に乗り込む手順

だけど飛那世が突っ込んで揺動、それでその隙に

優来が内部に突入、そして内部の偵察。」


華途葉「そして凍歌と私は優来の援護、

永遠が誰も隠れてないことを確認して

その後全員で入りましょう。」


華途葉「で、ボスの部屋は一番奥にあったから

そこを2手に別れて目指す、その後

合流してボスを始末する。」


華途葉「で、ボスの美奈津田だけど短気で

かつ無能で、その癖自分に甘いんだとか。」


飛那世「うわ、やだ…。」


櫻「その分仕留めやすくはあるけど、

何をしてくるのか分からないのが問題だね。」


神野「それに、最近動きがないのが

不気味ね…。」


飛那世「ま、大丈夫ですよ。」


飛那世「何故なら、私が先陣を切るからです!」


永遠「でも、確かに飛那世は強いからねー。」


永遠「まぁ、それでも僕のお兄ちゃんには

勝てないけどねっ!」


神野「そこ、威張る所なの…?」


飛那世「ども、恐縮です。」


飛那世「あぁあと、先輩は私の所有物です!」


永遠「…んだと?」


ブリザード「俺は誰の所有物でもない…」


華途葉「…え?」


優来「…は?」


櫻「な、何だってー!?」


ブリザード「…嘘だろお前ら。」


ブリザード「あと最後明らかにふざけてただろ。」


櫻「…テヘ。」


飛那世「とにかく、先陣をは私の所有物

なんですよー!」


ブリザード「…どうなったらそうなるんだ。」


永遠「なにおう…この腹黒サイコパスめぇ!」


飛那世「なんですよ、この

淫乱変態ブラコン娘めぇ!」


永遠「なんだと!あとそれは

設定もり過ぎじゃない?」


飛那世「むーっ…」


飛那世「むむーっ…」


華途葉「はーい、そこまで…」


永遠「ありゃ。」


飛那世「ぶえっ!?」


華途葉「…話逸れたけど、緊急時のために

ブリザードには入り口で待機しててもらうわ。」


ブリザード「分かった…。」


櫻「じゃ、出発時刻は6時だからよろしく!」


飛那世「りょーかいです!」


永遠「じゃ、みんな後でね!」


そして、それぞれ準備を進め

時間は過ぎていった…。


ーー


ブリザード「…持ってく武器はこんなもんで

いいかな…。」


永遠「お、お兄ちゃん槍なんて

持ってくの?」


ブリザード「飛那世が似たようなのを

持っていってたから真似してみた…。」


永遠「へー、でも持ち歩いてて大変じゃないの?」


ブリザード「…そこは自分でなんとかする。」


永遠「んー、僕は短剣とかの方が使いやすいし

持ちやすいからそっちの方使うことが

多いかな…。」


ブリザード「…そうだったか?」


永遠「…まぁ、尖ってた時期は大剣とか使って

みたりもしたよ?でも向いてないなーって。」


永遠「僕はやっぱり銃とかの方がやりやすいし

殺せるからこっちの方がいいなーって。」


ブリザード「…やけに真面目だな。」


永遠「なんだとー?僕が真面目じゃないって

言いたいのー?」


ブリザード「…そんな真面目ってキャラ

じゃないだろ、永遠は…。」


永遠「えーっ、そなのー!?」


ブリザード「…永遠って…真面目とは

程遠いと思うのだが…。」


永遠「お、お兄ちゃん…そんな風に

思ってたのか…」


ブリザード「…え?あぁ…。」


永遠「ぶぇー!国語1のくせに生意気だぞー!」


ブリザード「…本当だから何も言えない。」


永遠「むー、僕はただ、お兄ちゃんと

キャッキャウフフしたいだけなのにー!」


ブリザード「…そんな言い方普通しないだろ。」


永遠「えー!しないのー!?」


ブリザード「…その反応さっきも見たよ…。」


永遠「僕はさー、こんなにもお兄ちゃんに

愛を伝えているのになんでそんなに

冷たいのさー!」


ブリザード「…。」


永遠「分かった、そっちがそうならこっちにも

考えってのがある…!」


ブリザード「…待て、何をする気だ?」


永遠「お兄ちゃんを襲ってやるー!」


ブリザード「え、えぇっ…」


どうしよう、逃げるか…?


