第4話 天使の語り部

全ての選択肢を見て、全ての帰結を見る私が同情することは決してない。

人は人として、天使は天使としてというのは語弊がある。

時も何もかも多様なれ、この世の中はどこも豊富な知識価値観が混在し今日も鮮やか健全なり。

私はその中のたかがひとりの脆弱な人間、人間としてしか生きていない。


「あのさ、天使様っていう子がいるってことにしてあげるね。ねー、天使様ってさ―何をするのー」と悪魔は私の口から言うように催促する。

「そうすればさー、ねー、みんなあんたのことおかしいって言ってくれると思うから。ほら言え!」言ったり言わなかったり、今日も私は人間として流されていく。


ふと気が付くとやたら天使様の話を聞く、原因は悪魔だった。

悪魔が言うには天使は奇跡を起こす、天使は人を助けない、よく本に書いてある内容だ。


私は検分する。


しかし私が天使だと証明できるものは何もない、こうやって書いたとして信じるも信じないも読み手の心次第。

それは人の目から見ていないということになるはずだ。

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