第7話 クズと警察組織
この調子で最寄りの十七レベルダンジョン、二十五レベルダンジョンを攻略。街の外にあるダンジョンもいくつか潰した。
五レベルダンジョンと七レベルダンジョンと十三レベルダンジョンは残しておく。
しばらく鍛えてやり、ステータスはこんな感じに。
『NAME:聖川揚羽
RACE:人間
AGE:17
SEX:女
JOB:回復師
LEVEL:32
HP:72
MP:76
STR:27
DEX:28
VIT:25
AGI:25
INT:15
MND:29
LUK:50
CHA:18
SKILL
料理(下級)
光魔法(中級)
回復魔法(中級)
弓術(初級)』
『NAME:風道羚
RACE:人間
AGE:21
SEX:女
JOB:魔導師
LEVEL:34
HP:60
MP:117
STR:26
DEX:25
VIT:26
AGI:27
INT:25
MND:24
LUK:20
CHA:18
SKILL
速読
風魔法(中級)
生活魔法
魔力増大(小)
杖術(初級)』
『NAME:日野昌巳
RACE:人間
AGE:16
SEX:女
JOB:格闘家
LEVEL:32
HP:70
MP:21
STR:47
DEX:34
VIT:32
AGI:35
INT:11
MND:20
LUK:55
CHA:18
SKILL
格闘術(下級)
気功術(中級)
発勁
筋力増大(小)』
レベル自体は三十そこらだけど、スキルが優秀だから、レベル四十くらいのダンジョンでも通用するなこれは。
因みに俺とその友人達はレベル八十を超えているが。
特に昌巳の気功術がヤベえ。
軽気功で空中ジャンプして、硬気功で岩をも砕くって感じだ。
ここいらの雑魚モンスター相手なら、相当なミスがなければまず負けはないってラインかね。
さて、何だかんだで街中に隠れていた人、警察や消防などの逃げなかった人が合流して、現在二千人弱くらい、かな?
元はこの街には七、八千人くらいは住んでいたらしいから、七割くらいは逃げたのかね。
さて、どこに逃げたのやら……。
逃げて助かるのかね?知らんけど。
まあ、そんな訳で、街としては機能していないのだ。
つまり、喫茶店業務も、本屋へ冷やかしへ行くことも、身体を動かしに道場に行くこともできない。
俺の日常は破壊された。
と、なると、だ。
「日常を取り戻したい」
その為には、まずは食料。
食料はいくらでも複製できるが故に困らない、と。
次は着るもの。
まあ、家に帰したから、物自体はあるだろう。替えの服がお家に置いてないご家庭など、まずないだろう。
洗濯についてだが、それは、川と井戸の水でどうにかしてもらうことにした。洗濯板、たらい、洗剤を支給。
住むところ。そう、ここが問題である。
家自体はあるだろう。
しかし、家の安全性はどうだ?
