無題

僕は優しい人が嫌いだ 優しい人が嫌いだ

だって だってさ 僕の言った言葉で無理をさせてしまうから

僕が謝ったら許してしまう そんな君が嫌いだ

だけどそんな君が嫌いな僕が1番嫌いだ

だって だってさ 君はほんとは許してくれてなんかないんだろう

無理に笑顔作って「いいよ」って言ってくれてんだろう、僕のために

ありとあらゆる連絡手段はもう使えなくて

君が今どうしてるのかも全然わかんなくて

そんなに僕が嫌いなら

最初から優しくしないでほしかった

ああ、僕は捻くれ者か?いじわるな人間か?

もう君の中で僕はなかったことになってる


本当は 僕が悪かったことも 許してくれたよね

僕は泣きそうになった 君に許させてしまったから

そうやって鈍感な僕はだんだん調子に乗って

優しい君を正しさのナイフで傷付けたんだ

それでも許してくれた

僕は許してほしくなかった

そこで許してほしくなかった

ありとあらゆる連絡手段は使えなくなった今

優しい君の幻聴だけが聞こえてくるよ

優しい君が悲しい声で泣いているのが聴こえてくる

僕は君を傷つけた 君は僕を許せなかった

だから離れていったのに

そこにさよならさえもなかったけど

それはきっと正解だったのかもしれない

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