第11話-3

追憶の焦点

最終章 クイーン・ミーシャ


2.陰謀の館


「ようこそ、手荒な真似をして申し訳ない」

 ミーシャ(神流)の眼前には、モナクライナ大使とナイトメアの姿があった。

「…大使あなたが何故こんなことを?」

 神流はミーシャになりすましながら、モナクライナ大使に訊ねた。

やったことだ、悪く思わんでくれ」

「え?」

 モナクライナ大使が意味深な返答をしたことで、真の黒幕の存在が明らかになった。そして…


「ガチャ…」

 神流たちの会話中、執務室の扉が開いた。入室してきた者は…


 現れたのはモナクライナ皇族のシャンク皇子と彼の妃、モーガン夫人であった。


「約束通り、連れてきましたぞ」

 モナクライナ大使がシャンク皇子に話しかけた。

「随分と手こずっているようだな、出国かえる前に片づけたいんだよ」

「ここなら邪魔は入らない、早速始めようか」

「………!」

 ナイトメアの顔つきが変わり、神流は胸騒ぎがしたようだった。この感覚は彼女にとって初めてではなかった。その一方で…


「……ピク」

 新室は大使館につながる山道を歩く中、妙な気配がうようよしていることに気づいて足を止めた。彼の前にナイトメアの操り人形が立ちはだかった。

 モナクライナ皇族の間で起きた騒動の要因が解かれていき、決着の時が刻々と近づいていた。

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