猫の王様~愚かな王子と、粗相伯爵令嬢~
雨 白紫(あめ しろむらさき)
(前編)(ジェレミア視点)
「……よって、
ババーン。
学院
卒業
ここは、オールド王
オープニングセレモニーにふさわしい
しかし、
しかし、それが
こうして、お
まあ、
そのとき、私は卒業生としてダンスパートナーの
卒業生と、卒業生のダンスパートナー。
卒業生の
そう、それですら
しかし、
入場の
彼に
……
婚約破棄を宣言して、ほくそ
相手と
それだけでも、
長針の間の人々は、
王宮で
長針の間、卒業生
さまざまな場で、舞踏会の始まりを
また、学院
さらに、王立学院卒業生の
さらに、さらに、正規留学で
そして、
まるで、
そう、王室がクロックタワー学院のためだけに、
この
しかし。
管楽器の
弦楽器も打楽器もそれに続いて、演奏の
誰もが
デイフローレンス殿下が
王立クロックタワー学院で、入学
デイフローレンス殿下の婚約者であるベル・レストレスが、ドローネアを
その手紙を殿下が読んでいる
するりと
殿下の
……
軍服は
令嬢たちは、それでも、
王族よりお
金糸は国王の
ドローネアの真紅のドレスは金糸の刺繍は
そして、殿下はチラチラ、ドローネアの
「殿下、婚約破棄は」とデイフローレンス殿下の子守り
「王室とレストレス伯爵
そこへ
「殿下。
王太子になられた
貴方の
婚約は王太子になられるさいに、
「ソーン、私にそんな
「いいえ。
「私の行動は公務だ。公文書の破棄は
「いいえ、王太子殿下。
公文書の破棄は……とにかく、ここにはどうやら、ベル様はいらっしゃいません」
ソーン侯爵は、王子様の真のダンスパートナーであるはずの伯爵令嬢ベルを
「
そうだとも!
また、あの
猫の
彼の
心の
デイフローレンス殿下のお
もちろん、ハゲてはいない。フッサフサの
そして、王
私が在学中、彼は
下級生が
その際も、デイフローレンスは
まあ、そういう「王子様」になびくのは
まあ、人と
これが
他国からの留学生だった私は、オールド王国には、
ワーワー
そこへ女
今宵は、女子卒業生控室内の
「『デイフローレンス殿下が婚約
放棄の宣言であれば、
誰も
「じゃあ、婚約を放棄する!!!!!!!」
殿下の、その言葉に、
殿下に
チュッチュッ。
チューッ。
「やった!
やったぞ、ドローネア!
これで、私と
君は
いいや、今すぐにでも!
……まあ、そんなみすぼらしいドレスなんかよりもっと良いドレスを
君は王妃になるんだからね。
さあ、皆。舞踏会場から出て行ってくれ。
ドローネアは僕の
王太子の
さらに、王太子は
貴族だったならば、ピッタリとしているはずの下着が。
特注では無く、
どうも、庶民の
ドレスを
どうやら、
彼等はゲラゲラ笑うことも出来ず、あくまでも
そして、ドローネアの胸に
王子はその詰め物を
さすがに、女性
扉のそばの廊下で控えていた卒業生の
「御前等のパートナーは
騎士
これには。
招待客も王宮で働く者たちも
私はそっと従者
「婚約破棄……いや、放棄の宣言があった。
ということは、ベルは
大使閣下」
「お
さあ、
大使館へ
いけませんよ、
嗚呼、貴方様までどうなさったのです」と大使閣下に
あれから、
今現在は「
長針の間へ続く廊下には、
「国王様がお
どうぞ、立ち
どうか、
ガイドが立ち止まって、
その猫の
レストレス伯爵家
猫
「デイフローレンス王子が婚約放棄を宣言していたとき。
婚約者のご令嬢はどちらに?」
そう、ガイドに
ハハハハ。
「それがベル様は長針の間にはいらっしゃいませんでした。
こちらの廊下で。
……
急いで控室に
妻はコロコロ
そして、ついには、両手で顔を
「ご令嬢の飼い猫は
どうやって、王宮に
「どうやら、ベル様の
近衛騎士団が
我々王国民は、
嗚呼、
そう、この国は、猫のオシッコによって、
そして、私
猫のオシッコによって、
ガイドは予定
「その婚約放棄の騒ぎの後。
次は長針の間の見学となります。
大理石の床は
赤い絨毯が無くなるはずだが。
やはり、見学者たちの
嗚呼、
廊下のシャンデリアも
長針の間のシャンデリアは、皇帝宮殿の
特に、国王の「
ここは、猫の意
猫の王様と従者に続いて、私たちも長針の間の
途中途中、
まだ、どこか
「こちらは、シークエンス皇帝国の皇太子殿下と、婚約放棄後のベル様の入場場面です。
その前に、こちらもご
パートナーがいらっしゃらなくなってしまったベル様を思われて、ジェレミア
ガイドが
嗚呼、これで音楽隊の演奏でも聞こえてきたら。恥ずかしがる妻を抱きしめながら、長針の間を妻と
私の
どうか、恥ずかしがらないで
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