あ、そうだ…。


ブリザード「あー、飛那世が全裸で踊ってるー。」


永遠「えーっ!?どこ!?」


ブリザード「ほら、あそこ…」


永遠「え?あそこ!?え…いないじゃん…あれ?」


ブリザード「…!」


ダッ


永遠「逃げるなぁぁぁぁ!!こらぁぁ!!」


飛那世「先輩後で覚悟しろよクソが…。」


ブリザード「…え、飛那世…?」


…もしかしたら、俺は終わったのかもしれない。


結局俺はそのまま任務につくことになった。


ーー


そして一行は移動し、

基地に到着した。


神野「ここが奴らの基地みたいね。」


永遠「飛那世、行ってきちゃって!」


飛那世「言われなくともやってやりますさ!」


任務において先陣を切り突破する者は

最も重要と言われ、任務の全てを担うとも

言われている。


故に、この役割は最も強い者が選ばれることが

多い、だが…


飛那世にもそれが容易に出来るほどの

力量がある…。


飛那世「さーて…。」


ささやかな風が吹き、戦いの幕が上がる…。


飛那世「行くか。」


バギュゥン!


ガッシャーン!


敵兵「っ、何だ!」


飛那世「死ねっ!!」


バギュン!


敵兵「がぁっ!?」


バギュンバギュンバギュウン!


飛那世「ヘハハハァ!くたばれェッ!」


先陣を切る時の飛那世はまさに戦神のごとき。

疾風をも切る速さで敵を撃ち殺し戦場に

破滅をもたらす…。


まさに狂戦神(バーサーカー)…。


飛那世に撃ち抜かれた者の血や臟が辺りに

飛び散り、血祭りが始まった…。


敵兵「くそっ、化物め…!」


バギュン!


バガァン!


敵兵「ぐはぁっ!」


優来「そこっ!」


ダッ…!


敵兵「行かせるかっ!」


バギュゥ


凍歌「ふっ!」


バギュン!


敵兵「ぎゃぁっ!?」


バタッ


凍歌「こうやって、敵がこっちの方に注意を

向けてない時に撃てばいいんだねっ!」


ピピピピ


凍歌「ん…通信?」


優来「こちら潜入完了!」


飛那世「こっちはもう終わる、そこで

待機して!」


優来「分かった!」


華途葉「っ、殲滅完了?」


永遠「うん…居ないね、にしても、こんな

大人数だとすぐ終わるね。」


敵兵「応答…せよ…こち…ら…死傷者…多数…

敵勢力は…少人数ながら強大…増援を…」


ドガァン!


敵兵「…」


櫻「…増援が来るみたいね、気をつけましょう!」


グシャアッ!


櫻「っ、脳みそ踏んだ…靴滑ったらどうしよ…」


永遠「あちゃー、ついてないね…

時間があったら拭こう。」


櫻「うん、そうする…」


神野「そこ、駄弁ってないで早く行くよ!」


永遠「はーい!」


ーー


優来「お、全員来たわね。」


優来「ここからは2手に別れて進む、

みんな無事でいて!」


凍歌「おっけ!」


凍歌「っ、敵がいる…?」


敵兵「…いや、大変なことになったな。」


敵兵「こっちはボスに米抜かれて大変なのに、

はた迷惑な話だ…。」


敵兵「でも相手はガキだし少人数だ、訓練を

積んだ俺達の敵じゃない…」


敵兵「なぁ…そうだろ…」


グシャァッ


敵兵「…え?」


凍歌「さよなら。」


ーー


凍歌「ふぅ、こっちも案外楽しいね。」


神野「凍歌…遊びじゃないのよ?」


凍歌「すいません、でも、つい楽しくて…」


華途葉「…はぁ、そんなに楽しいの…?」


凍歌「はい!楽しいです!」


華途葉「…アンタも中々の戦闘狂ね…」


華途葉「…あれ?あのブラコン娘は?」


神野「あー、あの子なら先に行って今頃

敵を全員撃ち殺してると思うわよ。」


凍歌「はえぇ…たくましいな。」


華途葉「アンタも大概だけどね。」


凍歌「恐縮です!」


華途葉「…はぁ。」


ゔぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙っ゙!!


