不如帰(ほととぎす)
第13話 ※この章の説明(1)
不如帰と書いてほととぎすと読みます。もちろんこれは当て字で本来なら「帰るにしかず」と読み、この意味は「帰ったほうがいい」もしくは「帰るべきだ」となります。ではなぜこんな漢字があてられたかと云うと、それは中国の故事で望帝という人にまつわる逸話があるのですがそこから来ているのです。しかし明治時代にわが国の徳富蘆花という人が小説「不如帰」をあらわし、悲運の主人公の浪子と武男の悲恋物語があまりにせつなく、後の「愛染かつら」のように巷で有名になったので、わが国では以来ここに不如帰(ほととぎす)の由来を見ることになります。ところでホトトギスという鳥は託卵(他の鳥の巣に卵を産みつけて育児をその鳥にまかせること)をする鳥で、生まれ育つホトトギスの雛は決して産みの親を知ることはありません。それゆえにわが国ではまるで産みの親を捜し呼んでいるような、せつなげに鳴くホトトギスの声を珍重するようになります。古来有名な鳥はほかにうぐいすや雁がありますが、おそらくこちらのホトトギスの方がよりもてはやされていたかも知れません。
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