7 艮《ごん》 (○●●初)

卦 三爻初  正象 卦徳(性情) 家族 五行 易数

ごん ○●●初 山  静止(止)  少男 土性 7

 山、止める、強欲、静止、蓄える、相続、少男、腰、関節、終止、高い、北東


 初爻と二爻の陰を大地と見ると、一番上にある三爻の陽が盛り上がった部分。土が下で重なっていて陽が下から昇って頂点に空がある形であり、自然界では「山」を表す。丘や低い山ではなく堂々とそびえ立つ高い山。

 卦徳は「止」。山はじっとして動かないから。止まる、蓄える、重い、固い、頑固、拒絶、高い、高級、高尚、土を重ねた意から積み重ねたものも指します。

 とどまるべきところにとどまれるのは君子であり、外の世界で何が起ころうとも、みだりに欲望を抱かず、心を平静に保つことに通じます。

 しかし、人間界で永久にととまっているものはありません。蓄積から新しいものが始まるので、「艮」は「終わりして始まり」という意味もあり、季節の変わり目や世代交代を象徴します。列車が停止した後に出発、あるいは他の路線に乗り継ぐようなイメージです。東洋占術では二月初旬の立春が一年の始まりであり、陰から陽への変わり目です。そして立春を含む一月と二月は「艮」の季節です。

 性質は、静止、停止、制止、休止、中止、廃止、防ぐ、防止、守る。拒絶、不動、待つ、退く、滞る、宿、蓄える、保つ、頑固、固い、貞固、固執、高い、崇める、孤立、孤独、膨満、懲罰、丁寧、黙る、神仏。 


 艮の象意をもとに分類します。

▼「人」少年(少男)。若い男性。相続人。高尚な人、僧侶、神官。

    警察官、警備員、守衛、ガードマン、獄吏。

    ホテル・旅館経営者、土地不動産売買周旋人、仲介業者、

    指導者、責任感が強い、篤実な人、真面目、保守的、頑固・強情。

    高級志向。孤立した人。

    内に止まって蓄えるので蓄財の人、進まずに待って古きを捨て新しく始めようとする継ぎ目・曲がり角・節目・変わり目にある人、進退決せず方針未定で思案中の人、    

    墓地・宿泊休憩所・駐車場・駅など終わりまた始まる中継地の管理人、

    質屋、倉庫業、土木建築業、変わったところで禁固刑中の囚人など。

▼「行動」どっしり構えて、多少のことには動じない人。頑固でなかなか考えを変えようとしませんが、一度決意したら大胆に方向転換します。

     親の事業や財産を受け継いだ人。若い頃は思うようにいかないことが多くても、中年期以降に成功する遅咲きタイプ。

     とっつきにくい印象があっても、ひとたび心を開けば親切で面倒見がよく、誠実な関係を築けます。

▼「人体」どっしりとしている部位の背中・肩・腰。継ぎ目である手足の関節。

     顔で高い位置の鼻、胴体で高い位置の乳房など突き出ている部位。

     脾胃の消化器および皮膚や男性器。

     五行では脾臓。

▼「病気」肩こり、脊髄、腰痛、鼻炎、打撲、腫れ物、麻痺症、

     血行不順、消化器系の病気。

     また骨折、打撲傷、腫れ物、リウマチ、全身硬直、半身不随、麻痺的な症状など止められ停滞して頑固な病原となる意から、食滞、不食、血行不順、癌性の病気、結核など長引いて次第に衰弱してゆくものが多いとみます。

▽「病勢」〈止まる〉意から小康状態と判断。ときには峠とみます。


▼「物」机、テーブル、タンス、本箱、ついたて、屏風、つなぎ合わせたもの。

    棚、積み木、重箱、跳び箱など積み重ねていくもの。

    仏壇、小石、星。古いものを再生するリサイクル。

▼「場所」山、丘(本来の象意とはズレますが)、高いところ(高台)、

     高層建築、マンション、高い門、増築した家屋。

     ホテル、旅館などの宿泊施設。

     デパート、スーパーストア、銀行。倉庫、物置。

     城、石垣。神社・鳥居、寺院、墳墓。牢獄、路地。階段、石段。


▼「動物」艮が丑と寅に対応するので牛と虎。

     がっしりと落ち着いている牡牛、鹿など角のある動物、キリン。

     虎や象など牙のある動物、犬、イノシシ。

     くちばしの強い動物、ツル、サギ。

     昆虫類。

▼「植物」じゃがいも、さつまいも、山芋などのほかに、節の目立つ土筆やたけのこなど。

▼「食物」高級菓子、瓶詰め・缶詰。魚卵・たらこ・すじこ・イクラ・数の子。

     ブドウ、さくらんぼ、バナナ。


▼「干支」丑と寅

     パソコンで「うしとら」と打つと「艮」が変換候補として出る。

▽「季節」晩冬1月(丑月)から初春2月(寅月)

     冬から春への変わり目です。

▽「方位」東北

     鬼門として恐れられるのは、人間が基本的に変化を嫌い、現状維持を望みがちなため。

     吉方取りでは相続や代替わりのトラブルを避ける効果が期待できる。

▽「時間」午前一時(丑の刻)から五時(寅の刻)までの四時間

     夜中から夜明けを迎える。

▼「九星」八白土星

▼「五行」土

▽「色」茶色、黄色

▽「数」7。五行の数は5と10

▽「味」甘味


▽「天気」〈二陰の上に一陽の形で雲の上に太陽〉から、薄曇りと判断。

▽「株式」〈止まる〉意から、横ばい・保合い傾向ながら山は高い意から、多少プラスと判断。




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