第3話 クズ同士は惹かれ合う
結果から言おう。
『どうなった?』
『属性魔法(最上級)、結界魔法(最上級)、回復魔法(最上級)、補助魔法(最上級)だってさ』
『盾創造、万能障壁、絶対耐性、防衛術(最上級)……』
『剣創造、剣操術、付与魔法(最上級)、剣術(最上級)だったわね』
第二、第三、第四の探索者としてボーナス三つとダンジョン攻略のご褒美スキル、計4つがそれぞれ習得したみたいだ。
最初に最上級スキルが手に入るのはお約束なのだろうか?
『スキルはどんな調子だ?』
『ファイアボール!……ほら見ろ!魔法だ!魔法使いになれたんだ!』
『……盾よ』
『剣創造』
ふーむ、軽く鑑定した限りではどれも最上級スキルだし……、最初の挑戦者は優遇されるってことか。
セラフィーマの称号を鑑定すると、フォースエクスプローラー:四人目の探索者。ボーナスで称号獲得時にレアスキル三つの習得。なお、以降の探索者にボーナスはない。とある。
なるほど、道理で。
さて、じゃあ、どうするか。
早速スキルを試して遊んでる大人三人を嗜める。
『子供じゃないんだからさあ、スキル手に入れたからってはしゃぐなよ』
『これがはしゃがずにいられるかい?!だって、魔法だよ魔法!僕は子供の頃、ディスティニーランドが大好きでね!毎年ママとパパに連れて行ってもらっていてね、ミドルスクールの頃までは魔法があるって本気で信じてたくらいさ!』
『嘘つけ、まだ信じてたろ』
『実を言うとね!でも、実際に、本当に魔法があったじゃないか!』
火やら水やらを出しまくって遊ぶアーノルド。
『あ、でもこれ、出してると疲れるね』
『ああ、魔力を消費しているみたいだな』
『そうなのかい?』
『魔力は食事や睡眠、休憩すれば元に戻る』
『オーケー、分かったよ。僕も日本のファンタジーなゲームはよくやるからね、大体わかるとも』
さて、スキルを鑑定して、どう言うスキルなのか見ていこう。
まず、アーノルドだが。特に説明することはない。魔法が使えるって話だ。回復魔法は病気の治療や蘇生すらできるらしい。ゲームで言う賢者みたいな感じか。
ヴォルフガングは……、防御系のスキルが多いな。盾創造は自分のレベル以下の等級の盾を作り出すスキルらしい。本人に聞いたところ、今のレベルでは鋼の盾が限界だとさ。万能障壁はバリアみたいなもん。オートでもマニュアルでも動くっぽい。
セラフィーマは魔法剣士か?剣創造では鋼の剣が今のところ限界、と。付与魔法はいわゆるエンチャント、剣操術は、剣を宙に浮かせて動かすスキルらしい。
因みに、創造したものは任意で消せるらしい。
それから一年間。
俺はこいつらを誘って、世界中のダンジョンを攻略していった。
ダンジョンも鑑定したところレベルがあるらしく、時には、俺達のレベルより高いレベルのダンジョンを攻略することもあった。
しかし、俺の空間支配で、ダンジョンから緊急脱出するのも、移動の時間を削減するのも簡単になり、高レベルのダンジョンもひたすら攻略していった。
今のステータスは。
『NAME:羽佐間義辰
TITLE:ファーストエクスプローラー
RACE:人間
AGE:27
SEX:男
JOB:空間使い
LEVEL:64
HP:500
MP:757
STR:197
DEX:205
VIT:178
AGI:633
INT:45
MND:704
LUK:30
CHA:21
SKILL
経営(中級)
料理(最上級)
格闘術(上級)
プログラミング(中級)
空間支配
完全複製
究極地図
ダンジョン生成
魔力増加(中)
各種耐性(中)
飛行魔法(上級)
生活魔法
敏捷増大(極大)
解錠(上級)
隠密(上級)
錬金術(最上級)
鍛治魔法(上級)
鉾槍術(上級)
言語翻訳
鑑定』
『NAME:アーノルド・ガルシア
TITLE:セカンドエクスプローラー
RACE:人間
AGE:27
SEX:男
JOB:賢者
LEVEL:61
HP:451
MP:974
STR:108
DEX:164
VIT:121
AGI:174
INT:678
MND:541
LUK:40
CHA:21
SKILL
経営(中級)
プログラミング(中級)
速読
属性魔法(最上級)
回復魔法(最上級)
結界魔法(最上級)
補助魔法(最上級)
飛行魔法(最上級)
転移魔法
生活魔法
魔力増大(極大)
知力増大(極大)
瞑想
魔導書製作(最上級)
槍術(中級)
アイテムボックス
鑑定
言語翻訳』
『NAME:ヴォルフガング・ラインハルト
TITLE:サードエクスプローラー
RACE:人間
AGE:27
SEX:男
JOB:防衛者
LEVEL:61
HP:1580
MP:680
STR:654
DEX:110
VIT:669
AGI:107
INT:39
