第2話-2
追憶の焦点
第1章 現場復帰
2.皇族来日
場所は変わり、東京都内某所。そこは下町で、日本の良き時代の雰囲気が色濃く残っていた。
商店街では店員の威勢の良い声が飛び交い、主婦は財布の中身を気にしながら買い物をしている。学生は学校帰りに繁華街に寄り道、カラオケやゲームセンターで時間を潰し、子供は行きつけの駄菓子屋で馬鹿騒ぎしている。ママ友は駅前の喫茶店にたまってティータイムを楽しんでいた。
いつもと変わらない平和な日常が描かれているが、そんな環境と合致していない人物が一人いた。
「ふん、失礼な話だ」
新室は
二階は一般の住居スペースで二室あり。そのうち一室の住人は新室で、もう一室は住人がころころ変わり、現在は空き室であった。
新室は朝早く起きて、ジョギングをしながら外の光を浴びていた。帰宅後、彼は軽くシャワーを浴びて、下階の喫茶店に顔を出した。
「よう、マスター元気?」
「………」
喫茶店の店主は強面で不愛想、新室が挨拶しても表情一つ変えなかった。それに比べて…
「いらっしゃい、いつもので良いの?」
喫茶店の接客担当〝
新室はカウンターの特等席に座り、店自慢のコーヒーを口に含みながら、朝刊に目を通そうとするのだが…
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