爆弾を作る男の子

爆弾を作る男の子

クラスの目立たない子が、家では親の目を盗んで爆弾を作ってるの。「これで全部」ってニヤけるの。彼はそんなに頭がよくないから、爆弾は欠陥だらけなの。それでも彼にとって、爆弾を作る時間、嫌いな皆が粉々になる想像だけが救いなの。嫌い？そう、全部嫌いなの。全部むかつくの。彼はずっと怒ってるの。怒り、それが彼そのものなの。芸術が好きなの。素晴らしい作品に心躍らせるの。でも、あとからそれすらなんてことないように思えるの。感動はないの。全部稚拙に思えるの。そうして彼は爆弾作りに戻るの。いつか皆殺してやりたいの。人を殴りたい。血が見たいなんてサイコパスぶって、酔っ払って、そんなんじゃないのに。ただ怒ってるだけなのに。