お゙に゙い゙ぢゃ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ん゙!!


神野「…ま、そゆことね。」


凍歌「ですね…。」


華途葉「…ブラコンね。」


華途葉「にしてもブリザードがいないのが

よっぽど不満なのね。」


神野「そう言う華途葉だって出撃の前

ブリザードが前線に出ないってゴネてた

じゃない…。」


華途葉「ぐ…うるさいっ!」


凍歌「でも、永遠のおかげでもう敵は全員

死んだんじゃない?」


神野「ほんとみたい、行きましょ!」


凍歌「あ、おーい!永遠ー!」


永遠「あ、凍歌さん、よく来たねっ!」


永遠「こいつら全員ぶっ殺しといたよ!」


神野「助かるわ、ありがとう。」


永遠「フッフッフッ、礼には及びませんよ。」


華途葉「っ、待って、誰か来るわ!」


凍歌「っ、誰!」


幹部「よう、ガキども…」


幹部「よくも俺の部下をやってくれたな…?」


幹部「まぁいい、じきにお前は死ぬ。」


幹部「俺の名はが…っ!」


シュゥゥッ


永遠「くどい。」


グチャァ


永遠「こっちは、お兄ちゃんが、いなくて、

ストレスが、溜まってんのに、ふざけやがって!」


ベチャァ


永遠「ふぅ、こんなもんでいいかな。」


華途葉「…何してんの?」


永遠「うーん?八つ当たりかな。」


華途葉「…そう。」


神野「さ、もう行きましょう。」


凍歌「はーい!」


ーー


飛那世「ッハハハハァ!死ねェッ!」


ドガァンドガァンドガァン!


うわぁぁぁぁ!!


優来「今日も飛ばしてるね。」


櫻「もうあの子だけでもいいんじゃないかな?」


優来「…そうかも。」


優来「じゃ、帰る?」


櫻「そうしようか。」


飛那世「いや、なんですか…」


優来「…えぇ、分かってるわ、分かってる…

だから、行きましょう…」


飛那世「…?」


櫻「こう言うノリだから、気にしないで。」


飛那世「は、はぁ…」


ジャギィン


飛那世「…誰?」


幹部「…!」


櫻「何こいつ、外国人…?」


優来「でかい、美奈津田はこんな大男も

従えているのね…!」


飛那世「関係ない、死ね…!」


幹部「ー!」


バギュン


優来「遅いっ!」


ダッ!


飛那世「虫けらが、終わらせてやる!」


幹部「ー!」


飛那世「うらぁっ!!」


飛那世は鞘から槍を取り出し、

幹部の喉元に突き刺した…


ザシュッ!


幹部「…!」


飛那世「うぉらぁっ!」


ブシャァァッ!


幹部「…」


バタッ


飛那世「っし、死んだ、行くぞ!」


優来「えぇ!」


ダッ…


ーー


敵兵「ご報告いたします…!」


美奈津田「なんや、ボンクラ…」


敵兵「こちらの戦力がほぼ全滅しました、

増援を…!」


美奈津田「使えんやつやな、

そんなこと分かっとるわ、アホ…」


凍歌「…居るみたい、もう行く?」


櫻「うん、行こう!」


凍歌「じゃ、行くよっ!」


ビリッ


凍歌「いった!」


華途葉「…何やってんの?」


凍歌「静電気食らった!」


優来「じゃ、私が行くよ…!」


ガラアッ!


美奈津田「…来たんか。」


美奈津田「こんにちは、お馬鹿さん達…」


優来「いきなりで悪いけどアンタには

消えてもらわ。」


美奈津田「ガキ風情が、野蛮やな…」


永遠「っ!」


ガチャッ


美奈津田「まぁそう慌てるなや、

これでも出してからや。」


すると…


ウィィン…


床から縦にレーザーが放出された…


美奈津田「こっちにはこっちのやり方が

あるんや、従ってもらうぞ。」


飛那世(だが、この手のレーザーは

床の動力装置を破壊すれば…!)


