裸だった王様「なあ大臣」大臣「はい、王様」

王様「なあ大臣」

大臣「はい、王様」

王様「昨今は女らしさとか男らしさとかダメらしいな」

大臣「そうみたいですね」


王様「ワシも解呪出来たことだし、王様らしい服を作りたいんだが」

大臣「ダメです」

王様「なんで?」

大臣「ロイヤルハラスメントになります」

王様「ロイヤルハラスメント?」


大臣「王様らしい服にすると、民衆がロイハラだと騒ぎます」

王様「いや裸の方が騒ぐんじゃないか?」

大臣「問題ありません」

王様「ないの!?」


結局裸でパレードをすることになった王様。

民衆は事前に賢い者だけが見える服だと聞いていたので、誰も何も言いません。

しかしそんな中、一人の子どもが声を上げました。


「裸だ!王様は裸だ!裸の王様だ!」

すると民衆は慌てて子どもの口を塞ぎました。

「何を言っているんだ!ちゃんとマイノリティに配慮しているだろう!」

「そうだ!子どもには分からないんだ!」


子どもは訳が分からず叫びます。

「どうして!?おかしいでしょ!?」

しかし大人たちは口を揃えて言います。

「おかしい?みんなおかしくないって言ってるじゃないか!おかしいのはお前なんだ!」

「そうだ、この差別主義者め!」


大臣「王様、バカには見えない服はどうでしたか?」

王様「思ったより民衆がバカだと分かったよ……」

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