第4話 給食の献立

 私が通っていた小学校では六年生になると給食室前の廊下の黒板に翌日の献立を書く仕事がありました。


 献立係と言って三人が交代で放課後に残り翌日の献立を書くのです。


 私は絵を描くのが好きだったので空いたスペースに野菜や果物、あるいは料理の絵を描いたりして字が下手なのをごまかしていました。


 ある日の事です。


 献立を見ると「ポークチョップ」と書いてあり、材料は豚、玉ねぎ、にんじんとあります。


 私は当時「ポークチョップ」を知らなかったのでどんな料理か想像できませんでした。なので豚が瓦割かわらわりをしている様子を絵に描きました。


 豚が瓦をチョップしている絵のつもりです。私は出来栄えに満足して意気揚々と帰宅しました。


 翌日


 Ý君が「今日の給食、豚の丸焼きやで~」と大声で言いながら教室に入ってくるではありませんか。


 私は「違う違う、あれはポークチョップや、豚の丸焼きちゃうで」とすぐさま訂正しましたが誤解は解けず給食の時間になりました。


 出てきたものは薄切りにした豚肉が玉ねぎと人参と一緒にケチャップで味付けされたものでした。


 私は献立表をそっと見直しました。


 そこには「ポーク」と書かれています。


 そうなんです、チョップではなく(ケ)チャップだったのです。


 Ý君は「全校生徒で割ったら丸焼きもこんなに薄くなるんやな」と納得したように言ったので周りのみんなも何の疑問もなく食べていました。


 いやそこじゃない、Ý君は何故にあの絵を見て豚の丸焼きだと思ったんだろう。


 どこをどうみたらそうなるんだろうかと今でも疑問の残る思い出であります。



 


 

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