ベキィン!


飛那世「銃弾が弾かれた…?」


永遠「な…っ!?」


飛那世(この手の装置は普通弾丸を弾ける

ほどの耐久性はない、ましてやこいつらが

こんな物を用意することは不可能だ…)


飛那世(…どうなってる、まさか奴は

私達がここまで来ることを知っていた…?)


飛那世(ありえない、どうやってこんなの

用意したんだ…)


美奈津田「残念だがな、そんな簡単に

いくなんて思わんことや…。」


神野「く…!」


凍歌「でも、隙間から撃てばっ!」


バァンッ!


美奈津田「そんなクソ弾当たるとでも?」


永遠「そこっ!」


バギュン!


美奈津田「っ、ぶないな…」


飛那世「そこッ!!」


バギュゥン!


美奈津田「が…ぐぅっ!」


優来「っ、やった?」


美奈津田「…」


美奈津田「ハァ。」


永遠「っ、生きてる…!」


凍歌「防弾チョッキか、うかつだった…」


美奈津田「これで終いや。」


そう言うと、レーザーがこちらに

迫ってきた…!


優来「な…っ!?」


凍歌「っ、開かない!」


神野「はぁっ!?」


華途葉「そんな…っ、ぐっ、開きなさいよ、

クソが、畜生っ!」


神野「アンタ…どう言うこと…!」


美奈津田「死ぬときゃみんな死ぬ。

例外はなしや、それが誰でもな、

分かるやろ…?」


優来「っ…ブリザード…助けて…!」


永遠「くそ、どうすれば…!」


華途葉「くそ、クソっ、開きなさいよ、

このっ!!」


華途葉「嫌よ、こんなとこで死ぬなんて、

凍歌、アンタも何か言いなさいよ…!」


凍歌「…大丈夫、私達は死なないよ…」


華途葉「…は?」


凍歌「分かるよ、なんでかは分からないけど…」


櫻「…大丈夫、ブリザードが助けに

来てくれるよ…!」


美奈津田「助けなら来ないぞ、増援が

来るからな…」


美奈津田「っフフ…ハハハハハ!」


飛那世「…。」


ーー


プルルルル…


ブリザード「飛那世か、どうした?」


飛那世「まずいことになった、至急だ、

閉じ込められた、このままだとレーザーに

焼かれて死ぬ。」


飛那世「銃弾を動力装置に撃ってみたが

効かなかった…。」


ブリザード「…何?」


ブリザード「要は、この施設のブレーカーを

破壊して動力を落とせばいいんだな?」


飛那世「あぁ、あれは電力で稼働してるから

ブレーカーを落とせば機能停止する、それに

ブレーカーが落ちれば扉も開くはずだ。」


ブリザード「…レーザーはあと何分で

そっちまでたどり着く…?」


飛那世「かなり遅いし美奈津田の様子を見ても

外部からのコントロールは不可能、だから

早くても5分はかかるだろう。」


ブリザード「分かった、至急向かう。」


飛那世「でも気を付けて、この組織恐らく

神吹が噛んでる…。」


ブリザード「それは本当か?」


飛那世「うん、間違いない…。」


ブリザード「あぁ、頭に入れておく。」


飛那世「任せるよ…」


飛那世「…あと、そろそろ増援が来るみたい、

そつちにも気を付けて…!」


ブリザード「…あぁ。」


飛那世「じゃ、切るよ。」


ブリザード「あぁ。」


ピッ。


ブリザード「…。」


こう言うことは前にも何回かあった、もう

慣れている…。


だが、焦りがない、だからこそ…


ブリザード「…。」


ブリザード「美奈津田、お前に教えてやろう…」


ブリザード「お前は自分自らの手で

命を断つことなったんだ…。」


ブリザード「…覚悟しろ。」


ダッ!


だが、妙だ…神吹がこの組織に噛んでいるだと?

なにかがおかしい…。


ブリザード「っ、敵だ!」


敵兵「敵を補足!撃ー!」


ドドドドドバァン!


