第2話 ゆで卵の話し2

※ 下品な表現がありますので特にお食事中の方はご注意下さい。

 


 前回のお話しにあるように通っていた小学校ではゆで卵が頻繁に出ていました。


 子どもたちの食べ方にもいろいろありましたが大抵が最後に殻をむいて丸ごと口に放り込んで咀嚼します。これが悲劇の始まりでした。


 給食の時は班ごとに机をくっつけます。六人グループの机の並びは私の右側が藤井君で藤井君の前(私の斜め前)がS君、その横(私の前)がÝ君でした。他二人は女子です。


 藤井君と班が一緒になった場合、給食のメニューにゆで卵があるといつもの倍のスピードで食べないといけません。


 何故かと言うと毎度のお約束が待っているからです。


 お調子者のÝ君はS君が牛乳を飲み始めるタイミングを見計らって藤井君にゆで卵をどっちが早く食べられるか競争だと言ってゆで卵を食べるように仕向け、早く食べたÝ君が「ち〇げ」と言って藤井君を笑わせます。


 まんまと笑った藤井君の少々前に出ている歯と歯茎にはゆで卵が絡みついてとんでもない事になっています。それを見たS君はこれまたまんまと盛大に牛乳を吹き出して藤井君の顔にしぶきのように牛乳を浴びせるのです。


 みんなこれが分かっているので素早く机を引いて避難するしかありません。


 一人ゲラゲラ笑っているÝ君と顔に(書きたいけど書けないアレ)された藤井君と吹きだしたS君、それぞれの顔を直視できない私は溜息をつきながら自分の給食に被害がなかったかを確認して何事もなかったように食べ続けるのでありました。


 毎回同じセリフで笑う藤井君もだけど来ると分かっていて牛乳を飲むのを止めないS君、Ý君にいたっては仕掛け人なのでどうしようもないですが、お約束っていうのは結構昔からあったのかもしれません。


 今思うとかなり上手いコントだったと思います。


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