俺は異世界をまったり過ごしたいです‼

@harujyao

 プロローグ

 あー、なんか眠いなぁ。


 目の前にいる人たちが、やけに騒がしい。


 カンカンカンとなり続ける踏切の音。


 遠くから聞こえる救急車のサイレン。

 


 そうか、俺死ぬんだ。

 脳裏に浮かんできた言葉は死だった。

   


 






 目が覚めると綺麗な女の人がいた。


 容姿端麗、出るところは出ているすらっとした体型。純白な肌。


 とりあえず言っておこうと思い、「付き合ってください」と言ってみる。


 すると美人は、表情一つ変えないで「冗談はやめてください」と言う。


 美人は続けて、「佐藤誠様、あなたは死にました。」と言う。


 あ、俺やっぱり死んだんだと改めて実感する。


 「佐藤様、あなたは生前最後に男の子の命を救いました。よってあなたは次なる人            生の選択が可能です。」と美人は淡々と話す。


 そういえば、俺は死んだあの日、駅のホームにいた。


 いつも通りぼーっとしていると男の子が母親の言うことを聞かないで、黄色い線の外側を走っていた。


 あいつバカだなぁ、危ないんだから母親の言うこと聞けよ、なんて思っていた。


 その数分後、電車が到着することもあり、駅員が注意する。「そちらのお客様、黄色い線の内側にお下がりください‼」


 男の子は、母親の注意も駅員の注意も聞こうとせず、走り続ける。


 電車が接近していた。


 母親と駅員は必死に男の子を追いかける。


 ちょうど俺の目の前に来た時だった。


 その子は自分の足につまずき、線路に落ちそうになった。


 電車は男の子に気付いていたようで、減速している。


 しかし、止まることはなくぶつかりそうになる。


 母親は悲鳴をあげる。 


 俺は、とっさに今助けなければ後悔すると思い、男の子の手を引き、そのままホーム側に投げる。

 

 俺は、前傾姿勢だったので、そのまま線路側に落ち、電車と衝突する。


 意識が遠のいていく。

 

 





 そうか俺は、男の子を助けて死んだんだ。

 

 やるなぁ俺、かっけぇじゃん。なんて思っていると 

 

 美人は「選択肢は、3つございます。1つ目は、もとの世界で改めて転生する。この場合、人間でも動物でもお好きな生き物に転生可能です。2つ目は、このまま極楽浄土で暮らす。死すらない世界なので、自由に暮らすことが可能です。しかし、1度選択しますと、2年過ごしていただかないと転生はできません。3つ目は、異世界に転生する。この場合、人間での転生になりますので、年齢は選択自由となります。また、あなたの世界でのアニメや漫画・ライトノベルなどで描かれた世界に似て、危険ですので、1つ何でも持っていくことが可能です。武器でも、能力でも。」と淡々と話す。


 俺は、迷わなかった。 


 すぐに「異世界転生でお願いします。」と言った。


 前世でオタクをやっていたので、異世界知識はたくさんあるし、異世界転生してみたかったからだ。


 すると美人は「了解しました。年齢を選択してください。」と言う。


 赤ん坊転生も悪くないが、すぐに異世界を楽しみたかったので、今の年齢19歳でお願いした。 


 美人は「了解しました。では何か1つ持っていきたいものを選択してください」と言う。 


 何が良いだろう。


 最強の武器か、いや武器は異世界で選びたい。


 やっぱり、前世で味わえなかったモテモテ人生を歩みたいから、能力か。


 能力なら。


 「けっこう強い攻撃でも耐えられる、肉体が欲しい。」と注文した。


 あんまりチートになってもつまらなそうだし、これくらいのなら楽しめそうだ。

 

 美人は「了解しました。心の準備さえよろしければ転生致します。」と言う。

 

 俺は「よろしく頼む。」と答えた。


 

 

 

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