Bパート

 ──日本郵船氷川丸、海に浮かぶ文化遺産だそうです。


 順路に沿って展示物を色々見ていくんですよ、食堂や社交室、広々とした喫煙室に『タイタニック』にありそうなデッキ。その中でもやっぱり操舵室が一番ワクワクしました。


 梯子みたいな急な階段で上に上にと昇っていくんですけど、もうその時点で秘密の屋根裏部屋に行くみたいな感じで、いざ操舵室に着いたら、なんかゴジマイで見たことあるような景色にテンション爆上がり。人がいなかったのでめっちゃ舵を動かした。


 しかもそこ、モールス信号も打てたんですよ! 見本とかもあったのでその通りに打ちました。めちゃんこ楽しかったです!


 下り階段はそんなに急じゃなく、順路の通りに進んでいくと、機関室も見られまして。黒本去年、『シン・タイタニック』っていうホラー映画を観たんですけど、機関室でお化けに遭遇するシーンがあって、それを思い出すなー! とちょっと半分ビビりながら進みました。


 大興奮のお船! 一部客室の中を覗けたんですけど、もうそのまま泊まりたいくらいで! 船上ホテルとかないかなー。どこにも運ばなくていいのです。船に泊まれればそれでいい。


 一通り見たら船から降りて、そろそろ横浜駅行きたいなーと思い、シーバスを探して赤レンガ倉庫までフラフラし、アイススケートと苺フェスタを素通りして、シーバスに乗り込みました。


 最初はデッキで風を浴びてたんですけど、歩き疲れてたこともあり眠くなり、中に移動。窓越しに見る海も素敵でした。そして温かい。


 今回昼間の内に行ったんですけど、いつぞやは夜にシーバスに乗りまして、真っ暗な夜の海を眺めていると、色々ネタが湧いてきたものです。また夜のシーバスも乗りたいなー。


 そんなこんなで横浜駅に着き、お腹が空いたので近くのお店でモグモグし、いざ、最後の目的地──水木しげるさんの妖怪百鬼夜行展に向かったのでした。


 去年、とある方が推されていて、我慢できず観に行った映画があるんですよ。『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』っていうんですけど、何もかも好みの映画すぎて、気付いた時には七回観てました。円盤出たら絶対買う。


 わたくし黒本、左目を前髪で隠したキャラにめっぽう弱く、ゲ謎に出てくるゲゲ郎さんという方がまー好みどストライク! 妻を一途に愛し、単体での戦闘もめっちゃ強く、相棒の方との共闘も最高で、ラストは泣かせにくる罪な男なのです。ゲゲ様とか呼んじゃっている。


 ここ四ヶ月はゲ謎にどっぷりで、ついでにホラーについて勉強したいなと思っているこの頃なので、ゲゲ様の生みの親と言っても過言ではない、水木しげるさん関係の展覧会があると聞いては、行くしかないとこのたび行ってきました。


 べとべとさんという妖怪に、最初は出迎えられます。歩いていると後ろから足音を立ててついてくる妖怪です。丸いです。今『ゲゲゲの女房』観てるんですけど、主役たる村井夫妻にとって大切な妖怪なので、記念に写真撮りたかったなー。確か駄目だった気がする。


 そして色々見ていくわけです。水木さんは妖怪いそがしに取り憑かれてしまった、みたいな文言がどこかにあって、あらまそれは大変ね、とか思ったんですけど、本当にそんな妖怪がいるらしいです。来てほしいような、来てほしくないような。


 歩いていると、アマビエ先輩に遭遇しました。コロナ化で有名になりましたよね、アマビエ先輩。マジ可愛いっす先輩。絵と映像での遭遇でした。他にも川獺や幽霊赤児などの可愛い妖怪にもけっこう目が行きました。


 最後はぬりかべに見送られ、グッズコーナーに向かい、パンフレットを購入。これでいつでも思い出せる。夜に見返すとちょっと怖かったりする。特にぬらりひょんさん。


 これでもう思い残すことはないだろうと、黒本は横浜を後にしたのでした。

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