第2話
海なし県に住んでいた祖母
伯父が建てた家なのに
なぜか皆、おばあちゃん家と呼ぶ
私が子供のころは
年に何度か集まりがあったのだが
今ではゼロになった
祖母は
正月にはおせち
お彼岸にはおはぎ
となにくれとなく、もてなしてくれた
おはぎに至っては
あずきをわざわざ手ずから焚いて
作ってくれた
しかし、あんこが大嫌いだった私は
お愛想で、一つだけ食べて
あとは、きなこのおはぎばかり食べていた
祖母が若いころ
母が、まだ娘だったころ
祖母は、飼っていた鶏を手ずから絞めて食卓にだしていた
また、うどんを手作りすることもあったようだ
私は、祖母の手作りうどんを知らないので
元気なうちにお願いしておけばよかったな、と思っている
祖母の時代は
なんでも自分で作ったりするのが
当たり前だったのだろう
私は、と言えば
お金がないから手に入らない
と物のありがたみを
いまいちわかっていない世代に育った
肉も魚も
自分で捌くことなどないような時代
食べ物に困らないどころか
捨てていることを
恥ずべきことだということを
わが胸に承知しておきたい
食糧廃棄がなくなることを願って
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