千才生人

ある日の怖い話

 僕の名前は澤部さわべ健太郎けんたろう。とある田舎町に住む普通の男子高校生だ。

 成績も普通で、運動能力も普通、クラスでも普通。

 ある日、UFOらしき宇宙船が僕をついてくるようになった。

 友達にそれを言っても「いないぞ」と返されるだけ。なぜついてくるようになったのかは知らない。

 普通(とはいってもそうではないと思うが)、UFOが現れたら連れていかれるか、襲われるというのがテンプレートだ。

 なのに、なぜ何もしない。


「なんなんだ・・・・・?」


 家でテレビを見ていても、窓の外を見ればそこにいる。

 頭の中にもやがかかるまま、眠りについた。


 ―――・・・


 目を覚ますと、カーテンにあたる太陽の光が強すぎたのか、部屋の明かりをつけたかのようにまぶしい。


「・・・・」


 天井が真っ白だ。周りを見ても何もない。

 これは夢の中だろうか。

 起きたら病院にいたなんてよくある物語の展開だが、僕は今、何もない部屋にいる。


 部屋をうろついていると、突然何もない壁から扉が開いた。

 そこには、大きな目をしたばけ――――――――――あ。

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千才生人 @sanmojiijyou

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