第78話 森の怪物とL9

「(アキラ、以前から森の奥でおかしな騒ぎがおきとるかも?ってな話してたやんか)」


「ああ。異変のせいで森の周辺に凶暴な魔物が押し寄せてるって話だったよな」


「(ワテ、な。とうとうキャッチしたで)」


「お?」


「凶暴な魔物が潜んどる。それも並やないで。ドラゴンクラスや。しかも、ドラゴンでも最上位クラスや」


「は?とんでもないやつか?どんなドラゴンなんだ?」


「この世界で最強クラスのドラゴンといえば、エンシャントドラゴンとかやな。ほやけどな、おかしな波動がまじっとんねん」


「おかしな?でも、どうする?ほっとくのか?」


「(そういうわけにもいかんやろ)」


 教会でラグと相談していると、

 突然、シスターが飛び込んできた。


「ラグ様!アキラ様!邪悪な魔物がこっちに近づいて行きています!」


「(なんやて?そんな気配は……ああ!これか!まだ、遠いが、確かにこっちに向かってきよる)」


「どうすんだよ、ラグ」


「迎撃するしかないやろ」


「アキラ様。私が迎え撃ちます」


「え、シスター、無茶な」


「いえ、この邪悪は気配は、領主戦で感じたものとかなり似ています」


「(よっしゃ、アキラ。迷っておる暇はないで)」


「うーん、それなら、ラグ。車、レベルアップするか?」


「(うむ。ほれ、魔石や)」


 僕は魔石の山をキャンピングカーに注ぎ込んだ。


『魔石が1230個投入されました。レベルアップしますか?』


「『YES』」


『パンパカパーン!レベル9になりました!乗員は車の外に出てください』


 正直言うと、車はレベル8で最上級だと

 思っていた。

 でも、まだ上があった。


 車はさらに大きくなった。


「うは。なんだ、これ」


 サイズは大型バス並。

 これは、ネットで見たことがある。

 ベ◯ツの大型トラックをベースにした

 ドイツ製モーターホーム

 「Concorde Centurion 1200 GST」だ


 ダッシュボードで確認すると、

 サイズは

 全長12000mm×全幅2500mm×全高3850mm、

 ホイールベース5800mm。


 前輪と逆の向きに後輪を操舵することで

 コーナー時の回頭性を高め、

 狭いスペースでの駐車などをしやすくした機能、

 「リア・アクスルステアリング」を搭載。


 そして、この車には

 リアに自動車F◯AT500が格納されていた。

 イタリアの軽自動車クラスの車だ。

 その格納庫の上がベッドルームとなっている。


 この可愛らしい車、

 ボタン一つでランクルに大変身。


 室内は、日本人ではデザインし得ないような

 豪華・高級感溢れるものになっている。

 こういう渋派手な内装って、

 欧州ならでは、という感じがする。



「ラグ、銃器もすごいぞ!レールガンだ!」


「(なんや、それ)」


 レールガンは、

 弾丸を電磁気力により加速して撃ち出す装置。


 15kgの砲弾を2.5kmで射出可能。

 威力は64MJ。

 M1エイブラムス戦車の120mm戦車砲の

 M829 (砲弾)の場合、

 対戦車砲弾の5倍以上の威力がある。

 連射速度は1分間に10発。


「ごっつい性能やな」


「貫通力はかなりのもんだね」



「あとな、メニューのほうがどうなっとる?」


「バラエティ豊かになったぞ。チェーン店のリクエストに応じてくれるらしい」


「リクエストってなんや?」


「チェーン店の一覧が出てくるから、それを選択すればいい」


 日本の主要なチェーン店を選択可能になった。


 例えば、

 回転寿司なら、金◯まいもん寿司。

 うどんは丸◯製麺。

 カレー ココ◯チ。

 フライドチキン、K◯C。

 牛丼なら吉◯家。

 とんかつ 新宿とんかつさ◯てん。


「おお、ようわからんが、楽しみが増えたな」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る