ブリザード「チッ、戦車か…だが!」


バギュゥン!


ブリザード「俺にとっては戦車でも虫けらでも

変わらん…!!」


ブリザード「敵は50人か…なら!」


ダッ!


ジャギジャギジャギイン!


うわぁぁっ!!


ブリザード「貴様らごとき何人いようと同じ…!」


敵兵「くっ…化け物め…!!」


敵兵「うわぁぁぁぁっ!?」


バギュゥ


ブリザード「ふっ!」


バギュゥン!


敵兵「ぎゃぁぁぁっ!?」


敵兵「逃げろぉぉぉぉぉ!!」


ダッ!


ブリザード「電力室はこっちだ…!」


ブリザード「間に合うか…!」


ブリザード「っ!あった…!」


ブリザード「うぉぉっ!」


バギュゥン!!


ブリザード「行けぇぇぇっ!」


バギュゥン!


ドガァン!!


ブリザード「…ふぅ。」


バギュン!


ブリザード「っ!」


ブリザード「誰だ!」


幹部「…!」


幹部「おまえは…まさか、ブリザードか…」


ブリザード「おまえに用はない、失せろ…」


幹部「…お前はここで死ぬ…覚悟しろ!」


幹部「うぉぉぉっ!」


バギュン!


ブリザード「ふっ!」


ダッ!


幹部「チッ、逃げるなぁ!」


ブリザード「邪魔だ!」


バギュゥ!


幹部「がっ!!」


ブリザード「死ねっ…!」


バギュン!


ーー


美奈津田「…そろそろ、時間切れ

ですかねぇ…」


永遠「くそ…っ!」


優来「嫌…来ないで…!」


華途葉「くそっ、開けっ、開けぇっ!!」


凍歌「大丈夫、大丈夫だよ…」


神野「くそっ…どうして、こんなこと…!」


神野「やるなら私だけにして…お願い…!」


美奈津田「無理や、こっちは全員に

死んでもらわな困るんや。」


神野「っ…どうして…!」


櫻「こっちからでもあれをとめられないかな…!」


華途葉「嫌、嫌だ…!ブリザード…助けて…」


美奈津田「ハハハハハァ!死に晒せ

クソどもがぁっ!!」


ウィィン…


美奈津田「…な?」


神野「レーザーが、消えた…?」


優来「…まさか!」


飛那世「…成功ね。」


永遠「お兄ちゃん…!」


凍歌「…やっぱり、ヒーローは遅れて

やって来るんだね…。」


凍歌「あの頃と、変わってないな…。」


ガチャ…


バァンッ!


ドシュゥ…


美奈津田「が…っ?」


ブリザード「待たせてすまなかった、

もう大丈夫だ。」


櫻「っ!」


華途葉「ブリザード!」


永遠「お兄ちゃんっ!!」


優来「よかった、来てくれたのね!」


ブリザード「…さて、今こそ罪人を

裁こうじゃないか…」


美奈津田「…っ!」


ブリザード「我が審判を持って貴様を

滅する…。」


美奈津田「クソッ…化物めっ!」


ブリザード「これで終わりだ、外道め…」


パァン


美奈津田「…」


ブリザード「…。」


バタッ…。


ブリザード「…これで終わりか。」


飛那世「ですねっ!」


永遠「っ…ぐっ…」


永遠「すぅ…」


永遠「お゙に゙い゙ぢゃ゙ぁ゙ぁ゙ん゙!!」


華途葉「ブリザードっ!」


優来「怖かった…!」


ブリザード「えっ、ちょっ、待って…!」


凍歌「…あはは、人気だね…」


神野「…そうね。」


櫻「…混ざってこよっかな…?」


神野「…ダメ。」


櫻「ちぇー…。」


神野「あと、そっちもまだ任務中でしょ、

後にしてっ!」


神野「羨ましい…」ボソッ


永遠「んん?何か言った〜?」


神野「い、言ってないわよ…」


永遠「ほんとかな…?」


神野「ぐ…むむ…!」


ブリザード「…呑気だな。」


凍歌「ブリザード、変わってないな、ほんとに…」


凍歌「やっぱり、いつでもブリザードは

皆のヒーローなんだ…。」


凍歌「優来も、ブリザードもあの頃から

変わってなかったんだ…よかったな…。」


凍歌「最初見た時は変わっちゃったのかと

思ったけど…やっぱり、ブリザードは

いつまでもブリザードなんだ…。」


凍歌「…でも、あの二人はどこ行ったの?

