30,000PV感謝エピソード



※本編ではありません※


 この回は本編とは違いますので、読まなくても問題ありません。

 時間軸は『第24話 模範生として』『第25話 いよいよ巡ってきたチャンス!』の間です。

 レオンハルトとルークの国外公務のお話です。


 今回は、《レオンハルト視点》でお楽しみ頂ければと思います。




 それではどうぞ……。

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 《レオンハルト視点》

 【愛しさの募る夜】




「はぁ~~今日も無事に終わりましたねぇ~~~!!」


 私はルークと共にオグマ国の外交担当貴族との顔合わせを終えて、部屋に戻ったところだった。部屋に戻った途端にルークが大きく伸びをして、私を振り向き上目遣いで言った。

 先ほどまでは、大人びた顔をしていたにもかからわらず、急に無邪気な顔に変る瞬間がたまらなく愛おしい。

 気が付けば、ルークを後ろから抱き寄せていた。


「うわっ!! っちょっと、レオンハルト殿下、突然抱きついたら危ないじゃないですか!!」


 抱きつくことは一切否定していないルークを抱いたまま首筋に頬を寄せた。


「……」


 無言でルークの首元に頬をすりすりと押し付けていると、ルークは笑いながら俺の頭を撫でた。


「今日もほとんど休みなしでしたからね……」


 そして、ルークが頭を撫でながら言った。


「あ、俺……汗臭いですよ。お風呂入りましょう。お先にどうぞ。俺、明日の準備しますから」


 外国を回るようになって一番驚いたことが風呂事情だった。我が国の風呂は大きいが、どうやらこれは珍しいことだった。

 大抵は部屋は豪華絢爛でも風呂は大きな水ガメの中にお湯を入れてそのお湯で身体をかけるだけという国が多い。中には布をお湯で湿らせて身体を拭くだけという国もある。

 そうなると、当然二人で入るということは出来ない。

 折角ルークと同じ部屋に泊まっているにもかかわらず、ルークの身体を洗えないのは不満だったが、お互いに身体が資本だ。

 風邪を引いて公務に支障をきたすわけにはいかない。

 そうでなくとも、スケジュールはかなり詰まっているのだ。

 そうなれば、早く風呂を済ませて、ベッドでルークとの時間を取る方がいい。


「ではルーク。明日の準備頼むな」

「はい!!」


 ルークに明日の準備を任せると、侍女を呼ぶこともなく風呂に向かった。

 


 私が風呂を終えると、ルークも準備を終えて風呂を済ませた。

 そして髪を乾かすと二人でベッドに入った。

 ルークも隣の部屋が用意してあるのが、大抵王族である私のベッドはかなり大きなベッドを用意されているのでルークと二人でも何も問題ない。

 だがベッドがあまりにも広いとルークは私から離れてしまうので、むしろもっと小さなベッドでもいいくらいだ。


「ルーク、今日もよくやってくれたな」


 ベッドの入りルークを後ろから抱きしめると、ルークが眠そうな目で私を見ながら「ありがとうございます。レオンハルト殿下がいつもリードして下さるからですよ」と言った。

 私はその言葉が嬉しくて、ルークの首筋に顔を埋めていると、すぐにルークの寝息が聞こえてきた。

 「スー。スー。スー」と規則的な寝息が聞こえて来て心地いい。

 だが……。


「もう、寝てしまったのか……相変わらず早いな」


 心地よさと同時に淋しさも感じた。

 私はきっとまだまだ眠れないが、ルークはいつもすぐに眠りにつく。

 疲れているのは十分にわかるが、二人でのんびりと過ごす時間はこのベッドの中しかないのだからもう少しルークとスキンシップを取りたいと思うのは我儘なのだろうか?


「な~ルーク、こっちを向け」


 思わず片方の肘で自分の頬を支えながら、ルークの頬をつつくと、ルークが寝返りを打ってこちらを向いた。

 ルークは無意識なのか、私の胸に顔をすり寄せてきた。


「ふっ、可愛いな……」


 ルークの頬を撫でると、ルークが私の足に足を絡めてぐっと身体を挟んできた。

 いつもは、私から抱きしめるばかりだが、寝ている時だけはルークが私をまるで『逃がさない』とでもいうように抱きしめてくる。


「ルーク、たまには起きてる時にしてくれ……」


 額にキスをすると、私の顎に頭をすり寄せるように近づいてきた。

 全身で甘えるようにくっつかれ、胸やあごに顔を擦り寄られて、耐えている私はかなり忍耐力があるのではないかと自分でも感心している。

 だが、少しだけ反撃を試みる。


「お前のせいだぞ? ルーク」


 私は寝ているルークの顎を、ゆっくりと持ち上げた。

 ルークの唇は、艶やかで柔らかそうだった。

 これ以上耐えることが出来ずに、ルークの唇に親指で触れた。


 柔らかくて、あたたかい。

 感触を確かめるように、唇をなぞっていると、指にもっと湿り気のある柔らかい物が触れた。

 ルークは私の指を食べ物か何かと勘違いしたようで、私の指を舌で舐めたのだ。

 ルークの柔らかな舌が指に絡まり一気に身体が熱くなる。


「……ルーク……それは……寝ていてもダメだ……」

 

 恨めし気に呟きながら、指をルークの唇から離して自分の唇を寄せた。

 ルークの唇は、想像以上に柔らかくて、あたたかい。

 癖になってしまいそうなほど甘美だった。


 一度、唇を離したが、名残惜しくてもう一度口付けた。

 もう2度、3度口付けて、最後に惜しむように唇を舐めると「……んっ」とこれまで聞いたことのないような、甘い声が漏れた。


 いっそのこと、ルークを起こして、続きをしようかと思ったが、ルークの幸せそうな寝顔を見てしまうと、起こすことはできなかった。


「……おやすみ、ルーク」


 私はルークにもう一度口付けると、ルークに負けずとルークを抱きしめて眠ったのだった。

 





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読んでいただきありがとうございました!

大変嬉しいです。

ぜひまた遊びに来ていただけば嬉しいです。


藤芽りあ

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