オマケ2 2000年代半ばの推し活的なもの
2010年代の2.5次元若手俳優舞台界隈が今の「推し」文化の根源を作ったのではないか、という話を前回書きました。
それはやっぱりそうだったと思うのですが、ただ振り返ってみると2000年代半ばのヨン様ブーム、そしてハンカチ王子・斎藤佑樹やハニカミ王子・石川遼、流行語ではないけれどもイケメン魔術師と呼ばれていた高橋大輔などを追っかけていたファンによるスポーツ選手のアイドル的消費は、昔ながらのファン活動と現代の推し活をつなげるものとしてちゃんと位置づけなければならないなと思いました。
ここで興味深いのは、ヨン様ブームもハンカチ王子ブームも、若年層の女性ではなく主婦層の中年女性のものだったということです。
現代の推し活は若者が先導するムーブメントだと思われていますが、時代を先取りしていたのは実は2000年代半ばのヨン様ファンのおばさんたちだったのではないでしょうか。
あのころの韓流は中年女性の流行として白い目で見られていたけれども、K-POPブームが世界的なものということになった今、実は最先端だったものとして見直す必要があるのかもしれません。
2000年代から韓流を浴びてきたドラマファンの高齢女性の中にはその後韓流を見飽きた人々もいて、最終的に彼女たちの興味は中国ドラマやトルコドラマなど、あちこちの方角のエンタメに散らばっていった印象があります。
そういうところも、馬鹿にされがちだけど新しい流行を切り開いている人たちという感じがして、若者とは違うパワーを感じます。
現代日本の推し活は多分、日本の多様な文化の担い手が作り出した様々なファン活動が、悪魔合体した結果のものなんでしょうね。
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