番外編1「セルフイメージのバックアップ」

 現実世界、アース018、運営管理室。

 補足しておくが、今主人公がいる、アース018Bではない。


 GMゲームマスター、自由の悪神、天上院姫てんじょういんひめは加速&転生世界の構造把握のため、凍結術式、石化術式、そして記憶圧縮きおくあっしゅく術式について調べていた。


 そこへ、家族の善神、天上院咲てんじょういんさきは最速のツッコミを入れた。

「いや、番外編はえーよ! まだ動き出して間もない状況下でゲーム進行ストップかい!」


「いや、そうは言ってもな。この加速世界で自身の成長スピードを操作・コントロールできるっていうのは一つのアドバンテージなわけで……まあ、現状。凍結は解る・石化が解らない・記憶圧縮は解る……ぐらいの認識なのじゃが、それより大事なのが1点……」


「ん?」


「【セルフイメージのバックアップ】じゃ、さっきの3つは自分・・で何とかするのが前提じゃが、セルフイメージのバックアップは他者・・からのバックアップ、……まあ〈変換作業〉に時間は有するが、特に。どんなに歴史が壊されても仮面ラ◯ダーは【壊れない】から、セルフイメージのバックアップの場所としては非常に優秀じゃ」

「……、へぇ~てことは。私達の〈仲間〉が活躍・輝ける所はソコ・・ってことか~」

 話がどんどん先へ行くが、要するに、加速世界で急激に老化するプレイヤーやNPCやAIの体をどう処理しようか? という話だ。別に不思議の国ならそれはそれで問題はないが……。とにかく。

 

「じゃあ咲、おつかいを頼む」

「んん?」


「運営陣とか日本国総理とかに、〈セルフイメージのバックアップとそれを変換する装置的な物を用意しておいて下さい〉……的な感じでよろしく」

 GM姫は、運営咲にそう告げる。こっちはこっちで1人で出来ることは何でもやるが、どうしようもなくお手上げ状態な前例が何回か発生したので。それの保険・・と言った所だろう……。


 が出来ることはそれだ。

 

 セルフイメージのバックアップを少しでもお多く増やす。例え10億に1人の偶然であっても、可能性が0%じゃないだけ希望がある。

 ……という話らしい。

 

「わかった、伝えておく」

「ん、ありがと。さてさて、この5歳児はどう育つのかね~~戦空」

 意味深な言葉と共にこの話は終わった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る