猫の秘密と私の記憶 ~実は魔法使いだった⁉️

一神木 陸

第1話

私は位田早苗(いださなえ)16歳の近所の県立高校に通う高校生。

私はいま、いつもの定位置のソファーに座っている。膝の上には猫がいる。

白地に黒の美しい我が家の飼い猫だ。膝の上で無防備な格好で寝てる猫を撫でるのが至福の時間だ。


「気持ちいい?パンタ?」

撫でられながら目を気持ちよさげに細めてる

「はぁ~気持ちいいわぁ~」

と声がした。

「んっ!パンタしゃべった?!えっ!喋れるの?」

パンタが目を見開いてこちらを見た。

「オメェ、俺の言ってる事わかるのか?」「パンタが人間の言葉を話してるんじゃないの?」

「違うな。俺はオメェらの言葉はわかるが喋れねぇよ。まぁ、時期がきたって事だな」

「ん?どういう事?」

「これだから人間は不便だぜ。毎回、毎回大事な事はマルッと忘れてやがる。そのたびに俺が説明してるんだぜ。仕方ない、付き合いが長い俺の役目か。簡単にいえば俺の仕事を手伝てもらうって事だな。まぁ~経験してもらうのが早いか。」

と言うと突然パンタが私の額に猫パンチをかましてきた。

「パンタ!何するの~あれ?」

目の前にはガクッと下を向いた私の姿がある。

「よしっ!キチンと霊体になったな。ついてこい!」

パンタは生身の私の膝の上で丸くなり目をつむると、半透明の同じ姿のパンタがスッと浮かんだ。

半透明のパンタは私の方を向くと

「仕事はこの霊体でするからな。今の状態は魂のうち8割が霊体で残りが生身にいる。だから生身は熟睡してるのとほぼ同じ状態だ。仮に生身に何かあれば引っ張られるように身体に戻る。」

「じゃあ誰かが私をみても寝てるようしか見えないのか。霊体はみんなに見えるの?」

「基本は見えない。ただ、まれに感が鋭いやつは気づく事がある。

いいか、霊体でうけた傷が生身につく事は基本ない。だが、影響はある。疲れたり、熱がでたり、風邪みたいな症状がでる。だから傷つかないようにしろよ。」

と、パンタは壁をスルリととおり抜けてすすんで行った。私も後を追いかける。やはり想像どおり壁も通り抜け可能のようだ。庭にでると車庫の影に黒いモヤのような物がある。

「このモヤモヤが邪だ。人間は邪気や穢とか呼んでる。これを祓うのか仕事だ。近年増えて俺たちだけでは手がまわらん。おまけにすぐに凶悪化しやがる。まぁ、見てろ。」

パンタは両手でボールのようにこねると、丸くなった邪を猫パンチした。邪はパッと煙をだして消えてしまった。

「まぁ、こんな感じだな。お前もやってみろ」

車庫の影にはまだ点々と邪がある。塊をおにぎりをつくるように手でつつんだ。にぎにぎしてるうちに点々としてた邪が私の回りに集まってきた。手のなかの物は何だか固く大きくなってくる。それはどんどん膨らみ手ではかかえきれなくなった。ドン!ついに落としてしまう。それは、フワッとひろがり早苗は邪に覆われてしまった。

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