ワールズエンド・ダンスホール
書い人(かいと)/kait39
第1話 僕とWED
このゲームの開発者が執筆した、二人称小説兼プレイングマニュアルを読んで、予習を終える。とにかく過酷で、とにかく面白いゲーム。それが
『ワールズエンド・ダンスホール』。英語のイニシャルを取って、すなわちWED。
指一本で電源ボタンを押し、デスクトップPCを起動。
モニターにデスクトップ画面が映り、アイコンをクリックする。
基本プレイ無料。
楽に進めたいのならば、無論、課金は必須となる。ここまではよくあるMMORPGだけだが、WEDには凄まじい広さを誇るマップがあり、プレイの自由度と難易度は世界最高峰だ。
ログインボーナスを貰い、まずはリスポーン地点を決める。
ゲーム開始時点で既にプレイヤーは死人だし、そもそも前回のゲームプレイ終了時に肉体が死ぬので、いつも培養・クローン体からのスタートになる。
任意のスタート地点にポッドストライク、衛星軌道上から自分のクローン体が乗った培養ポッドが射出され、戦地へと
最近は独立傭兵として、ゲーム内では生計を立てつつある。信頼を得て、様々な兵器で無双してみたい、くらいの夢はあった。
独立傭兵のプレイスタイルは、
プレイヤー組織、すなわち『企業』の領土戦への参加や、
企業の入社履歴の閲覧権限を『自分だけ』に設定しているのは、独立傭兵に非常に多い。無論、自分もそうだった。
企業側が、スパイを警戒するのは当然で、重要な兵器の管理や会計係などはもってのほかで受けられないが、最低限の武器が買えるだけの
クローン体や装備はナナイト(ナノマシン。極微の機械)により成形・生成されており、Gは何をするにも必要な通貨になる。
ゲーム内の巨大なチャット掲示板で連絡を取り合い、一時的に雇われた僕はその区域に足を踏み入れた。
ちゅどーん、と培養ポッドが着弾して、地面に穴を開ける。軽い隕石と言っていいだろう。
さて、殺すか。
いつもの日常、戦争だ。
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