今日見た夢

筆ペン

今日見た夢


私たち夫婦には可愛い娘がいる。

可愛くて、可愛くて、可愛すぎる。

身体が30センチくらいの娘。


でも目標は大きい。


ごはんもデザートももりもり食べる。

将来は動物園で見た、キリンさんより

大きくなってママを抱っこするんだって。

パパはポイッと運ぶ。

キラキラした目でパフェを食べながら話す。


それから

だんだんお友だちは大きくなって、

でも娘はあまり変わらない。

ちっちゃいまま。


お友だちに可愛いって抱っこされて、

ニコニコで。

ごはんはもりもり食べる。

いつも明るい。


ママとパパは心配になった。

だいぶ他のお友だちと身体の大きさが違う。

でも夢は大きい。


猫の背中に乗って、モグラの穴に入って、

犬が周りを囲む。動物ともお友だちだ。


当然ランドセルは背負えない。

でもハイキングに行った時友だちになった

鷲の背中に乗って学校に行く。


とても可愛いしカッコイイ。

ワシに飛び乗る時の娘は、これから

冒険に出掛ける勇者のように横顔が凛々しい。


私は毎日心配だった。

動物に噛まれないか?穴で迷子にならないか?鳥から落っこちちゃわないか?

このまま身体が大きくならないのか?と。

ママはいつも笑顔で娘を送り出している。


ママに「顔に出てるよ」そう言われて私は

昔より顔が強ばってる自分を鏡で見つめた。


ママと娘は同じベッドでねている。

私はいびきがうるさいらしいのでリビングの床で寝ている。


お風呂でママも泣いていた。

シャワーの音で娘にも、パパにも見つからない様に。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈!「私は周りのお友だちと何か違う!!」

夕ご飯をもりもり食べながら娘は泣いていた。

ポロポロと大きな涙。


私は強ばった。身体が動かない。

優しい一言が、言えない。

一緒に泣いてしまった。

ごめんなさいも何かちがう。

慰めの一言も何か違う。

悲しくなって泣いてしまった。


ママは優しく「違くて良いんだよ!」

大きな声で、優しく娘を抱きしめた。

泣いていなかった。


娘の夢は大きい。もりもり食べる。

キリンになるんだといつも言っていた。

最近は言わない。でも目は真っ直ぐだ。


私はこの家族を見守る観客。頼りない。

でも顔が怖い

でもパパだ。パパなのに。これでいいのか?

パパなのか?


ママの手は固くなってきた。

昔はふわふわしていたが、食器を洗ったり、

料理をしたり、歳をとってきた。

おばあちゃんの手に似てきた。

本人には言えない。


おじいちゃんのお葬式で親戚が集まった。

小さく家族だけでいいと思ったが、ママが

おばあちゃんの意思を汲み取り皆を呼んだのだ。


テーブルに座り皆でご飯を食べている時。

娘はもりもり食べている。

親戚の子供が「ウチの娘が居ない」と教えに来た。


私は焦った。

ママは笑った。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈、

鼻水を垂れながら泣いている。

私は夢から覚めた。

そして書いている。

おわり






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