「世界が全部ハリボテみたいだ」

「世界が全部ハリボテみたいだ」


謝る癖がついたのはいつだっけ

笑顔のマスクが、外れなくなって

どれくらいだ

どうしようもない虚しさに苛立つのは

どの夜からだっけ


思い出せないことばっかりだ

思い出せるのは傷の記憶ばっかだ


幸せも痛みも笑ったりするのも全部

なんだかガラス越しに写ってるのを見てるみたいでさ

感動的だと言われる映画が刺さらないみたいに

世界が全部、ハリボテみたいだ


私に価値なんかない

君にも、価値はないよ

だって、人間なんだからさ

夜空に浮かぶ星から見たら私たちなんて

存在すらもしていないみたいで


思い出せないことはないけど

思い出せるのは君の笑顔ばっかだ


苦しみも怒りも泣いたりするのも全部

なんだか自分自身が消えたあとの世界みたいでさ

流星が瞬くようにこぼれ落ちた記憶のように

世界が全部、剥がれ落ちていくみたいだ


謝る癖がついたのはいつだっけ

(どれくらいだ、どの夜からだっけ)

笑顔のマスクが外れなくなって

(どれくらいだ、どの夜からだっけ)

どうしようもない虚しさに苛立つのは

どの夜からだっけ


ああ!


悲しみも憎しみもどうしようもないものが全部

私を包み込んで空まで連れて行ってくれるなら

手のひらに残ったものが私を止めてくれるのなら

私の名前を、呼んで欲しいんだよ

君のいない世界は

君のいない世界は…


世界は全部、ガラクタみたいだ

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