MND:325
LUK:25
CHA:20
SKILL
経営(中級)
格闘術(最上級)
プログラミング(中級)
栽培(下級)
畜産(下級)
盾創造
万能障壁
絶対耐性
防衛者(最上級)
体力増大(極大)
筋力増大(極大)
耐久増大(極大)
飛行魔法(上級)
斧術(上級)
テイム
アイテムボックス
生活魔法
鑑定
言語翻訳』
『NAME:セラフィーマ・ポチョムキナ
TITLE:フォースエクスプローラー
RACE:人間
AGE:27
SEX:女
JOB:魔剣士
LEVEL:61
HP:568
MP:512
STR:184
DEX:698
VIT:167
AGI:221
INT:40
MND:610
LUK:40
CHA:20
SKILL
経営(中級)
プログラミング(中級)
工作(中級)
剣創造
剣操術
付与魔法(最上級)
剣術(最上級)
器用増大(極大)
縮地
瞬動
慣性制御
格闘術(中級)
二刀流
飛行魔法(上級)
アイテムボックス
生活魔法
鑑定
言語翻訳』
「いやあ……、どうにかなったな」
「どうにかなったねえ」
「うむ」
「そうね」
目の前の、レベル75モンスター、エルダーブラックウーズが破裂するのを見て、俺達は一息ついた。
「いやー、シーマが片腕溶かした時はヤベーな、って思ったんだけどな」
「僕はタツがミスリルゴーレムに蹴られた時の方がヤバイって思ったよ。あー、ありゃ死んだかなー、って」
「……お前達は危険だと言うのに前に出るからな」
「会社員をやるよりはスリリングで面白いわね」
言語翻訳スキルは便利だ。
このスキルは、相手の言葉と自分の言葉を翻訳するスキルで、等級は最上級。
俺は日本語で話しているつもりだが、こいつらはそれぞれの国の母国語で聞こえているらしい。
このスキルを使えば動物とも話せるらしく、ヴォルフはペットのハスキー犬と毎日お喋りしているそうだ。いい歳した男がペットとお話しってキモいね!と煽ったところ、割とショックを受けたそうだ。
また、モンスターを倒して、解剖していたら、心臓部に小さな水晶のようなものを発見。これは魔石らしい。
俺の錬金術スキルによって得た知識によると、これを使ってポーションを作れるとか。
素材ってやつだな。
俺も、今まで倒したモンスターの死体や、ダンジョンで取れる植物やきのこ、鉱石なんかは保管してある。
そのうち魔法の剣とか作れるかもなー、なんて言ってると、ヴォルフとシーマが魔法の盾と魔法の剣を創造できるようになりやがった。
また、木偶の坊の馬鹿ヴォルフは、机の上に置いておいた魔石を愛犬に食われたらしい。
すると、愛犬が、レベル18のシルバーウルフに進化したとか。見せてもらったが、かなりデカイ狼だ。
その上、風の魔法も使えるようになっていたらしい。
ヴォルフは、愛犬に求められるがまま魔石を与え続け、今ではシュナイダーウルフ、レベル41になったとのこと。何やらかしてんだこのボケ。
見たところ、三メートルを超える化け物狼になっていた。普段は変幻魔法で普通のハスキー犬くらいの大きさに化けているから許してくれと懇願してくるヴォルフ。ガチの土下座だった。
誰にもバラさないこと、ダンジョン攻略の時以外は元の姿に戻らないことを条件に、処分はしないことに。
「にしても、良いよねえ……。普段は普通の経営者、裏の顔は世界を守るスーパーヒーロー!アメリカン・ドリームだよ!」
「蝙蝠男、ってか?」
「そこまで会社は大きくないけどね」
「じゃあ何か?全身ブルーの被爆者か?」
「むしろ、元医者のソーサラーじゃない?」
アーニーは馬鹿だからスーパーヒーロー気分だ。死にかけたことだって何度かあるのに、現状を楽しんでいる節がある。まあ、魔法で死者の蘇生すらできる訳だしな、余裕なのかね。
で、まあ、色々試してみたところ、レベルが三、四十を超えるダンジョンからは、現代兵器が通用しない。
俺が使えるんじゃないかと思って、米軍基地に隠密と空間支配を使って忍び込み、ロケット砲やら重機関銃やらを複製してきて、四苦八苦しながら使ってみたが、レベル三、四十超える辺りのモンスターには殆ど効かないみたいだ。
この前のレベル六十のミスリルゴーレムなんかは、アーニーの火の魔法、摂氏五千度まで耐えたし、ヴォルフはどうにか盾で殴り殺し、シーマも何度か斬りつけないと完全に破壊することはできなかった。
俺?俺は空間そのものを切断できるから、相手の防御力とか関係ないけど。
そんな感じで、もしもモンスターが世界に溢れたら確実に滅ぶなー、と思い、俺達は秘密結社的に、裏で動いてダンジョンを破壊している。
さて、そろそろ。
「定職に就きてえなぁ?」
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