学校にも居ないし、何してるんだろ…?」


飛那世「ん?何の話です?」


凍歌「…ん?あぁ、何でも無いよ。」


飛那世「…そうですか?」


飛那世(浸ってますね…これは。)


櫻「あー、ほんとに死ぬかと思った…。」


櫻「ほんと、ありがとねブリザード…。」


ブリザード「はぁ…どうも。」


…実を言うと、本当はかなり焦っていた、

皆が死んだらどうしようかと言うことが何度も

頭をよぎって怖くなった…。


だが、結果的に全員無事に生き残ることが

できてよかった…。


ブリザード「…なぁ、飛那世。」


飛那世「…どうしたんです?」


ブリザード「さっき言っていたことは

本当なのか…?」


飛那世「…えぇ、間違いないみたいですね。」


飛那世「さっきも言った通り動力装置に銃弾を

弾かれました、奴等にそんな技術があるとは

考えられません…。」


ブリザード「…まさか、奴らが…」


ブリザード「あり得ない話ではない、が…

そんな偶然ありえるのか?」


飛那世「証拠はありません、でも、

ありえないでしょう…?」


ブリザード「なぁ、飛那世…。」


飛那世「何です?」


ブリザード「…。」


飛那世「…。」


ブリザード「やっぱり、そうだったか…。」


飛那世「警戒してください、もしかしたら…」


ブリザード「…それは、考えたくない…。」


飛那世「…だけど…」


優来「二人ともどうかしたの…?」


ブリザード「…いや、なんでもない。」


優来「そう…?撤退準備できたから、

そろそろ帰ろう…。」


飛那世「分かりました、帰りましょう!」


飛那世「ほらほら先輩、行きますよ!」


ブリザード「…分かった。」


…かくして、無事に帰還した俺達は依頼人の

城所から報酬金を受け取り波乱あった

この任務は終わった…。


城所「ありがとうございましたっ!