今のところ、大きな問題は起きていないが、この混乱に乗じて盗みをする奴なんかも出てくるだろう。
早急に兵隊が必要だ。
「と、言う訳で、諸君ら警備隊にはレベル上げをしてもらう」
「「「「……?」」」」
「柵の外でモンスターと戦ってもらう、と言っている」
騒つく警備隊。
「その、良いかね?」
手を挙げるヒゲのおっさん。
「何でしょうか」
「私は、この天海街の警察組織で暫定的な指揮を執っている、伊藤孝康というものです」
「はあ。元は警察官で?」
「ええ、天海街の警察署の署長をやっていました。階級は警視です」
「へえ、キャリアってやつですか?凄いですね。それで?」
「ありがとうございます。それでですがね、我々はですね、例え警察という組織の存在がなくなっても、市民を守りたいと思っているのですが……」
「あーあーあー、言いたいことは分かりますよ、綺麗事ですがそういうのは大事だ。時に署長さん。テレビゲームはやったことがおありですか?」
「いえ、私はあまり……」
「成る程、では教えておきましょう。モンスターを倒すとレベルが上がります」
「レベルとは……?」
「俺にもよく分かってはいませんが、強さを表す基準の数値、だと思ってください」
「……つまり、モンスターを倒すと強くなれる、と?故に、我々にモンスターを倒させて強くすることにより、治安維持に努めたい、と」
「おお、流石はキャリア組。理解力がありますね」
「……しかし、その為に我々が傷付けば、意味がないのでは?市民の為に傷付くならまだしも、訓練で大怪我をしては本末転倒です」
「そうならないように俺がついていきます。怪我をしないようにしっかりと護衛するので安心してください」
「むぅ……」
「そうですね、署長。貴方のレベルは今、十五だ。それでも筋力の数値は22と、少なくとも一般人の倍程度はあるでしょう」
「羽佐間さんにはレベルというものが見えるのですか?」
「ええ、俺にはそういうスキルがありますから。それで、あと五つもレベルが上がれば、身体能力は現在の更に倍近くまで伸びる可能性があります」
「……そんなにかね?」
「そうですね。少なくとも、署長が今の二倍の筋力と体力があれば、どんな凶悪犯も……、それこそプロレスラーでも一捻りですよ」
「……むむむ」
「ああ、安心して欲しいから伝えるんですが、先日、有志を集めて、天海街近隣のダンジョンを三つ、攻略してきました。残っているダンジョンと、そこから出るモンスターは、レベル五とレベル七とレベル十三です」
「つまり、出現するモンスターは我々と同等くらいの戦闘能力しか持たない、と?」
「その通りです」
「しかしですね……」
「それに、どうやら、モンスターは人間とはステータスの仕組みが違うようなんですよね。レベルが少し上でも、上手くやれば倒せる設定になっています」
「ううむ……」
「低レベルのモンスターなんて、それこそ、猿以下の知能しかありませんよ?人間が負ける訳がない。それに、刀や鈍器を使った戦闘はまだですよね?実戦訓練が必要だと思いませんか?」
「確かに……。良し、諸君らも異存はないな?!」
「「「「はい!!!」」」」
「では、実戦訓練を行うグループを組んで、武器を持ってついてきてください。あ、拳銃は持ってこなくて良いですよ、誤射が怖いし、モンスターの中には拳銃が効きにくいのがいますからね」
そう言って、レベル上げさせてやったら、なんか凄え喜ばれた。
レベル上げのビッグデータも得られたし、満足だよ。
ふむふむ、主に男性は筋力や耐久、女性は魔力、器用方面が伸びやすいようだな。
それと、揚羽と羚が魔法について教えたところ、魔法を使えるようになった警備隊員が何人かいた。
全員、初級までだったが、スキルは他人から教わることもできるらしい。
そりゃそうか、俺も自分で覚えたスキルがあるからな。
それとアーニーの野郎の魔導書製作のスキルの実験結果も報告されたが、あれも凄いな。
あれは、魔法について記した書物を作るスキルと鑑定されたが、実際、読んだやつが魔法を使えるようになる本を作れるスキルだったようだ。
材料の問題なんかもあって、大量には作れないらしいが、既にあっちでは下級の属性魔法を使えるやつがいるそうだ。折角だから複製させてもらった。
ただまあ、魔法も人を殺せるものなんで、あんまり広める気は無いとのこと。
そりゃそうだ、魔法が使えるってことは、目に見えない武器を持ってるってことだもんな。プロの格闘家みたいなもんだよ。
さて、レベル五のダンジョンのモンスターはホーンラビット、レベル七はゴブリン、レベル十三はブラウンボアが主に出る。
ホーンラビットは兎みたいなの、ブラウンボアは猪みたいなの。
つまり食える。
最近は警備隊が訓練代わりに仕留めて持ってくることが増えた。
肉屋が営業を始めた……、と言っても、貨幣活動は無いが。
肉屋が解体して、その肉をみんなで食べる。
社会主義かな?
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