この御恩は一生忘れませんっ!」


櫻「ありがとうございました、またのご利用を

お待ちしております…。」


永遠「そういや、あの人は暗黒星龍に婚約者を

殺されたからここに依頼したんだってね。」


華途葉「そうなの?初耳なんだけど…」


永遠「え、そだっけ…?」


華途葉「…アンタ、嘘ついてない…?」


永遠「ついてないよ、確か依頼書にも書いて

あったし、華途葉も見たでしょ?」


華途葉「…そうだったかしら?」


永遠「ほら、ここ…」


華途葉「…あ、ほんとね。」


永遠「ちょっとー、見てなかったのー?」


華途葉「…だって、興味ないもん。」


永遠「そりゃそうだけど、にしても

見るでしょー。」


華途葉「私が興味あるのはブリザード

だけだもん…。」


永遠「それに関してはものすごく同感する。」


華途葉「…ねぇ、今日の夜ブリザードの

家に忍び込まない?」


永遠「…うん。」


飛那世「ダメですからねー。」


ガシッ


華途葉「えぇっ、ちょ、飛那世…!?」


飛那世「ほらほら、行きますよー。」


永遠「…はぁ、僕一人で忍び込もう。」


ブリザード「…聞こえてるぞ。」


永遠「…え?」


ムニッ


永遠「ぎゃぁぁ!?ほっぺたやめてぇぇ!?」


ブリザード「…。」


凍歌「…楽しそうだなぁ。」


ーー


優来「ふぅ、今日の部活終わり!」


凍歌「お疲れー!」


優来「私とブリザードが片付けてくから、

みんなは先帰ってていいよ!」


飛那世「では、お先!」


櫻「また明日ね!」


永遠「僕はお兄ちゃんと一緒に居たいから

手伝うねー!」


凍歌「私も手伝うよ!」


優来「え、悪いよ…」


永遠「…僕には悪くないの?」


ブリザード「…好きでやってるんだろ?」


永遠「…バレちゃいましたか…ククク。」


ブリザード「…何がだ。」


凍歌「いいの、私は…」


永遠「人数的な心配だったら僕もいるし

大丈夫だよ!」


凍歌「大丈夫、私もやりたくてやるから…」


永遠「そう?なら、いいけど…」


ガチャ…


祐奈「おーい、まだ空いてる?」


優来「祐奈さん!」


ブリザード「…何の用だ。」


祐奈「近かったから、寄ってきちゃった!」


永遠「ん?この人は…?」


優来「祐奈さん、私達が大変だった頃

お世話になったの…。」


永遠「へー、そうなんだ…。」


凍歌「始めまして、私は柳凍歌です!」


祐奈「…あなた、私と会ったことある…?」


凍歌「…いえ。」


祐奈「…そう?気のせいか。」


優来「…?」


祐奈「…にしても優来、最近はどう?

大変じゃない…?」


優来「いやー、大変ですよ…昨日もブリザードが

居なかったらどうなってたことか…。」


祐奈「へぇ…それなら、きっと柳太郎も

喜んでるよ…。」


ブリザード「…黙れ。」


祐奈「…え?」


優来「ちょ、ブリザード…?」


永遠「お兄ちゃん、どうしたの…?」


ブリザード「お前に柳太郎の何が分かる、

二度とその名を口にするな…!!」


凍歌「ブリザード落ち着いて、何があったの…!」


ブリザード「…!」


凍歌「ねぇってば、ブリザード…!」


ブリザード「…。」


永遠「落ち着いて、何があったのか話して…!」


ブリザード「俺は…こいつを絶対に許さん。」


祐奈「…。」


優来「ブリザード、どうしてそんなことを

言うの、ねぇ…!」


ブリザード「この女は柳太郎を冒涜した、

騙されるな…。」


祐奈「私があの子を冒涜した…?」


祐奈「あの子は私の大切な弟よ、

そんなこと、あるわけ…!」


優来「そうよ、柳太郎も祐奈さんを信頼して

いた、なのにどうして…」


ブリザード「…もういい。」


ブリザード「話は終わりだ…」


優来「ちょっと、ブリザード!」


優来「…行っちゃった。」


凍歌「ま、待って…!」


ダッ


優来「ちょ、凍歌!?」


優来「…なんで。」


永遠「…お兄ちゃん。」


祐奈「あの子、きっとなにか勘違いを

しているんだわ…。」


優来「…。」


祐奈「きっとあの子もああ言う年頃なんだし、

仕方ないよ、私にはただ見守っていく

ことしかできないよ…。」


優来「…。」


優来「ブリザード…。」


ーー


ブリザード「…。」


凍歌「ね、ねぇ、ブリザード…!」


ブリザード「…凍歌?」


凍歌「柳太郎に何かあったの…?」


ブリザード「…あいつは、柳太郎の遺品を

全部売りやがった…。」


ブリザード「金は充分にあるのに、だ…。」


凍歌「…それもあるけど。」


凍歌「柳太郎は、死んだの…?」


ブリザード「…柳太郎は…松田悠介に…」


ブリザード「…待て。」


ブリザード「…凍歌、聞きたいことがある。」


凍歌「何…?」


ブリザード「お前は、誰なんだ…?」


凍歌「…。」


凍歌「私は誰でもない、"とうか"だよ…?」


ブリザード「…そうか、なら質問を変える…。」


ブリザード「お前の正体は村野灯華なのか…?」


凍歌「…。」


凍歌「私はね…。」


ーー


あの日から、ずっと待っていた、あの人を…


…分からない、気がついたらほの暗い

闇の中に居た…。


そして、ここまで来た…。


長かった、待ちわびていた…。


やっとこの時が来た、なのに…


なんで、全て仕組まれているかのように

思えるんだろう…。


全て、最初からこうなるようになってたんじゃ

ないかって…


…分からない、何故なんだろう…。


next…

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